高タンパク質食で筋肉を残して痩せられる!?その理由や実践法を紹介

高タンパク質食で筋肉を残して痩せられる!?その理由や実践法を紹介 DO

高タンパク質食で筋肉を残して痩せられる!?その理由や実践法を紹介

スポーティ

ボクシングや柔道など、階級制の競技では、減量が必要になります。しかし、ただ体重を減らせばいい、という訳ではなく、体を動かすために必要な筋肉は残したまま体重を減らす必要があります。

体重をコントロールする上で重要となるのが、「食事」です。私たちは食べたものを体内に取り込み、体の一部としています。

食事の内容を間違えると、内臓脂肪は減らずに、筋肉がたくさん減ってしまう、ということも起こったりします。食事はコンディションを整える上で非常に重要になります。

筋肉を残しながら体重を減らす食事として、高タンパク質食が挙げられます。今回は、高タンパク質食ではどうして痩せることができるのか、どのように実践すればよいのかを紹介していきます。

高タンパク質食で痩せる理由

Embed from Getty Images

まずは、高タンパク質食で痩せる理由から紹介していきます。

体重を減らすためには、1日の摂取カロリーを消費カロリーよりも少なくしなければなりません。食べ過ぎてしまったら太りますし、食べなければ痩せていきます。

そこで重要となるのが、食欲です。食欲は人の3大欲求の内の1つですので、食欲をうまくコントロールすることが、ダイエットや減量の成功のカギを握っています。

高タンパク質食を食べると、コレシストキニンやPYYといった、消化管ホルモンの分泌が促進されます。これらのホルモンは、脳に働きかけ、食欲を抑える働きを持っています。そのため、少しの量で満腹感が得られ、食べ過ぎを抑えることができます。

食事を摂取すると、血糖値が上昇します。血糖値が上昇するのは、糖質が含まれている食事を摂取するためです。血糖値が上昇するとインスリンというホルモンが分泌され、脂肪の合成が促進されてしまいます。

しかし、高タンパク質食には糖質がほとんど含まれていないので、血糖値が上昇せず、脂肪の合成を促進させるインスリンが分泌されません。

食事と食事の間では、血糖値を維持するために糖新生という代謝が起こります。高タンパク質食では血糖の元になる糖質を摂取しないので、糖新生が活発に起こります。

糖新生は血糖を作り出す反応です。何かを作るにはエネルギーが必要ですよね。糖新生も同じで、エネルギーを消費して血糖を作り出しています。つまり、高タンパク質食を摂取することで、糖新生が促進され、よりエネルギーを消費することができるのです。

タンパク質は筋肉の原料となる栄養素です。しっかり筋トレを行いながら高タンパク質食を摂取することで、筋肉の分解を抑えながら脂肪を減らすことができます。

このように、高タンパク質食を摂取することで体内では様々な反応が起こり、効率的に痩せることができます。

高タンパク質食の実践法

Embed from Getty Images

ここまで紹介したように、高タンパク質食は体内で様々な反応を起こし、筋肉の分解を抑えながら効果的に脂肪を減らすことができます。

それでは実際にどのような食事を意識すればいいのでしょうか。

その方法としては、タンパク質の摂取率を100%に近づける、という方法です。

食品には糖質、脂質、タンパク質という3つの栄養素が含まれていますが、糖質と脂質の摂取量を極力抑えてタンパク質のみを摂取する、という方法です。

しかし、食品にはこれら3つがかならず含まれているので、タンパク質のみを摂取するということは現実的ではありません。タンパク質の多いプロテインでさえ糖質や脂質は少なからず含まれています。

目標としては、1日の摂取エネルギーの60〜70%をタンパク質で摂取するように意識しましょう。

一般的な日本人は、糖質を60%、脂質とタンパク質をそれぞれ20%ずつ摂取しています。そのため、タンパク質を60%摂取しようと思うと、タンパク質をしっかり意識しなければなりません。タンパク質が多い食品としては、肉類や乳製品、卵などが挙げられます。

食品からのみでは、タンパク質の摂取率60%を達成するのは難しいです。プロテインなどの栄養補助食品を積極的に利用しましょう。オススメは、プロテインバーです。プロテインバーはおやつのように食べることができ、かつタンパク質が豊富に含まれています。

1本あたり20〜30g含まれているので、1日に2本程度食べるとよいでしょう。

プロテインは安くて、筋トレを行っている方ならほとんどの方が取り入れていると思います。プロテインは、1日2杯は飲むようにしましょう。

最後に意識すべきなのは、トータルのエネルギー摂取量です。タンパク質をたくさん食べても、エネルギー摂取量が高いと脂肪を減らすことはできません。

軽い運動を行う男性の場合、1日の消費カロリーは2500kcalとなります。脂肪を減らす場合は、タンパク質の摂取率60%を目指し、かつエネルギー摂取量は2000kcal以下で抑えるように意識しましょう。

これらを意識することで筋肉を残しながら、脂肪を減らすことができます。

減量をしたことがあるけど、脂肪と一緒に脂肪も減ってしまった、これからダイエットを始める、という方は是非参考にしてみてください。

スポーツ栄養学 タンパク質 運動生理学