コラーゲンで筋トレの効果UP!?コラーゲンの摂取方法を紹介

コラーゲンで筋トレの効果UP!?コラーゲンの摂取方法を紹介 DO

コラーゲンで筋トレの効果UP!?コラーゲンの摂取方法を紹介

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筋肉を大きくするために、筋トレに取り組んでいると、プロテインやサプリメントなどを摂取しているという方が多いのではないでしょうか。

筋肉は、タンパク質からできています。筋トレは、筋肉の合成のスイッチを入れる行為で、タンパク質を摂取することは、筋肉の原料を摂取することとなので、筋トレを行いプロテインを飲むことで、筋肉が大きくなります。

最近は、プロテイン以外にも、筋トレの効果を高めるサプリメントが出てきています。その中でも、最近効果が証明されてきたのが、美容でおなじみの「コラーゲン」です。

今回は、コラーゲンが、どのようにして筋トレの効果を高めるのか、コラーゲンの効果は、科学的に証明されているのかについて紹介していきます。

コラーゲンは腱に含まれる

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まずは、コラーゲンが筋トレの効果に影響を与えるメカニズムについて紹介していきます。

コラーゲンと聞くと、体の中のどの部分を思い浮かべるでしょうか。お肌や骨を思い浮かべる方が多いと思いますが、実はコラーゲンは、「腱」に多く含まれています。

腱は、筋肉と骨とを繋いでいる組織です。つまり、筋肉は腱を介して骨を引っ張るように作られています。筋肉に比べると、硬く作られています。腱が硬いのは、大部分がコラーゲンで作られているからです。

筋肉を大きくするためには、筋肉をたくさん収縮させて筋肉自体を大きくすることも重要ですが、筋肉と腱との間には相互作用があり、腱を大きくすることも筋肥大に繋がるとされています。

コラーゲンを摂取すると、腱の中のコラーゲン合成酵素が活性化され、腱が大きくなっていきます。(参考文献一覧参照:Kjaer M, 2004)そのため、コラーゲンの摂取は筋肥大に効果的と言われています。

コラーゲン独特の成分が効果を発揮する

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プロテインは、タンパク質が豊富に含まれた健康補助食品で、タンパク質を摂取することをメインとしています。

実は、コラーゲンもプロテインと同じタンパク質なのです。そのためコラーゲンを摂取することはプロテインを摂取することと似ていると言えます。

タンパク質は、アミノ酸という最小単位から構成されています。プロテインやコラーゲンを摂取すると、タンパク質はアミノ酸レベルにまで分解され体内に吸収されます。

実は、コラーゲンにはプロテインに含まれていないアミノ酸を含んでいます。それが、ヒドロキシプロリン(Hyp)と呼ばれるアミノ酸です。

コラーゲンを摂取し、体内で分解されると、ヒドロキシプロリンとグリシン(Gly)というアミノ酸が結合したジペプチド(Hyp-Gly)が検出されます。このHyp-Glyが筋合成に有効に働いてくれます。

筋肉は、細胞の中に含まれているタンパク質の合成が促進されることでも大きくなりますが、筋芽細胞と呼ばれる細胞が分化することでも大きくなっていきます。Hyp-Glyは筋芽細胞の増殖に有効に働きます。

筋芽細胞はmTORというシグナル系により分化が促進されるのですが、Hyp-Glyはこの経路を活性化させることが分かりました(参考文献一覧参照:Kitakaze T, et al., 2016)

この他にも菌肥大を促進させるメカニズムはあるかもしれませんが、1つのメカニズムとして上で述べたようなことが考えられます。

本当に効果があるのか検証した実験もある

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コラーゲンが菌合成を促進させるメカニズムは分かりましたが、果たして、本当に菌合成を促進させるのでしょうか。それを調べた実験があるので紹介します。

紹介する論文は、Kirmse Mらによって発表された「Prolonged collagen peptide supplementation and resistance exercise training affects body composition in recreationally active men」という論文です。

実験が行われた背景として、コラーゲンが高齢者の筋合成に有効だということは知られていましたが、若年者にも効果があるかどうかは調べられていなかった、ということが挙げられています。

被験者は、平均年齢が24歳で適度に運動を行なっている男性57名を対象にして行われました。

57名をコラーゲンを与える群とプラセボ(白い粉)を与える群の2群に分け、12週間トレーニングを行いコラーゲンあるいはプラセボを15g摂取してもらいました。介入前後に被験者は体組成を測定しています。

その結果、コラーゲンを摂取した群では除脂肪体重が有意上昇し、体脂肪量が有意に低下しました。

この結果から、コラーゲンを摂取することで、トレーニングによる筋肉量の増加と体脂肪の減少を促進させることが分かりました。

この他にも、コラーゲン摂取により筋肉痛が減ったことやパフォーマンスの回復が促進されることも報告されています。(参考文献一覧参照:Clifford T et al., 2019)

コラーゲンは、美容にいいというイメージがあると思いますが、実は筋トレにも効果がある栄養素だということが分かってきました。

コラーゲンはタンパク質なので、コラーゲンを摂取することで十分な量のタンパク質を補うことができるようになります。それに加え、Hyp-Glyという独特の成分が筋芽細胞の分化を促進させ、筋トレの効果を高めてくれます。

気になった方は、一度コラーゲンを試してみてはいかがでしょうか。

[本文参考文献]

Clifford T, Ventress M, Allerton DM, Stansfield S, Tang JCY, Fraser WD, Vanhoecke B, Prawitt J, and Stevenson E. The effects of collagen peptides on muscle damage, inflammation and bone turnover following exercise: a randomized, controlled trial. Amino Acids, 51, 4, 691-704.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30783776

Kitakaze T, Sakamoto T, Kitano T, Inoue N, Sugihara F, Harada N, Yamaji R (2016) The collagen derived dipeptide hydroxyprolyl- glycine promotes C2C12 myoblast differentiation and myotube hypertrophy. Biochem Biophys Res Commun 478, 1292-1297
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27553280

M, Oertzen-Hagemann V, Marées M, Bloch W, and Platen P. (2019) Prolonged collagen peptide supplementation and resistance exercise training affects body composition in recreationally active men. Nutrients, 11, 5, 1154.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31126103

M. (2004) Role of extracellular matrix in adaptation of tendon and skeletal muscle to mechanical loading. Physiol Res, 84, 2, 649-698.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15044685

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