やはり登りが勝負を分けた。ツアー・オブ・グアンシー2019 レースレポート PART2

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やはり登りが勝負を分けた。ツアー・オブ・グアンシー2019 レースレポート PART2

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中国の広西省チワン族特別自治区で開催されたツアー・オブ・グアンシー2019。今回の記事では、第4ステージから第6ステージまでのレースレポートをお送りします。平地のスプリンター向けのコースから一変し、後半はこの地域の登りがレースの舞台となりました。

TOP写真。第4ステージの山岳ステージで優勝したエンリク・マス選手。同時にこの日に総合リーダージャージも獲得。Photo by Yukari TSUSHIMA.

ゴール前の500mが勝負を分けた、第4ステージ


選手たちの後ろに見える建物は中国のお寺。PhotobyYukari TSUSHIMA.

ツール・ド・グアンシーの第4ステージは、登りゴール。今年のコースでは、唯一の山岳ステージです。選手たちは前日のスタート・ゴール地点だった南寧市をスタートしたあと北に向かい、弄拉景区という山岳地帯へ向かいます。

距離は161km、そしてこの日の獲得標高は1143m。そして、ゴールまで20kmの地点からは、ひたすら登りが続きます。

この日もスタート直後から、3人の選手が逃げ集団を形成しましたが、弄拉景区の上りに入る直前でメイン集団に吸収され、その後クライマーを抱える各チームが動きを見せます。

その中で最も目立った動きを見せたのチームが、デセウニック・クイック・ステップ(Deceuninck-Quick Step)でした。一旦同チームの選手が、メイン集団から飛び出します。しかし、この選手の逃げは一旦吸収され、しばらくは30人ほどの大集団で山岳を登ることになりました。

ゴールまで1km地点となってから、レースが再び動き始めます。まず最初にアントワン・トルホエック(Antwan Tolhoek/Jumbo-Visma)選手とエンリック・マス(Enrique Mas/Deceuninck-Quick Step)選手が先頭集団から飛び出します。その直後、ダニエル・マルティネス(Daniel Martínez /EF Education First)選手の2人が後を追い始めました。


ゴールまで1km地点で、メイン集団が崩壊。写真左から2番目がこの日ステージ優勝したマス選手。Photo by Yukari TSUSHIMA.

そして、ゴール手前の最後のカーブを利用して先頭に立ったマス選手が、この日のステージ優勝を手にしました。

前日までは、総合優勝者のパスカル・アッカーマン(Pascal Ackerman/Bora Hansgrohe)選手から5分ほど遅れていたマス選手でしたが、この日の勝利でそのタイム差を一気に挽回。翌ステージからは、総合首位のジャージを身につけることになりました。

チーム・メートみんなが僕を勝たせようと動いてくれたから、勝てたんだと思う。あと2日間、このリーダージャージを守りたいな。

上記のように、レース後のインタビューで応えたマス選手でした。


ゴールまで1km地点。写真左がベントソ選手。Photo by Yukari TSUSHIMA.

一方、スペイン人サイクリストのフランシスコ・ベントソ(Francisco Ventoso/CCC Team)選手にこの日の最後の登りについて質問したところ、“結構きつい登りだったよ。”とのこと。

ベテランサイクリストのベントソ選手も認めたほど、ハードな弄拉景区の登りゴールでした。

今年の最長コースをスプリンターが制した、第5ステージ


ゴール直後。アッカーマン選手がガビリア選手を祝福。Photo by Yukari TSUSHIMA.

第5ステージは、今年のツアー・オブ・グアンシーで最も距離が長い、全長212kmのコースです。柳州市を出発し、風光明媚な山岳を超えてゴールの桂林市に向かいます。

コース中に3級山岳が2か所、2級山岳と1級山岳がそれぞれ1か所ずつあり、その大半がレース後半に集中しています。しかし、この日の最後の登りが終わってからゴールまでの約35kmほどは、路面状況も非常に良い平坦な道がこの日コースとして使われていました。

この日のスタート地点となった柳州市の気温は、朝の時点で30度。この日の山岳区域の路上には日陰がほとんどなく、選手たちにとって厳しいレースになりました。リーダージャージを着るマス選手も、少し暑そうです。


この日からリーダージャージを着るマス選手。Photo by Yukari TSUSHIMA.

この日もレースのスタート直後から、逃げ集団ができました。しかし、スプリンターを抱えるチームが前日以上にしっかりとレースをコントロール。最大でもタイム差は2分強までしか開きません。

結局この日も桂林市のゴール前では、スプリント合戦が繰り広げられました。この日ステージ優勝したのは、第1ステージも制したフェルナンド・ガビリア(Fernando Gaviria/UAE Emirates)選手。

スプリンターのポイントジャージを着ていたパスカル・アッカーマン(Pascal Ackerman/Bora Hansgrohe)選手を下し、今年のツアー・オブ・グアンシー2勝目を挙げました。

この日は、5時間以上を自転車の上で過ごした選手たち。そんな選手たちの疲れのためか、この日は表彰台でちょっとしたハプニングが発生しました。

すべての表彰が終わり、各賞のジャージを獲得した選手たちが最後に壇上でシャンパンファイトをしていたときのこと。ガビリア選手がシャンパンのコルク栓をなかなか開けることができません。結局、この日ガビリア選手はシャンパンを開けられないまま、表彰台を去ることになりました。


シャンパンのコルク蓋を最後には破壊してしまったガビリア選手(左から2番目)。他の選手は大笑い。Photo by Yukari TSUSHIMA.

シャンパンのコルクは空きませんでしたが、それでもガビリア選手は上機嫌。シーズン終盤に2勝できたことに満足している様子でした。

一方、翌日の最終ステージにもリーダージャージを着ることになったマス選手は、翌日の総合優勝に自信を見せていました。

再度アッカーマン選手がステージ優勝した、最終第6ステージ


この日のステージ優勝とスプリント賞ジャージを獲得したアッカーマン選手。Photo by Yukari TSUSHIMA

最終第6ステージは、桂林市の目抜き通りをスタート及びゴールとする163kmのコース。快晴で気温が高かった前日までの天気とは対象的に、この日は生憎の曇り空。サイクリストたちがスタートする頃には、雨まで降り出します。

この日最後の山岳があるのは、ゴール前約40kmの地点。その後選手たちは、桂林市内に入り、市内の道幅の広い道路を通ることになります。そのため、この日のステージの主役となったのは、はやはりスプリンターたちでした。

幸い選手たちが市内に入る頃には雨もやみますが、路面は濡れたまま。最終ステージのゴール前スプリントは、若干神経質なものになりました。そのスプリントを制したのはアッカーマン選手。第2ステージに続く勝利となりました。

総合リーダーは変わらず、マス選手が獲得します。来季はモービースターへの移籍が決まっているマス選手は、現チームでの最後の総合優勝に関して、次のように語っています。

長年お世話になったこのチームへ、シーズンの最後によい置き土産を残すことができて、とてもうれしい。

なお、彼にとってこのレースの優勝は、ワールドツアーレベルでのレースで初優勝となりました。


総合優勝したマス選手。PhotobyYukari TSUSHIMA

ちなみに総合2位は ダニエル・マルティネス選手、第3位はディエゴ・ロサ選手となり、第4ステージのでトップ3が総合上位に並ぶことになりました。

シーズン終盤に調子を挙げてきたスプリンターの活躍が目立った、今年のツアー・オブ・グアンシーとなりました。

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