大学野球秋季リーグ戦まとめ
WATCH大学野球秋季リーグ戦まとめ
各地で行われている大学野球も終盤を迎えています。今回も関西地区の各リーグの秋季リーグ戦と優勝校を紹介します。また、10月20日のNPBドラフトに向けて関西地区からは計30人の選手がプロ志望届を提出しました。
各優勝校は10月29日からの神宮大会優勝決定戦(大阪市の南港中央野球場で開催)に出場し、神宮への切符を賭けて戦います。神宮大会へは関西地区から2校出場し、神宮大会は11月18日から6日間の予定で開催されます。
INFORMATION
神宮大会優勝決定戦組み合わせ
http://kansaibig6.jp/games/2022/autumn/jinguketteisen/index.html
関西学生野球連盟
公式HP>> http://kansaibig6.jp/
登板する愛澤祐亮選手(京都大)
関西地区では唯一まだ優勝が決まっていません。現在、勝ち点3で関西大、近畿大、同志社大が並び、10月22日からの最終節で優勝が決まります(10月17日現在)。
三つ巴の優勝争いをしている近畿大ですが、10月15日の対京都大戦では京都大の前に7安打でわずか1点のみの4‐1と完敗を喫し、混戦に拍車をかけています。今秋季リーグでは立命館大が勝ち星をうまく重ねていくことができず、関西学院大が低調となっており首位争いから脱落しています。
そんな京都大から今年は水口創太投手(4年/膳所)と愛澤祐亮選手(4年/宇都宮)の2人がプロ志望届を提出しています。とりわけ愛澤選手の「本業」は捕手ですが、春季リーグでは投手と外野手にもこなす「三刀流」にも挑戦し、秋季リーグでも登板機会がありました。10月3日の対関西学院大戦で先発し、1点を失いましたが2イニング投げ、その後に捕手の守備につく多才振りです。
最終節では、最も盛り上がる同志社大と立命館大による同立戦と関西大と関西学院大による関関戦がわかさスタジアム京都で同日開催されます。この4ームの投手力、打線ともに遜色ないだけに、どのチームに軍配が上がるのか最終節の熱戦に目が離せません。
関西六大学野球連盟
公式HP>>https://www.kan6bb.jp/
才木海翔投手(大阪経済大)
優勝 大阪商業大
今秋季リーグでも大阪商業大が最終節での龍谷大との直接対決を待たずに優勝を決め、春秋連覇を達成、圧倒的な強さを見せつけています。
そんな中、関西六大学野球ではこの秋季リーグ戦で素晴らしい記録が誕生ました。まずは10月11日に京都産業大の杉本和弘投手(2年/三重海星)が対神戸学院大2回戦でノーヒットノーランを達成しました。
>>杉本和弘(京都産業大学)ノーヒットノーラン達成のお知らせ
また、大阪商業大の渡部聖弥選手(2年/広陵)が10月16日の対龍谷大1回戦でレフトスタンドに大きな本塁打を放ち秋季リーグ戦5本塁打を達成。シーズン5本塁打はリーグ新記録です。
>>渡部選手(大阪商業大学)シーズン最多本塁打 連盟記録更新のお知らせ
この両選手はまだ2年生ですので、来季以降の成長がさらに期待されます。
大阪商業大は、この渡部選手が4割台、ほかにも犬飼慶樹選手(4年/尽誠学園)や福島大輝選手(2年/倉敷商)といった主力選手らが軒並み3割台のアベレージを維持し、得点力はリーグトップクラスとなっています。また、投げては高太一投手(3年/広陵)、上田大河投手(3年/大商大高)の両投手に加えて伊原陵人投手(4年/智辯学園)もおり、投打ともにバランスが取れています。
これに対して、プロも注目の大阪経済大の才木海翔投手(4年/北海道栄)は大阪学院大との1回戦に先発で登板し、7イニングをわずか被安打2、奪三振10という十分すぎるピッチングを見せています。
大阪商業大は、神宮大会優勝決定戦で天理大と対戦します。
阪神大学野球連盟
公式HP>>http://www.hanshin-bbl.com/
友杉篤輝選手(天理大)
優勝 天理大
今秋季リーグでも勝ち点制は復活せずポイント制で開催されました。優勝争いは首位を天理大が走り、これを関西国際大が追う展開になりました。これに加えて最後まで大阪体育大も優勝の可能性があるという競った戦いになりました。
