関西地区大学野球春季リーグ総括と優勝チームの横顔
WATCH関西地区大学野球春季リーグ総括と優勝チームの横顔
2か月近い春季リーグ戦も終わり、各リーグから全日本大学野球選手権大会への出場チームも決まりました。今春季は、各リーグとも熱戦続きで、優勝争いは、最後の最後までもつれ込みました。熱戦の模様と優勝チームを紹介します。
【関西学生野球連盟】立命館大が2季ぶり39回目の優勝
◎関西学生野球連盟
http://kansaibig6.jp/
関西地区の5リーグ最後に優勝を決めたのが立命館大です。近畿大との接戦が続いていましたが、5月26日最終節の同志社大との2回戦で勝利し、自力優勝を果たしました。2位近畿大が関西大に勝っていたため、立命館大は負けられない場面でした。3⁻3と同点のまま延長戦に入り、12回裏に決勝点をもぎ取る粘り勝ちでした。
立命館大は、左腕の坂本裕哉投手(4年/福岡大大濠)、右腕の有村大誠投手(3年/秀岳館)の2枚看板の存在が大きく感じられました。
とりわけ坂本投手は防御率トップで最優秀選手賞、最優秀投手賞、投手部門でベストナインに選出されるなど、文句なしのピッチングをしました。もちろんプロのスカウトも複数、視察に訪れるほどです。
立命館大 坂本投手
立命館大を追う展開になった近畿大は、村西良太投手(4年/津名)、鷲崎淳投手(4年/創成館)の主力投手に加え、長打力を備えた谷川刀麻選手(4年/星稜)、佐藤輝明選手(3年/仁川学院)が上手く噛み合いました。
佐藤選手は、188㎝の長身で、三塁の守備も安心して任せることができ、更に上のリーグに行けることを期待しています。そして、竹村選手は関西学生野球連盟史上30人目となる通算100安打を達成しました。(*春季リーグ終了時点で計101安打)
また、惜しくも勝ち点は逃しましたが京都大は、関西大と関西学院大からそれぞれ1勝ずつしています。なお、全日本大学野球選手権に出場する立命館大は、初戦は首都大学野球連盟の東海大と対戦します。
【関西六大学野球連盟】大阪商業大が2季ぶり18回目の優勝
◎関西六大学野球連盟
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関西地区においてこの春季リーグ、大阪商業大が唯一有利に勝ち星を重ねて優勝しました。勝率10割の完全優勝です。大阪経済大と京都産業大が首位を追うも星を潰し合ったことも大阪商業大にとって幸いしました。ここ数年、大阪商業大が独走を続けています。
大商大 橋本投手
大阪商業大が結果を出し続けているのは、投打のバランスがとれているからだといえます。エースの大西広樹投手(4年/大商大)、橋本侑樹投手(4年/大垣日大)らが投げれば、抑えに花村凌投手(2年/神戸国際大附属)がいます。打線には小野寺暖選手(4年/京都翔英)、植田匡哉選手(4年/汎愛)らが揃っています。
大西投手は最優秀投手賞に、花村投手は平古場賞を、小野寺選手は最優秀選手賞と首位打者賞を受賞するとともに外野手でベストナインにも選出されています。
京都産業大は、藤本翔投手(3年/京都学園)に加え北山亘基投手(2年/京都成章)も台頭してきていますが、取りこぼしもあり3位に終わりました。秋季リーグ以降は大阪商業大を止められる戦いができるのか期待したいところです。
大阪商業大は、全日本大学野球選手権では九州地区大学野球連盟北部の日本文理大と対戦します。
【阪神大学野球連盟】大阪体育大が5季ぶり37回目の優勝
◎阪神大学野球連盟
http://www.hanshin-bbl.com/
昨年の春季リーグは初の最下位を喫し、秋季リーグでは2位に終わった大阪体育大が5季ぶりに優勝を果たしました。2位の天理大に追われつつ春季リーグの最終戦、関西国際大との3回戦に勝利し、優勝を勝ち取りました。完全優勝とまではいきませんでしたが全てのカードに勝ち越しています。
大体大 森山投手
