開幕まで3か月 ラグビーW杯を楽しもう! 代表選手名鑑 第4弾フランカー編

開幕まで3か月 ラグビーW杯を楽しもう! 代表選手名鑑 第4弾フランカー編 WATCH

開幕まで3か月 ラグビーW杯を楽しもう! 代表選手名鑑 第4弾フランカー編

スポーティ

冒頭写真の黒衣軍団は、前回W杯で優勝した世界最強のニュージーランド(愛称オールブラックス)。その右端に写っているのが、伝説のキャプテン「リッチー・マコウ選手」です。

W杯開幕まで3ヶ月。この機会にラグビーを見てみようという初心者の方に向けて、日本代表候補選手をポジション別にご紹介して行く企画の第4弾は、148キャップ(国際マッチ出場数)の世界最多記録保持者で前述のリッチー・マコウ選手も務めたポジション、「フランカー」です。

第1弾 >>ラグビーW杯を楽しむ「プロップ編」
第2弾 >>ラグビーW杯を楽しむ「フッカー編」
第3弾 >>ラグビーW杯を楽しむ「ロック編」

TOP写真 Photo by Jean Francois Fournier Photographe

最強のタックラー背番号6番、7番「フランカー」

1にタックル、2にタックル、3、4が無くて、5にタックル。チーム1番のタックラーが務めるポジション、それが背番号「6番」「7番」のフランカーです。リッチー・マコウの他、日本代表の主将リーチマイケルもフランカーです。

痛くても怖くても決して逃げず、身体ごと相手にぶち当たって倒しに行くフランカーは、チームで1番信頼される男が任されるポジションであり、名キャプテンを生むポジションでもあります。

筆者が高校1年生でラグビー部に入部したとき、当時のキャプテンは「足首にタックル行ったら象でも倒れる」と名言を吐きました。「倒れへんわ!」と心の中でツッコミを入れましたが、キャプテンがそのぐらいの気概でタックルに行っていることだけは伝わって来ました。

象のような巨漢が来ても、勇気を持ってタックルに行く男の中の男、それがフランカーなのです。

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密集のボールハンター 

走って、走って、走りまくる! チーム1番のスタミナでグランドを走り回り、ボールのある場所に常に最初に到達するのがフランカーの役目。そんなフランカーにとって、タックルの次に重要な仕事が、ジャッカルです。
下の写真をご覧ください。

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チームメイトがタックルした時は、写真のようにいち早くジャッカル、つまり敵のボールを奪い取りに行きます。

これが超重要な仕事で、目にも留まらぬ素早さでボールを奪いカウンターを仕掛ければ、ピンチが一転、大チャンスとなります。密集で獲物を横取りするボールハンターの役目もフランカーの任務です。

80分間走り回る超人的フィットネスが求められる分、さほど大きなサイズは求められません。身長185㎝程度でも世界的フランカーは何人もいます。献身的で真面目な性格の選手でなければ務まらないため、日本人に向いているポジションとも言えます。それゆえ、外国出身選手も含め、もっとも熾烈なポジション争いが起こっています。

誰もが認める日本の主将「リーチ マイケル選手」

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どんなゴツイのが来るのかと思ったら、ウォーリーを探せみたいにヒョロっとした頼りない男の子が来た。

これは、日本に初めてやってきたマイケルを見た札幌山の手高校コーチの回想録です。

それから11年後の2015年9月19日。敵はW杯2度の優勝を誇る南アフリカ。試合はロスタイムに入って、スコアは29-32。

敵の反則で日本代表がペナルティを得ると、日本代表監督室からは「ショット!」と叫ぶエディ・ジョーンズの声が。ゴールキックで3点を取って同点で試合を終えろという意味です。

しかし、監督の指示に逆らい、「スクラム」を選択、逆転トライによる史上最大の番狂わせを演出したのが、あの頼りなかった少年でした。

彼は多くの日本人に支えられ、自信に満ち溢れた逞しい男に成長していたのです。もしも代表のキャプテンが彼でなかったら、奇跡の勝利も、今大会の盛り上がりもなかったかも知れません。

当然、2大会連続の主将に任命されているリーチ選手ですが、ひとつだけ不安要素があります。実は恥骨炎という怪我に悩まされ今年はまだ1試合も出場していないのです。彼抜きに代表の躍進はあり得ません。

是非とも回復して、その雄姿とタックルを日本の国民に見せて欲しいものです!

