開幕まで2か月半 ラグビーW杯を楽しもう! 代表選手名鑑 第5弾「ナンバーエイト編」

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開幕まで2か月半 ラグビーW杯を楽しもう! 代表選手名鑑 第5弾「ナンバーエイト編」

スポーティ

W杯開幕まで2ヶ月と少し、テレビはもちろん、街中でもラグビーの看板などが目立つようになってきました。ワクワクがどんどん近づいて来て止まらないのは筆者だけでしょうか?

この機会にラグビーを初めて見る方に、またラグビー通かのようにこっそり振る舞いたいにわかファンの方に、日本代表候補選手をポジション別にご紹介していく本企画の第5弾は、背番号そのままのポジション名「ナンバーエイト」です。

第1弾 >>ラグビーW杯を楽しむ「プロップ編」
第2弾 >>ラグビーW杯を楽しむ「フッカー編」
第3弾 >>ラグビーW杯を楽しむ「ロック編」
第4弾 >> ラグビーW杯を楽しむ「フランカー編」

TOP写真 photo by BalmainRugbyClub

FW唯一の花形ポジション 背番号8番「ナンバーエイト」

ラグビーは点を取る華麗なプレーをして目立つのがBK(バックス、最後に“ス”が入ります)。前回W杯で有名になった五郎丸選手もBKの選手です。

一方、FWはとにかく地味に見えがち。スクラムを組み、密集に頭を突っ込み、相手の突進を全身で受け止める非常にきついポジションでありながら、ほとんど目立つことはありません。そんなFWにあって、唯一目立つ花形ポジション、それがナンバーエイト(以下、エイト)です。

下の写真、3人がかりの敵を突破する“フィジカル・モンスター”マフィ選手は、2大会連続の代表入りを目指す世界のスタープレイヤーです。

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チーム最強の男!強烈な突破役

下の写真の通り、スクラムの最後尾に位置するのがエイトです。この位置にいることが花形ポジションであることと大いに関係しています。どういうことでしょうか。

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スクラムでは敵と組み合ってできたトンネルの真ん中にボールを転がし入れます。背番号2番のフッカーがそれを足で掻いて球を確保、楕円球はロックやフランカーの脚の間を通って、最後尾にいるエイトの足元へやってきます。つまりスクラムで初めてボールに触れる選手、それがエイトなのです。

もしも5m先にゴールラインがあれば、エイトはボールを片手で鷲掴み、スクラムサイドを突進します。敵のタックルをなぎ倒しゴールに入ればトライ!もしもフィールドのど真ん中なら、エイトの突破で10m、20m前進できるかも知れません。

地味なFWの中でボールタッチの回数が最も多いので、必然的にチャンスメーカーにもなり、トライゲッターにもなり目立ちます。ゲーム中1回もボールに触らないことも多いプロップとは大違いです。

なのでナンバーエイトはチームで1番突破力のある最強の男、見ていて楽しい選手が担うことになります。ラグビー選手なら誰もが1度は憧れる背番号と言っても過言ではないでしょう。

奥様バンザイ! アマナキ・レレイ・マフィ選手

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リラックスした表情でスタンドを指差しているマフィ選手。隣に座るリーチ主将と同じく、学生時代から交際していた日本人と結婚し現在はパパに。

そんな彼がひとたびボールを持てばスタンドが一気に盛り上がります!国際リーグ「スーパーラグビー」で毎週ベストフィフティーンに選ばれるほどの突破力で、今や世界中から怖れられるマフィ選手。

実は前回W杯の南ア戦で逆転トライをアシストしたのが彼。その強烈な突破を恐れた相手ディフェンスがすべて彼に寄ってしまった結果、外にいたヘスケス選手がノーマークとなり、あのトライが生まれたのです。

そんなマフィ選手、日本に来たときは「ダマされた!」と思ったそうです。花園大学からスカウトされ、通訳が「強いよ」というので来てみたら、チームは関西Bリーグ(2部リーグ)で、グランドは土、ゴールポストのペンキは剥がれ、部員も30人ほど。「もう嫌だ、トンガに帰りたい」と夜な夜な枕を濡らしたとか。

それを慰めたのが後に結婚する奥様。さらに日本代表と同時にトンガ代表からも声がかかった時、「私と結婚してるし、このまま日本に住みたいなら日本代表の方がええんちゃう?」と後押ししたのも奥様でした。日本ラグビー協会は奥様を表彰した方がいいんじゃないでしょうか(笑)。
W杯ではボールを持った日本の8番に注目です!

握力650㎏!? ラーボニ・ウォーレンボスアヤコ選手

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ボディビルダーの如くキレキレの肉体。なのに長い名前の最後は日本の女子っぽい。チームメイトからアヤコではなく、「ボニちゃん」と呼ばれる23歳は、40mを5.1秒で走り、運動神経抜群なのが見ているだけで分かるほど、まるでスーパーボールのようにグランドを飛び跳ねます。

サンウルブズ公式サイトでは、握力650㎏とあって思わず笑ってしまいますが(誤字だと思われます)、それも本当かもと思ってしまうほどです。

前回W杯の四強ニュージーランド・オーストラリア・南ア・アルゼンチンと、日本が競い合うスーパーラグビーの舞台では、この春、高すぎる身体能力を生かすべく、FWの選手にもかかわらずBKのセンターでもプレイ。その初めての試合で開始6分、敵の裏に抜け出すとトライを決めるラストパスを通し首脳陣の期待に応えました。

ジャパンのジョセフ監督は「複数ポジションができる」ことを代表選出のキーワードにしているため、その座が一気に近づいたことは間違いなさそうです。

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ちなみに、こちらが今回日本代表の監督を務めるジェイミー・ジョセフ監督。かつてニュージーランド(オールブラックス)と日本でもナンバーエイトを務めました。(現在は、一国の代表になった選手は他国代表にはなれません。)

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