ツアー・オブ・グアンシー2019 レースレポートPART1

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ツアー・オブ・グアンシー2019 レースレポートPART1

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10月17日から22日に中国江西省チワン族特別自治区で開催された、ツアー・オブ・グアンシー(Tour of Guangxi)は、自転車のロードレースシーズンの最後を飾るレースです。

今年このレースに、ワールドツアーチーム18チームが参加しました。今回の記事では、このレースの前半戦となった第1ステージから第3ステージまでの様子をお伝えします。

TOP写真:第1レースのスタート前。チームをエスコートする子どもたちが、選手たちにご挨拶。Photo by Yukari TSUSHIMA.

ガビリア選手、復活のスプリント勝利がレースの幕開け。


スタート前、ダビッド・デ・ラ・クルス(David De la Cruz /Team Ineos)選手もカメラを構えます。Photo by Yukari TSUSHIMA.

10月半ばにもかかわらず、気温が30度近くある中で開催された今年のツアー・オブ・グアンシー。第1ステージはこの地方の南にある北海市がレースの舞台となりました。

この日のコースは、北海市の市街地と郊外をめぐるサーキットコース。1周約45kmのサーキットを3周します。中国の道路らしく、道幅は広く大きなカーブがコース上にいくつもありますが、決して難しいテクニカルなコースというわけではありません。そのため、この日はレース前からスプリンターの活躍が予想されていました。

レース前に様々なセレモニーが終わったあと、正午前にレースがスタートします。この時点で気温は32度ほど。海辺の街ですが風は予想していたほど強くはなく、その一方で暑さが選手たちの最大の敵となりました。

そしてレースがはじまると、序盤から3人の選手が飛び出し、レースの終盤まで逃げ続けます。しかし、後続集団はスプリンターの選手を抱えるチームがしっかりとコントロール。逃げる先頭集団とのタイム差が大きく開くことはありません。


補給地点は、高層ビルの真横。Photo by Yukari TSUSHIMA.

結局レースが動いたのは、ゴールまで最後の1周となってから。ゴール前の広くて見通しの良い直線の道路で、各チームのスプリンターが一気に勝負を仕掛けます。

初日のステージを制したのは、フェルナンド・ガビリア(Fernando Gaviria/UAE Emirates)選手。今シーズン、ジロ・デ・イタリアでステージ優勝して以来勝ち星のなかった彼ですが、このシーズン終盤で調子の良さをみせつけました。


第1ステージ区間優勝のガビリア選手(写真中央)。Photo by Yukari TSUSHIMA.

レース後には、下記のようにコメントしました。

正直に言って、ゴールした直後には自分が勝てたかどうかわからなかった。今年は僕自身なかなか勝てなくて、苦しいシーズンだったから、ここで勝てて、本当に嬉しいよ。このツアー・オブ・グアンシーでは、スプリンターのためのステージが多いので、僕が活躍するチャンスもあると思う。他のステージでも勝つために走るよ。

久しぶりの勝利だったためか、幾分ホッとした感じの表情を見せていました。

第2ステージのスプリント勝負は、マックレイ選手が勝利


東アジアらしい塔の前を選手たちが走ります。Photo by Yukari TSUSHIMA.

基本的に登りが少なく、平地のコースがメインのツアー・オブ・グアンシー。第2ステージは北海市をスタートし、同じく海外沿いの街の欽州市を目指します。この日のコースのは距離は短めで、136km。弄拉景区という山岳地帯を舞台にしたサーキットコースを3周走ったあと、ゴールを迎えます。