世界の名将が太鼓判!!お笑い大好き「姫野 和樹選手」

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日本代表に突如現れたニュースター姫野選手。そんな彼のツイッターにはこんなつぶやきが。「新幹線でドキュメンタルは見るもんじゃないな」。ドキュメンタルとは、ダウンタウン松本さんMCで、アマゾンプライムビデオで見られる「1000万円をかけて芸人が芸人を笑わし合う」オリジナル番組。新幹線で思わず吹き出して周りの乗客から白い目で見られている姿が想像できて微笑ましいです。

名門帝京大学時代は、怪我にも悩まされ活躍できなかった姫野選手。ところが、トヨタ自動車では入社1年目のルーキーが、いきなりキャプテンに任命されラグビー界を騒がせました。

彼の能力を見出したのが、2007年W杯で南アフリカを2度目の優勝へ導き、3年前トヨタの監督に就任した名将ジェイク・ホワイト。

最初、彼を任命したとき『僕がですか!?』と言いました。しかし今、彼はまったくの別人になりました。今なら日本代表のキャプテンにもなれるでしょう。

名将の言葉通り、今や彼は日本代表になくてはならない存在となり、次期代表キャプテンの筆頭候補に成長しています。お笑い好きな素顔とは裏腹に激しいプレーをする姫野選手を是非応援して下さい!

真面目な青い目のハンター 「ピーター・ラブスカフニ選手」

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透き通るような青い目とクールなプレーで女性ファンを虜にしているのピーター・ラブスカフニ選手。

もしも好きな選手は?と聞かれたとき、噛まずに「ラブスカフニ選手」と言えれば、ラグビーマニアからも一目置かれるでしょう。彼の名を出しておけば、ニワカファンとは絶対にバレません。言いにくい名前を知っているからという理由だけではありません。決して派手さはないのですが、人が嫌がる痛いプレー、泥臭いプレーを進んでやる玄人受けする選手だからです。

日本代表選手を中心としたプロチーム「サンウルブズ」のコーチ陣をして「彼を主将にすべきだった」と言わしめた真面目さで、ボールのある場所につねに顔を出し、突き刺さるタックルで相手を止め、ボールを奪いまくります。80分間グランドを走り回るので、テレビで見ていると常に彼が写り込みます。

白いヘッドキャップを被った彼に注目して試合を見れば、ラグビーの奥深さが感じられると思います。

残り1枠は誰の手に!?

ここまで紹介した3人のフランカーは鉄板だと筆者は考えていますが、残り1枠が誰になるのか、まったく予想ができません。候補が数人いる中から、2人に絞ってご紹介します。

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前回大会の南アフリカ戦では、ナンバーエイトとしてスタメン出場し、大勝利に貢献した1人です。スーパーラグビーでは豪州「レッズ」でフランカーのレギュラーポジションを獲得。その実力は折り紙付きです。

2014年に日本に帰化し、家族と一緒に所属チームのある東京・府中で暮らしているツイ選手。自国開催のW杯で、最後の切符を手にできるのでしょうか。

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バックスでの出場歴もある万能プレイヤーは、ヘッドコーチのジェイミー・ジョセフが掲げる「複数のポジションができる」という選考基準にも合致します。痛めていた首の怪我からも復帰し、W杯前哨戦とも言えるPNC(パシフィックネーションズ・カップ)での活躍が期待される選手。

日本代表として43試合に出場したツイ選手に比べて、徳永選手は10試合。経験がものを言うか、それとも若い可能性が勝つのか。8月末の最終メンバー発表が待ち切れません。

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