大阪体育大は、森山弦暉投手(3年/日南学園)、中村光投手(3年/箕島)といったエースに相応しい投手はいますが、どちらかいえば打線の力で打ち勝ったイメージがあります。出雲亮冴選手(4年/尽誠学園)を始め3割打者が4人いるのです。
そして、接戦を制した試合や延長に持ち込み引き分けた試合もありますが、乱打戦を制した試合もあります。また、位田遼介投手(1年/履正社)のように試合を締めくくることのできる投手の存在も大きいかもしれません。
2位の天理大は、石原貴規選手(4年/創志学園)の活躍が目立ちました。2本塁打を含む4割8厘と飛び抜けた打率をマークし、首位打者賞を受賞、さらに捕手でベストナインに選出されています。
最優秀選手賞は、大阪体育大の出雲亮冴選手が、最優秀投手賞は中村光投手が受賞しました。出雲選手と石原選手はいずれも捕手で登録されていますが、阪神大学野球連盟を代表する選手です。
昨年秋季リーグ優勝の関西国際大は5位に終わりました。
全日本大学野球選手権に出場する大阪体育大は、四国地区大学野球連盟の高知工科大と対戦します。
【近畿学生野球連盟】大阪工業大が1953年秋季以来66年ぶり2回目の優勝
◎近畿学生野球連盟
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一昨年春季に和歌山大が、その秋季の大阪市立大が優勝して以降、奈良学園大の一強体制は崩れた感があります。その要因として、リーグ全体のレベルが上がり、実力のある奈良学園大も容易に勝てなくなってきたためだと考えられます。
この春季リーグでは、優勝の大阪工業大を筆頭に2位の和歌山大、3位の大阪市立大、4位の奈良学園大(勝率では大阪市立大を上回る)までは僅差となっており混戦だったことを証明しています。大阪工業大は、春季リーグ最終日の神戸大戦で優勝を決めました。
奈学大 菅田選手
ところで、この春季リーグでは奈良学園大の菅田大介選手(4年/京都共栄学園)が投手として登板し二刀流に挑戦しました。今季は外野手ではなく投手で登録されています。
また、近畿学生野球連盟はDH制を採用していますが、菅田選手が先発の際は3番・投手で出場しています。マウンドへ上がった菅田選手は、変化球でかわしてくるタイプのピッチングをしており、制球力も向上しているようです。
防御率は、大畑理暉投手(3年/履正社)に匹敵する1点台をマークしています。そして打者としては1本塁打を含む5割近い打率で堂々の首位打者と、上のリーグを目指して欲しいところです。
大阪工業大は、全日本大学野球選手権では初戦で東京新大学野球連盟の創価大と対戦します。
【京滋大学野球連盟】佛教大が2季連続54回目の優勝
◎京滋大学野球連盟
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ユニフォームが一新、京都先端科学大
京滋大学野球は今春季、京都学園大の名称が京都先端科学大に変更され、ユニフォームも新緑の季節に相応しい緑を基調としたものに一新されました。
また、昨年秋季の2部リーグで優勝し、入れ替え戦でも勝利して1部昇格を決めていた福知山公立大が廃部となり、連盟からも脱退しました。そのため、今春季は5チームでの変則的な運営となっています。
昨年秋季リーグで優勝した佛教大は、今春季の開幕後も好調で順調に勝ち星を重ねていきます。その後を1敗の京都先端科学大が追い上げますが、最後の直接対決で佛教大に軍配が上がりました。佛教大は京都先端科学大に1敗し完全優勝こそ逃しましたが、堂々とした内容でした。
佛教大 中山怜央投手
佛教大は、投手力が目立った春季リーグでした。中山怜央投手(4年/奈良大附属)、中山塁投手(4年/岡山南)、福森建投手(4年/水口)らです。昨年秋よりも更に安定した感があります。
これら投手陣をリードした捕手、坪倉斗真選手(4年/近江)の存在も光ります。中山怜央投手は、最優秀選手賞と最優秀投手賞を受賞、中山塁投手と坪倉斗真選手はバッテリーでベストナインに選出されています。
佛教大は、全日本大学野球選手権では北東北大学野球連盟の八戸学院大と対戦します。