大学野球2021年春季リーグ戦リポート!

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大学野球2021年春季リーグ戦リポート!

スポーティ

関西地区の各春季リーグは4月3日に開幕しました。当初は近畿学生野球連盟を除き有観客での開催(応援については制限)でしたが、4月25日に京都・大阪・兵庫の3府県に緊急事態宣言が発出され、一時は中断するリーグもありましたが、現在は無観客で試合が行われています。今回は各リーグの春季リーグ戦を紹介します。なお、優勝チームは、6月7日から13日に開催予定の全日本大学野球選手権に出場します。

■第70回全日本大学野球選手権記念大会 対戦組み合わせ
>>https://www.jubf.net/alljapan/alljapan2021_bracket.html

関西学生野球連盟

■公式HP>>http://kansaibig6.jp/

黒原拓未投手(関西学院大学)

関西大は、コロナウイルス感染拡大の影響を受け、4月17、18日に予定されていた立命館大戦を辞退しました(結果は立命館大の不戦勝)。また、4月25日に関西3府県での緊急事態宣言発出に伴い、以降のリーグ戦が一時中断されました。京都大は4月24日及び5月15日までの試合が同大学の課外活動自粛の影響で辞退(結果は対戦相手の不戦勝)するなど影響が出ています。

リーグ戦は5月15日から再開しています。当初は有観客での開催でしたが再開して以降の試合は無観客での開催になりました。

現在、首位争いは関西学院大を先頭に立命館大、同志社大、近畿大の4校を中心に行われています。関西学院大、立命館大、同志社大が勝ち点2、近畿大が勝ち点1ですが、いずれも僅差ですので4校ともまだまだ優勝の可能性はあります。

リーグ戦再開後の一戦で関西学院大の黒原拓未投手(4年/智辯和歌山)は、近畿大打線を相手に散発7安打2失点、わずか95球で完投という好投を見せ、2013年秋季リーグ以来の優勝奪取に一歩前進しました。

リーグ戦は5月27日に終了しました。また、球場に行けなくても試合内容がリアルタイムで分かるよう、関西学生野球連盟ではこの春季リーグを「一球速報」による配信も行っています。

関西六大学野球連盟

■公式HP>>http://www.kan6bb.jp/

伊原陵人投手(大阪商業大学)

関西地区では最も早く、全日程終了を待たずに大阪商業大が4季連続21回目の優勝を果たしました。圧倒的な強さを誇る同大ですが、今春季は京都産業大と大阪経済大も追い上げを見せ、龍谷大も5割前後の勝率を維持するなどまずまずの戦いぶりを見せています。結果的に大阪商業大の連続優勝を阻止できませんでしたが、今後は激しい優勝争いが繰り広げられる可能性があります。

今春季リーグでは、4月25日以降の緊急事態宣言下では無観客での開催になりました。しかし、5月18、19日の第7節(最終節)は、有観客で開催予定です。また、神戸学院大はコロナウイルス感染拡大の影響で2試合を辞退しました。

この春季リーグで目立った選手を紹介します。やはり大阪商業大は、エース伊原陵人投手(3年/智辯学園)の存在が大きく6試合に登板し防御率0.29はリーグトップです。これに対して京都産業大の北山亘基投手(4年/京都成章)も奮闘し、伊原投手と同じ4勝を挙げるとともに奪三振数69は断トツのリーグトップです。

もう一人紹介したいのが大阪商業大の修行恵大選手(3年/大垣日大)です。登録は投手ですが昨年秋季リーグは野手で出場し、この春季リーグも一塁手で出場しています。本塁打こそありませんが打率3割8分9厘は現在リーグトップで長打も打てるなど急成長中の打者です。

阪神大学野球連盟

■公式HP>>http://www.hanshin-bbl.com/

阪神大学野球連盟試合風景

今春季リーグは従来の「勝ち点制」ではなく「ポイント制」での開催になっています。緊急事態宣言下の4月25日以降は、無観客開催になっています。また、コロナウイルス感染拡大の影響により関西国際大、天理大、甲南大がそれぞれ一部の試合の辞退を余儀なくされています。

現在の優勝争いは、甲南大が8勝のポイント24で首位、次に大阪体育大が7勝でポイント22の2位、そして天理大が7勝でポイント21の3位となっています。甲南大と大阪体育大の直接対決は残されていますので、優勝の行方が気になるところです。甲南大が優勝した場合は1995年秋季リーグ以来、大阪体育大の優勝は2019年春季リーグ以来になります。

甲南大学が優勝すれば、26年ぶりの躍進になりますが、エースの井村多朗投手(2年 徳島城東)の健闘も大きいところです。4月18日の神戸国際大戦でも登板し、9回を4安打無失点で12もの三振を奪うなどの好投をしています。

近畿学生野球連盟

■公式HP>>http://www.kinkigakusei.shop/

摺石達哉投手(奈良学園大)

この春季リーグは、特別ルールにより7校にて行われました。また、近畿学生野球連盟は唯一無観客で開催されました。ただ、2部リーグから昇格してきた大阪観光大が初戦の奈良学園大と対戦したのみで、以降の試合は全て辞退しました。

また、この春季リーグは従来の「勝ち点制」ではなく「ポイント制」での開催になっています。しかし、4月25日の緊急事態宣言発出以降、リーグ戦は中断し「延期」となっていましたが、5月19、20日に奈良学園大、阪南大、大阪市立大、和歌山大、神戸大の上位5校(大阪市立大はこの試合を棄権)によるトーナメントで優勝を決定することになりました。

「リーグ戦」を最後まで行うことを断念した形になりますが、これまでの順位は7勝でポイント21の和歌山大が首位、6勝でポイント18の奈良学園大と阪南大が2位につけています。この次に大阪市立大、神戸大が続くという順位になっています。

奈良学園大は、摺石達哉投手(4年/福井工大福井)、森田輝投手(4年/上宮太子)が奮闘していますが、新戦力の植木佑斗投手(2年/履正社)も台頭しつつあります。

京滋大学野球連盟

■公式HP>>https://keijidaigaku.com/

香水晴居貴投手(びわこ成蹊スポーツ大学)

今春季リーグは従来の「勝ち点制」で開催されています。4月25日の緊急事態宣言発出に伴い、同日に開催予定の試合が中止延期されたものの、以降の日程は有観客から無観客に変更して開催されています。

現在、首位を行くのが佛教大です。これを追うのがびわこ成蹊スポーツ大、京都先端科学大です。佛教大が優勝すれば5季連続、京都先端科学大は2018年秋季リーグ以来で現在の校名になって初、びわこ成蹊スポーツ大は初優勝になります。

佛教大は木村光投手(3年/奈良大附属)の存在が、京都先端科学大は山本翔希投手(4年/比叡山)の存在が大きいといえます。5月14日の佛教大‐京都先端科学大はこの両エースの投げ合いになりましたが、佛教大・木村投手に軍配が上がっています。また、びわこ成蹊スポーツ大は、エース香水晴貴投手(4年/近江)が奮闘、投打もかみ合った点が好調の要因だったといえます。

※記録・成績は5月18日現在