ゴール前の1.2kmは、ひたすら長く道幅の広い直線のコースが続きます。このため、この日もスプリンターの活躍が予想されました。

レースのスタート時点で、前日よりも高い気温となったこの日。スタート地点の北海は風が少々あったため、体感気温は思ったほど高くはありません。

レースがスタートした直後から、3人の選手が逃げ集団を作ります。後ろのメイン集団は淡々とレースをコントロールします。

欽州市内に入った時点で、逃げる3人とメイン集団との差は2分弱。この日のゴール地点は、時折強い風が吹くコンディションでした。しかしこの風は、選手たちにとってゴール前で追い風となりました。その追い風と数の論理を利用するメイン集団は、着々と先頭集団の3人とのタイム差を詰めます。


第2ステージの表彰台。選手写真左からセプ・バンマルク(Sep Vanmarcke/ 第2ステージ敢闘賞)、 マックレイ選手(第2ステージ優勝)、アッカーマン選手(総合首位およびスプリント賞)、マルティン選手(山岳賞)。Photo by Yukari TSUSHIMA.

メイン集団が逃げ集団を飲み込んだのは、ゴールまで10kmの地点。その後、レースは一気にスプリント勝負に持ち込まれます。

この日勝ったのは、ダニエル・マックレイ(Daniel MacLay/ EF Education First)選手。嬉しそうに次のように語ってくれました。

ワールド・ツアー・レベルのレースを勝ったのは、今日が初めてなんだ。

この日、総合首位のジャージを手にしたのは、パスカル・アッカーマン(Pascal Ackerman/ Bora Hansgrohe)選手。しかし、この日話題をさらったのは、山岳賞の水玉ジャージを獲得したギリャウム・マルティン(Guillaume Martin/Wanty)選手。

本人も全く予想していなかった山岳賞ジャージとのことで、この日の表彰台のシャンパンファイトでも、少し緊張気味の様子でした。

リーダージャージのアッカーマン選手が勝利した、第3ステージ


第3ステージを優勝。総合首位を守ったアッカーマン選手。Photo by Yukari TSUSHIMA.

第3ステージは南寧市内のサーキットコース。1周約30kmのコースを5周します。前日までのコースと比べるとアップダウンはありますが、それでもクライマーが活躍するほどのものではないため、この日もスプリンターの活躍が予想されました。

この日の舞台となる南寧市はグアンシー地方の州都。たくさんの高層ビルが立ち並ぶ中、緑の多い公園もある大都市です。


リラックスした表情のカンペナレッツ選手。Photo by Yukari TSUSHIMA.

スタート前のサイン台で、笑顔を見せるのはタイムトライアルのスペシャリストのビクトル・カンペナレッツ(Victor Campenarets/ Lotto Sudal)選手。基本的に上りの少ない平地のコースが得意な彼ですが、今日のコースは彼の守備範囲内のもの。ゴールまでまだ距離を残した時点で、集団から飛び出すことができれば、スプリンターを抱えたチームにとって相当な不安材料になることでしょう。

ヨーロッパのレースとは一味違う雰囲気であるため、選手同士がふざけ合うシーンもよく目にします。


こちらでは、選手同士でヘアスタイルの調整中。Photo by Yukari TSUSHIMA.

レースはこの日もスタート直後から、3人の選手が飛び出します。しかし、この日はリーダージャージを抱えたボーラ・ハンズグロエがしっかりとタイム差をコントロール。最大でも約2分のタイム差を保ったまま、レースは周回を重ねます。

途中で揚子江(長江)に架かる巨大な橋を選手たちが通過していきます。


揚子江をまたぐ橋の上から市街地に向かって走る選手たち。Photo by Yukari TSUSHIMA.

そして、最後のゴール前スプリントで勝ったのは、リーダージャージのアッカーマン選手。チームの期待に見事に応えたステージ優勝となりました。

“昨日や一昨日のレースと比べると、今日のステージが自分にとって一番ハードだった”とインタビューに答えたアッカーマン選手。第4ステージでも総合首位のジャージを身につけることになりました。

3人のスプリンターが3ステージを制した今年のツアー・オブ・グアンシー。総合上位陣ののタイム差は殆どないまま、後半戦に突入することになりました。


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