トラックを引っ張れ!クロスフィットとストロングマンの融合イベント

トラックを引っ張れ!クロスフィットとストロングマンの融合イベント DO

トラックを引っ張れ!クロスフィットとストロングマンの融合イベント

スポーティ

7月21日にカリフォルニア州アーバイン市で開かれた「EPIC Barnaby’s Challenge」というイベントに参加してきました。

トラックを引っ張ったり、バーベルを持ち挙げたり、巨大タイヤをひっくり返したり、などの障害物がコース内に10個設けられ、参加者が全ての障害物をクリアする所要時間を競うタイムトライアル形式の競技イベントです。

主催しているのは、以前の記事で紹介したEPIC Series。泥と長距離走を排した新しいスタイルの障害物レースを開催している団体です。

今回のイベントもそのEPICの特徴をさらに凝縮したものでした。

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コース概要

コースが設定された会場は、倉庫街の中にある駐車場です。大体100メートル四方ぐらいです。大勢が一斉に走るレースとは異なり、これだけのスペースでも充分です。

1. トラック・プル (制限時間90秒)
2. クリーン&ジャーク – 10回 (男性: 43.1 kg / 女性: 29.5 kg)
3. デッドリフト -10回 (男性: 83.9 kg / 女性: 61.2 kg)
4. アトラス・ストーン・ アップ&オーバー -5回 (男性: 43.1 kg / 女性: 29.5 kg)
5. タイヤ・フリップ -10回 (男性: 約 136.1kg / 女性: 約 90.7 kg)
6. ファーマー・キャリー -約5メートル往復 (男性: 43.1 kg x2 / 女性: 29.5 kg x2)
7. ケトルベル・ステップアップ -10回 (男性: 24.9 kg x2 / 女性: 15.9 kg x2)
8. アトラス・ストーン・シュラッグ -10回 (男性: 43.1 kg / 女性: 29.5 kg)
9. サンドバッグ・ランジ・ウォーク -約10メートル往復 (男性: 約43.1 kg / 女性: 約29.5 kg)
10. ケグ・ラン -約10メートル往復 (男性: 約43.1 kg / 女性: 約29.5 kg)
11. 約100メートル・ダッシュ

*1つの障害物を終えて次の障害物に向かう前にバーピーを5回課せられます。

競技者1人ずつにジャッジがつき、順番に名前を呼ばれてスタート・ラインに立ちます。一つ一つ、順を追って紹介します。

1. トラック・プル (制限時間90秒)

スタート直後にいきなり出てきたのが、この日1番の目玉、トラック・プルです。ストラップをつけたロープでトラックを引っ張ります。距離は約10メートルぐらいです。

制限時間90秒以内に終わることが出来なければ、タイム・ペナルティが2分30秒加算されます。スーパーマンたちが競うストロングマン・コンテストでは、大型トラックやバスを引っ張りますが、ここでは一般人がなんとか頑張ってできるぐらいの大きさです。私も何とか最後まで引っ張ることができました。

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2. クリーン&ジャーク – 10回 (男性: 43.1 kg / 女性: 29.5 kg)

オリンピック競技である伝統的な重量挙げの1種目です。もっとも重量挙げではバーベルを1回だけ持ち挙げる最大重量を競いますが、クロスフィットではこのように決められた重量を複数回数挙げるスピードを競うことが多いです。

これは、クロスフィットをやっている人なら難しい重量と回数ではありません。問題なくクリアして、次に進みます。

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3. デッドリフト -10回 (男性: 83.9 kg / 女性: 61.2 kg)

こちらはパワー・リフティングの1種目。パワー・リフティング競技も1回だけの最大重量を競いますが、クロスフィットではこのように決められた重量を複数回数挙げるスピードを競うことが多いのも重量挙げと同じです。こちらもさほど問題なくクリアできました。

4. アトラス・ストーン・ アップ&オーバー -5回 (男性: 43.1 kg / 女性: 29.5 kg)

