今年を振り返る 独立リーグ編

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今年を振り返る 独立リーグ編

スポーティ

四国アイランドリーグplusは徳島インディゴソックス、ルートインBCリーグは栃木ゴールデンブレーブスがそれぞれ優勝を果たしました。(独立リーググランドチャンピオンは栃木ゴールデンブレーブス)。

また、両リーグからNPBのドラフト指名選手を輩出しました。両リーグの今年一年からいくつか話題をピックアップし取り上げます。


試合前セレモニー

四国アイランドリーグplus


熱中症対策にドリンクを持つ選手たち

例年35度を超える暑い日が続くことから、今季の四国アイランドリーグplusでは、選手や審判団、ボールボーイ、観客らの熱中症予防を目的として7イニング制の試合を導入しました。
>> 7イニング制を一部で導入:http://www.iblj.co.jp/

全ての試合が7イニングになるのではなく、ダブルヘッダーになった試合(2試合とも)及び7、8月のデーゲームの試合などです。また、9イニング制の試合も含め「給水タイム」が設けられ、熱中症の予防に力を入れました。

四国アイランドリーグplusの公式HPに掲載の試合結果をもとに、筆者が平均試合時間を計算したところ、9イニング制で行われた全124試合で3時間04分、7イニング制で行われた全36試合で2時間20分と40分余り短くなっています。

野球は攻撃と守備をそれぞれ9回(9イニング)行うスポーツです。一定の決まった時間内の得点で勝ち負けを競うのではありません。それだけに試合時間が長くなりがちで4時間を超える試合も決して珍しくありません。終わる時間がなかなか予測できない競技だといえるでしょう。

今回の四国アイランドリーグplusの取り組みは、あくまで気温の高い季節の熱中症予防ですが、新しいファンを増やすという観点から考えると試合時間短縮は野球界の抱えた課題でもあります。

■西田監督が退任

*西田監督退任のお知らせ:http://www.iblj.co.jp/news/12257/


西田真二氏

9月30日、香川オリーブガイナーズで13年間にわたって監督を務めた西田真二監督の退任が発表されました。リーグが発足した初年度には愛媛マンダリンパイレーツで1年間監督を務めており、計14年間指揮を執ったことになります。

独立リーグの監督は、数年単位で交代する事が多く、NPB引退後のキャリアアップとして、同リーグの監督やコーチに就任するのが一般的。

西田氏のように長期政権は珍しく、他に例がありません。西田氏は香川オリーブガイナーズを数度の優勝に導くばかりかNPBへの選手を多く輩出してきました。

四国アイランドリーグplusは、NPBとは異なり練習設備も恵まれているわけではありませんが、西田氏は若い選手を育て上げる手腕は見事なものでした。尚、西田氏は来季、社会人野球のセガサミーの監督に就任が決まっています。

そして、香川オリーブガイナーズの新しい監督には、元福岡ソフトバンクホークスの松中信彦氏が就任します。

ルートインBCリーグ

■激震、福井ミラクルエレファンツ運営会社が解散
福井球団の来季加盟・今後の方針のお知らせ:https://www.bc-l.jp/news.php?nowpg=2&keyno=192


福井ミラクルエレファンツ応援風景

10月半ば、ルートインBCリーグのファンの間に激震が走りました。福井ミラクルエレファンツの運営会社である株式会社福井県民球団が、来季は同リーグに加盟しない事(撤退する)を発表したからです。

福井ミラクルエレファンツはルートインBCリーグが4球団から6球団に増えた2008年から参入した球団です。リーグ優勝こそないものの昨季は地区優勝を果たし、NPBのドラフトで指名選手を輩出するなどレベルは上がってきていましたが、観客数とスポンサーが減少した事が球団経営に影響したようです。

ルートインBCリーグは、リーグが中心になってスポンサーを募り新しい運営会社を設立するという方向を打ち出していました。「福井から球団をなくさないで」というファン声を代表し、有志達が福井県下を中心に署名活動を行いリーグに提出するといった動きもありました。

新しい球団運営会社は11月に設立され、チーム名も公募の結果「福井ワイルドラプターズ」に決定しました。>>http://www.bc-l.jp/news.php?keyno=211

今回の一件は、「福井から球団をなくさない」というリーグの強い意志とファンの熱い思いの結果、運営会社こそ変わるものの球団は存続することが決まりました。

しかし、独立リーグを巡る厳しさを考えると他球団でも同様のことは考えられるのです。チームが強くてNPBへ選手を送り出したら必ずしも観客は増えるというわけではなく、集客面でも各球団ともに苦戦しているからです。魅力のあるリーグとチームであるためにどうあるべきか、リーグの今後を見守っていきたいところです。

今年のNPBドラフト

今年は、四国アイランドリーグplusから徳島インディゴソックスの上間永遠選手、岸潤一郎選手が埼玉西武ライオンズから本指名されました。

また、平間隼人選手は巨人から育成で指名されています。香川オリーブガイナーズの畝章真投手は広島東洋カープから育成指名されており、四国アイランドリーグplusからは計4人が指名されました。

ルートインBCリーグからは、埼玉武蔵ヒートベアーズの加藤壮太選手が巨人、富山GRNサンダーバーズの松山真之投手がオリックス、新潟アルビレックスBCの樋口龍之介選手と長谷川凌汰投手が北海道日本ハムファイターズから、それぞれ育成で指名されました。

今年は、両リーグで8人がNPBへの切符を掴むことができました。四国アイランドリーグplusとルートインBCリーグは夢を掴む場所として来年は更に新戦力が台頭してくることでしょう。