高校野球地区大会情報 京都・滋賀・岐阜編

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高校野球地区大会情報 京都・滋賀・岐阜編

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昨年は春夏ともに甲子園は中止になりましたが、今春の選抜は有観客で開催されました。そして夏の甲子園は8月9日から17日間にわたって熱戦が繰り広げられます。甲子園は学校関係者のみに限定し一般観客は入れずに開催される予定で、各地区からの出場校の顔ぶれが出揃いました。今回は、京都、滋賀に岐阜も加え3つの大会の情報を紹介していきます。

京都大会

京都大会では、入場者数を制限して有観客で開催されました。一般入場者と学校関係者のエリアを分け、学校関係者は1試合ごとの入れ替え制としたのも特徴です。ブラスバンドなど声や音を出しての応援は禁止されたため拍手や手拍子での応援が行われました。

京都大会の決勝は、京都国際と京都外大西が対戦し、接戦の末に6‐4と京都国際が逆転勝ちで京都外大西を下し、夏の甲子園初出場を決めました。今年の選抜に初出場しており、春夏連続出場になります。

3回戦では、乙訓と龍谷大平安が対戦し昨年秋季大会決勝戦の再現となりました。この時は龍谷大平安が乙訓を下して秋の京都を制しています。今回は序盤から両者の点の取り合いとなり、4‐2とリードされた9回裏に龍谷大平安が2点を奪取し執念で追いつくも10回には投手陣が力尽き、9‐4と乙訓が勝利し昨年秋の雪辱を果たしました。

ベスト4まで勝ち上がったのは、京都国際、京都外大西、乙訓、東山の4チームです。このうち京都外大西はノーシードでの決勝進出、準優勝です。この4校は勝ち上がっていけるだけの力はあったものの、やはり京都国際が一歩ずば抜けたチーム力があり、今春の選抜を経験したことが大きいといえます。

■京都の好投手たち

京都国際/森下瑠大投手

ここでは、京都大会で印象に残った投手を紹介します。

まずは乙訓の北見隆侑投手(3年)です。龍谷大平安との一戦では延長10回の最後まで一人で投げ抜きました。龍谷大平安の打者43人に対して164球で10安打4失点。9回に連打で得点を許したものの、相手打線がつながらないよう上手にかわすピッチングで切り抜けました。

この次の試合となる同志社戦では控えの石田連己投手(3年)と堀場寛喜投手(3年)の継投で勝ち上がるなど乙訓は選手層の厚さがうかがえます。

京都外大西の星野烈志投手(3年)は、4回戦の立命館宇治戦で、立命館宇治打線をわずか2安打完封で切り抜けるなど、勝ち上がるのには十分なピッチングを見せてくれました。

そして、京都国際の森下瑠大投手(2年)は2回戦の京都翔英戦で3安打完封し、準々決勝の塔南戦でも3安打13奪三振と完封で抑えています。ストレートもいいものを持っていますが変化球も上手に使いながら打者を打ち取っています。甲子園での活躍が期待されます。

>>京都大会組結果

滋賀大会

滋賀大会はブラスバンドなどでの声や音を出しての応援は禁止されたものの、入場者数を制限し有観客で開催されました。

決勝戦では、初の甲子園出場を目指す立命館守山と滋賀の名門近江が対戦。6‐0で近江が立命館守山を圧勝しました。今大会の近江はノーシードから勝ち上がり、2年ぶり16度目の甲子園出場を果たしました。立命館守山は2006年に創立し、野球部は2016年に創部の新しいチームです。

今大会では、この近江、立命館守山の両校の他にも綾羽と彦根翔西館の2チームもベスト4まで勝ち上がりました。とりわけ彦根翔西館は準々決勝で滋賀学園を接戦の末に破りベスト4に進出しています。彦根翔西館は2016年に統廃合で新設された県立校です。綾羽、立命館守山は今春の近畿大会に出場するなどレベルアップしてきており、今後は滋賀大会で優勝できるだけの実力を兼ねそなえつつあります。

■滋賀の好投手たち

近江/岩佐直哉投手

ここでは印象に残った滋賀の投手を紹介します。

滋賀学園からは阿字悠真投手(3年)です。この試合で敗退したとはいえ彦根翔西館戦で終盤になり登板し、ピシャリと彦根翔西館打線を抑えました。

次は立命館守山の信次陽和投手(3年)です。背番号10を付けていますが、準々決勝の伊香戦では序盤に連打を許し3点を奪われるものの次第に立ち直り、結局は8安打3失点の完投で勝利に貢献しました。打者をねじ伏せるのではなく、打たせて取るピッチングで、エースナンバーではないものの内容はいい投手でした。

最後は近江です。3回戦の北大津戦では控えの山田陽翔投手(2年)が先発し6回を0点に抑えると、7回からエースの岩佐直哉投手(3年)が登板し残りのイニングを完全に抑え、完封リレーで抑えました。山田投手は140キロ前後のストレートなどで散発3安打に抑えましたが、岩佐投手は140キロ近いストレートを投げるなどレベルの高さが感じられました。

>>滋賀大会結果

岐阜大会

試合前のジャンケン

岐阜大会は原則無観客で開催され、入場できるのは保護者ら学校関係者らに限定されました。しかし、従来のブラスバンドや声を出しての応援はできなかったものの録音した音楽やメガホンの使用のみ認められました。

岐阜大会が始まった7月10日、大垣市民球場でも試合前には出場校の保護者や生徒らが入場口付近に集まり、梅雨がまだ明けないにもかかわらず蝉しぐれが夏の訪れを感じさせてくれました。両校の関係者らはそれぞれ一塁側、三塁側のスタンドに陣取り、メガホンや拍手で応援するスタイルで試合は運営されました。また、試合前にはネット裏のグランドで両校の主将によるジャンケンでの先攻後攻を決める「岐阜スタイル」も健在です。

岐阜大会の決勝は、順当に勝ち上がった県岐阜商と市岐阜商の対戦。どちらともに岐阜代表として甲子園に出場した経験を持ち、県岐阜商が勝てば2012年の94回大会以来、市岐阜商が勝てば2008年以来の甲子園出場となりますが、4‐3と接戦の末に県岐阜商が甲子園への切符を手にしました。

>>岐阜大会結果

校歌斉唱 乙訓

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