優勝が決まったのは10月11日の直接対決、天理大と関西国際大の2回戦です。天理大は藤居海斗投手(3年/近江)が先発し本間悠貴投手(3年/大冠)、真城翔大投手(3年/高知商)と主力級を投入、関西国際大はエースの不後祐将投手(3年/中京学院大中京)が先発し小刻みに継投。
試合は関西国際大がリードするものの9回に天理大が逆転し5‐4で天理大が勝利し4季連続23回目(7勝3敗21ポイント)の優勝を決めています。2位に大阪体育大(6勝4敗18ポイント)、3位は関西国際大(5勝5敗15ポイント)です。
これに先立って行われた天理大‐関西国際大1回戦では、天理大が勝てば優勝が決まるという試合でしたが、関西国際大の不後投手と天理大の真城投手、本間投手の投げ合いとなり、1‐0で天理大の胴上げを阻止して熱戦が最終戦までもつれ込む結果になりました。
天理大は、藤居投手を筆頭に安定した投手陣を擁していますが、野手では友杉篤輝選手(4年/立正大淞南)が安定した守備力と足の速さを見せてくれ存在感を発揮しています。
近畿学生野球連盟
公式HP>> http://www.kinkigakusei.org/top
久保修選手(大阪観光大)
優勝 大阪公立大
今春季リーグでは、大阪公立大が勝ち点4で9勝2敗と優勝を果たしています。今年度から大阪市立大と大阪府立大が統合され現校名になった大阪公立大として初年の優勝になります。大阪市立大が2019年の秋季リーグに優勝して以来3年ぶりになります。2位には勝ち点4で8勝4敗の奈良学園大がわずかに及ばず、3位には大阪観光大が勝ち点3の7勝5敗と健闘しています。
大阪公立大は、投手力で他チームに勝るチームだといえます。特に有正智矢投手(4年/池田)、正中敦士投手(3年/小野)の主軸となる2人の投手の存在が今回の優勝には大きく貢献しています。有正投手は3勝をマークし防御率1.32はリーグトップ。正中投手も3勝で防御率2.00という好成績を残しています。ちなみに正中投手は、春季リーグでは防御率トップで投手部門のベストナインに選出されています。
今季健闘した大阪観光大学には、魅力的な選手として盗塁を5つ記録するなど足の速い久保修選手(4年/石見智翠館)が在籍しています。
今回は大阪公立大が優勝しましたが、奈良学園大や大阪観光大、和歌山大も実力のあるチームです。かつては奈良学園大の一強でしたが、現在は各チームのレベルがアップしており、非常に面白いリーグです。
京滋大学野球連盟
公式HP >> https://keijidaigaku.com/WP/
木村光投手(佛教大)
優勝 京都先端科学大
今秋は佛教大の2018年秋季リーグ以来の8季連続優勝がかかっているリーグ戦でした。首位争いは、着実に勝ち星を重ね優位に首位争いを進める佛教大に毎季優勝を狙う京都先端科学大の間で進んでいきました。ただ、京都先端科学大は花園大から勝ち点を落とすなどやや不利なリーグ戦となりました。
佛教大の木村光投手(4年/奈良大附属)は対花園大1回戦に先発し、9回に失策も絡み3点を失ったものの被安打5、奪三振7、与四球2という安定したピッチングで完投し、優勝に向けて存在感を示しました。また、木村投手は京滋大学野球連盟で唯一プロ志望届を提出している選手です。
優勝争いの決着は最終節の両チームの直接対決に持ち越されました。10月9日の佛教大と京都先端科学大の1回戦では延長戦の末に3‐1と接戦を制し優勝に王手。悪天候のため順延された翌々日10日の2回戦では佛教大が山本奨人投手(3年/智辯学園)、京都先端科学大が庄田和規投手(3年/日南学園)の先発で始まり、散発5安打で三塁を踏ませない見事な内容で佛教大を完封、2018年秋季リーグ以来の優勝を果たしました。現校名になってからの優勝は初めてになります。
最優秀選手に京都先端科学大の福丸宗和選手(4年/天理)、最優秀投手に同じく山内翔夢投手(2年/長浜北)が、敢闘賞及びベストナインの投手部門に佛教大の木村光投手(4年/奈良大附属)が選出されています。
京都先端科学大は神宮大会優勝決定戦で近畿学生野球連盟の大阪公立大と対戦予定です。