戦略も様々!東京2020パラリンピック新種目「テコンドー」

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戦略も様々!東京2020パラリンピック新種目「テコンドー」

スポーティ

2020年の東京パラリンピックで、新種目として行われるテコンドーは組手のみで行われます。パラスポーツとしては2009年にはじめて世界選手権が行われた新しいスポーツで、日本では東京パラリンピックヘ向けて2015年から本格的な普及活動が行われています。

自分のハンデを全く感じさせない華麗な動きから繰り出される技の数々は圧巻。東京パラリンピックまでにルールや注目選手を押さえておきましょう。

メイン写真 photo by erikluhr

大逆転を可能にする「大技」にも注目!

パラリンピックのテコンドーは蹴り技で行われる格闘技で、基本的なルールはオリンピックのテコンドーとほぼ同じです。違う点は、胴部への足技だけが有効な攻撃であり、頭部への蹴りは反則になります。障がいの程度により、重いほうから順にK41からK44まで4つのスポーツクラスに分けられ、男女別に体重階級制(各3階級)で競います。

試合は八角形のコートで行われます。

有効な攻撃に対してポイントが与えられ、試合時間内により多くの得点をとったほうが勝ちです。3ラウンド終了時点で同点の場合は延長戦が行われます。

ポイントは、有効な蹴りは1回2点で、180度の回転が加わった後ろ蹴りは3点、後ろ蹴りから軸足を入れ替えて計360度の回転蹴りは4点となります。4点が入るこの360度の回転蹴りはオリンピックにはなく、パラリンピックならではの大技です。難しい技ですが、決まれば一気にポイントを逆転してしまう大技です。豪快で華麗なこの技もパラリンピックで見れることでしょう。

技の有効性の判定は、選手が胴部に装着した電子防具で行われます。正しい位置に正しい強さで蹴りが入れなければポイントが加算されません。

ダイナミックな蹴り技だけでなく、小技やガードにも注目です。選手の上肢障がいの状態が異なりますので、体の使い方やガードの仕方、技の出し方もそれぞれ違います。自身の特性、対戦相手の特性を考えながらの戦いはダイナミックなものだけではなく、戦略も非常に重要となります。

パラテコンドーは上肢に障がいのある選手を対象としたキョルギ(組手)と、知的障がい選手を対象としたプムセ(型)の2種目があり、東京パラリンピックではキョルギのみが追加されました。

戦いの舞台は千葉県「幕張メッセ」

パラテコンドーが行われるのは、スポーツだけでなく音楽イベントやファッションショーなど開催される複合コンベンション施設「幕張メッセ」です。

東京パラリンピックで期待の注目選手

伊藤力選手

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東京パラリンピックは35歳で迎えます。様々なスポーツを経験してきた伊藤選手ですが、2015年に職場のプレス機に右腕を挟まれ切断してしまう大怪我を負いました。

そんな困難の中でも、前向きな考えを持っていた伊藤選手は、障がい者スポーツに興味を持ちました。そしてアンプティサッカー(事故や病気などによって上肢、下肢の切断障がいを持った人たちによって行われるサッカー)を「アシルスフィーダ北海道AFC」というチームではじめます。

退院後はアンプティサッカーにのめり込み、練習していた伊藤選手でしたが、練習に参加していた人から「東京パラリンピックに向けてテコンドーの選手を探しているらしい」と教えてもらったのがテコンドーを始めるきっかけだったそうです。

競技をはじめて3ヶ月で国際大会に出場。結果は世界1位の選手とあたり破れてしまいましたが、この負けが伊藤選手の転機になったといいます。

練習環境を整えるため家族揃って東京に移住し、仕事とテコンドーの練習に時間を費やしています。

世界一の選手と戦いに負けはしたものの、4年後のパラリンピックまでに練習環境を整え、準備すれば超えられない訳ではないと感じた伊藤選手。日本のパラテコンドーのパイオニアである伊藤選手は、東京パラリンピックで金メダルを目指します!

太田渉子選手

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東京パラリンピックは31歳で迎えます。

太田選手の名前をテコンドー以外で聞いた方が多いのではないでしょうか。太田選手は高校生16歳で2006年トリノパラリンピックに日本選手団としては史上最年少で出場し、バイアスロンで銅メダルを獲得。その後も2010年バンクーバー大会ではクロスカントリースキーのスプリントクラシカルで銀メダルを獲得しました。2014年ソチ大会ではメダルを逃したものの、開会式で日本選手団の旗手を務めました。

クロスカントリー、バイアスロンで活躍した太田選手はソチ大会後に現役を引退しました。その後、他の障がい者スポーツに興味が湧き、障がい者スポーツの普及に携わるようになりました。そんな活動の中でパラテコンドーの話を聞き、興味を持つことになります。

そして健常者の全日本ジュニアチームを訪れたといいます。痛いイメージがあったテコンドーですが、足技の美しさに魅せられた太田選手は選手としてパラテコンドーを趣味としてはじめました。

2016年、2018年とアジアパラテコンドーオープン選手権大会で銅メダルを獲得します。これは日本のパラテコンドー史上初のメダルとなりました。

太田選手は今年4月から東京パラリンピックを目指し、本格的に競技に取り組みはじめたと表明しています。

東京パラリンピックでも活躍し、より多くの人にパラテコンドーの魅力を発信して欲しいと思います。


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