タンパク質だけじゃない!筋トレの効果を高めるために必要な栄養素3選

タンパク質だけじゃない!筋トレの効果を高めるために必要な栄養素3選 DO

タンパク質だけじゃない!筋トレの効果を高めるために必要な栄養素3選

スポーティ

筋トレを行っている方でプロテインを飲んでいる方は多いのではないでしょうか。筋トレを行うと筋肉の合成が促進されます。その間に筋肉の基となるプロテインを飲むことで効率的に筋肉を大きくすることができます。

しかし、筋肉を大きくするために摂取しておきたい栄養素はタンパク質だけではありません。筋肉を作るにはタンパク質以外にも様々な栄養素が関わっており、その中には筋肉の合成を促進してくれる栄養素もあるのです。

今回は筋トレ後に摂取することで、より筋合成を促進させることができる栄養素とその理由について紹介していきます。

体内でホルモンのような働きをする「ビタミンD」

Embed from Getty Images

体の機能を維持するためには様々なビタミンが必要となりますが、筋肉の合成に関わっているビタミンとして、「ビタミンD」が挙げられます。

他のビタミンとは違い、ビタミンDは体内で特殊な作用を示します。多くのビタミンは酵素の働きを助ける働きをするのですが、ビタミンDは体内でホルモンのように働きます。

筋肉の合成にはmTORとうタンパク質が重要な役割を果たします。このタンパク質を活性化させる経路の一つにPI3K/Akt経路があります。ビタミンDを摂取するとこの経路を活性化させ、タンパク質の合成に関わるmTORというタンパク質を活性化させることができ、効率的に筋肉を増やすことができます。

また、筋分解に関わるMAFbxやMuRF1というタンパク質を減少させることで筋分解を抑制する働きもあります。

ビタミンDはカルシウム代謝においても重要な役割を担っています。カルシウムが不足すると骨粗鬆症の原因となります。骨のためにもビタミンDを積極的に摂取しましょう。

ビタミンDは日光に当たることにより体内で合成することができます。そのため食品から補う以外にも日光浴を行うことも有効です。

ビタミンDは卵に多く含まれています。卵1個で1日のビタミンD必要量のなんと40%もを補うことができます。他には、ビタミンDは日光に当たることで合成されることから、しらすやイワシなどの干した魚類やきくらげや干し椎茸といった食品に多く含まれています。

筋合成に関わるホルモンを作る「亜鉛」

Embed from Getty Images

体の働きを調節している栄養素としてミネラルが挙げられます。ミネラルは酸素の運搬に関わるものや筋収縮に関わるもの、抗酸化系に関わるものなど役割が多岐に渡っています。

たくさんの役割がある中で、筋肉の合成に関わっているミネラルが亜鉛です。亜鉛はインスリン成長因子IGF-1というホルモンの合成を促進させる働きがあります。

筋トレを行うとこのIGF-1というホルモンが分泌され、それにより筋肉の合成が促進されます。亜鉛は筋肉の合成に関わるIGF-1の合成を高めることで筋トレの効果を高めてくれるのです。

亜鉛はその他に抗酸化系の酵素の補酵素としても働きます。そのため亜鉛を摂取することで老化の原因とも言われる酸化ストレスを軽減することができます。

亜鉛の摂取で気をつけたいのが過剰摂取。亜鉛を過剰に摂取すると吐き気を催したり腎臓に負荷がかかったりします。

亜鉛は1日10mg摂取することが推奨されています。1日の上限量は40mgとなっているので、サプリメントから亜鉛を摂取する際は摂取量に気をつけましょう。

亜鉛はうなぎや牡蠣、レバーといった食品に多く含まれています。食品のみから亜鉛をたくさん摂取するのは難しいので、亜鉛の効果を実感したい方はサプリメントからの摂取をオススメします。

ダイエットでは避けられがちな「糖質」

Embed from Getty Images

最後に紹介するのは糖質です。糖質制限という言葉があるように、糖質は太る栄養素だと思っている方も多いですが、実は筋トレの効果を高めてくれる栄養素でもあるのです。

筋トレを行うとmTORというタンパク質が活性化されます。それにより筋肉の合成が促進され、筋肉が大きくなります。

糖質は筋トレによる刺激とは別の経路からmTORを活性化することで筋肉の合成を高めてくれるのです。

糖質を摂取すると血糖値が上昇し、インスリンというホルモンが分泌されます。筋肉にはインスリンを感知する受容体があり、インスリンが結合すると細胞内にその情報を伝達します。

筋肉がインスリンの情報を感知すると、筋細胞の中にあるAktというタンパク質が活性化されます。このタンパク質はmTORを活性化させる働きがあります。

このように糖質を摂取することでインスリンを介して間接的に筋合成に関わるmTORを活性化させることができるのです。

また、AktにはmTORを活性化させるだけでなく、FOXOというタンパク質の働きを抑える効果もあります。

FOXOが活性化されると筋分解に関わるタンパク質を作り出し、筋肉を分解してしまうのですが、糖質を摂取するとAktが活性化され、それによりFOXOの働きを抑え、筋分解を抑制してくれるのです。

このように筋肉の合成には様々な栄養素が関わっており、筋トレによる筋合成を促進してくれる栄養素もあります。今回紹介した栄養素を取り入れて効率的に筋肉を大きくしていきましょう。

スポーツ栄養学 タンパク質 ビタミンD 亜鉛 糖質 運動生理学