よくスパルタン・レースなどの障害物レースに出てくる壁です。これを乗り越えて壁の向こう側に飛び降り、それを5回繰り返すわけですが、その前にアトラス・ストーンと呼ばれる大石を担ぎ上げて、壁の向こうに投げなくてはいけません。

トラック・プルのような見た目の派手さはありませんが、私にとってはこの障害物がこの日一番の難問でした。アトラス・ストーンの重さはともかく、身長160センチの私には壁が高すぎるのです。

掴むことのできない重さ43キロの球体を目の高さまで持ち挙げるのは思ったより大変でした。1回ごとに渾身の力を込めて、なんとかクリアできました。背の高い人たちにとっては何でもないようでした。

5. タイヤ・フリップ -10回 (男性: 約 136.1kg / 女性: 約 90.7 kg)

どこから運んできたのかと問いたくなる巨大タイヤ。これを地面から持ち挙げ、ひっくり返します。よく高校や大学のアメフト選手たちがやっています。

これもまあ一般人がなんとか頑張ってできるぐらいの大きさです。勿論、デカイ人が圧倒的に有利な種目です。私にとっては体重比2倍以上ですが、この日の競技者にはこのタイヤより重そうな人も何人かいました。

6. ファーマー・キャリー -約5メートル往復 (男性: 43.1 kg x2 / 女性: 29.5 kg x2)

ケトルベルを両手にぶら下げて歩くだけ。シンプルです。ストロングマン・コンテストでは同じ種目でも重量は150 kg以上だったりしますので、これも一般人向けなのでしょう。

勿論、簡単なわけではありません。43キロと言えば、小学校高学年ぐらいの子供の体重でしょうか。それぐらいの年齢の子供を2人、両手にぶら下げて歩くところを想像してください。

7. ケトルベル・ステップアップ -10回 (男性: 24.9 kg x2 / 女性: 15.9 kg x2)

ケトルベルを両手にぶら下げて、約61cmのボックスに昇り降りします。これも体の大きな人にとっては何でもない種目なのですが、私にとってはこの日2番目にきついものでした。

この重量でも、体重60キロの私には文字通り荷が重いのです。さらに言えば、脚の長さに関係なく、同じ高さのボックスを昇り降りするとはどういうことでしょうか。

8. アトラス・ストーン・シュラッグ -10回 (男性: 43.1 kg / 女性: 29.5 kg)

さきほどと同じ重さのアトラス・ストーンを今度は肩越しに投げます。大変と言えば大変なのですが、こちらは全身の力を利用する重量挙げのテクニックを応用することができます。

9. サンドバッグ・ランジ・ウォーク -約10メートル往復 (男性: 約43.1 kg / 女性: 約29.5 kg)

サンドバッグを肩に担いで、ランジ・ウォークです。意外に手間取ったのが、バッグを地面から肩に持ち挙げることです。何しろ、掴みどころがない形状の上に、こちらは既に疲労困憊のうえに、腕はパンパンなのですから。ありがたいことに、このランジ・ウォークで脚もパンパンになります。

10.ケグ・ラン -約10メートル往復 (男性: 約43.1 kg / 女性: 約29.5 kg)

最後の障害物です。どんな持ち方をしてもいいから、このケグをあのコーンのところまで運んどきな。運んだら、またここに戻ってきな、って種目です。

11. 約100メートル・ダッシュ

締めくくりは、ゴールまで走るだけ。ジャッジを振り切るぐらいのスピードで全力疾走しました。

全てが終了し、私のタイムは、約20分でした。正式な順位は確認しませんでしたが、大体真ん中ぐらいだったと思います。私は重量で苦労しましたが、重量級の人たちは各障害物間にあるバーピー5回に思いのほか時間がかかっていました。

5回を10セット、合計50回のバーピーなんて、クロスフィッターにはウォーミングアップにもなりませんが、ストロングマン・タイプの人にとってはまるで拷問のように感じるようです。まさに人それぞれです。

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