新年の誓いはどれだけ持続するか – 挫折しているのはあなただけではない

新年の誓いはどれだけ持続するか – 挫折しているのはあなただけではない DO

新年の誓いはどれだけ持続するか – 挫折しているのはあなただけではない

スポーティ

我が国には「1年の計は元旦にあり」と言う言葉がありますが、アメリカでも新年に新たな目標や計画を立てることは多く、New Year’s Resolutionsと呼ばれます。

「今年こそ5キロ痩せる」とか「酒を止める」とか「月間300キロ走る」とか、その内容は様々であっても、そうした新年の誓いへのモチベーションを本当に1年間ずっと継続することは誰にとっても容易ではありません。

2024年1月12日は米国の「挫折の日(National Quitter’s Day)」でした。様々な統計から、1月の第2金曜日が最も多くの人が新年に立てた目標を諦める日だということで、今年は12日がそれにあたったのです。

スポーツ愛好者向けのソーシャル・ネットワーク「Strava」は全世界で1億人を超える会員の膨大なデータを解析した結果、世界的な「挫折の日」を米国よりもう少し遅めの、1月の第3日曜日だと発表したことがあります。

第2金曜日と第3日曜日。多少の違いはあるにせよ、「3日坊主」よりは少し長いようです。それでも、数週間くらいで新年の誓いに挫折することはけっして例外的なことではないと納得してもらえるでしょう。

この記事が公開される頃にはどちらの「挫折の日」もとっくに過ぎているはずです。皆さんはまだリングの中に立っているでしょうか。それともすでにタオルを投げてしまっているでしょうか。

挫折は当たり前。それからどうするか。

もし挫折したからといって諦める必要も自己嫌悪に陥る必要もありません。それが1月や2月といった早い時期であれば尚更です。なぜなら、まだ1年の大半は残っているじゃないですか。

目標や計画を再評価し、なぜ失敗してしまったかを分析し、モチベーションを呼び戻し、そして新たなスタートを切るための時間はたっぷりあります。

ビジネス用語の「PDSサイクル」をご存知でしょうか。Plan(計画)、Do(実行)、See(観察)の過程を繰り返す業務管理の手法のことです。新年に立てた計画を数週間なり数か月なり実行してみて、今は観察の途中なのだと考えてみましょう。まだ1サイクルも終わっていないのです。問題はどのように次のサイクルに進むかなのです。

自慢にはなりませんし、恥じることでもないと開き直っていますが、私自身も過去に何回も自分が立てた目標に挫折し、その度になんとか態勢を立て直してきました。そうした経験から、いくつかの実践的なアドバイスを私なりにまとめてみました。

■その目標は現実的だったかを再検討する

そもそも、新年に立てた目標が現実的であったかを考え直してみましょう。勢いや雰囲気に流されてはいなかったか、あるいはあまりにも理想を求め過ぎてはいなかったでしょうか。

目標は達成可能なものでなくては、それに向けた計画も紙に描いた餅になってしまいます。

現実的な目標を設定することはモチベーションを再構築することにも繋がるはずです。

■好きなことをやっているか

人は自分が好きなことならば頑張れるものです。と言うか、頑張っているという自覚さえないかもしれません。

逆に嫌いなことを続けるのは非常に難しいものです。

私を例に挙げると、「毎日走る」とか「毎日ジムに行く」といったことは全く苦になりません。しかし、もし「毎日ラテン語の単語を5個憶える」という目標を立てたとしたら、きっと数日間で挫折してしまうでしょう。

現実的な目標から導き出した行動計画はまず自分が好きなことを中心に構成するようにしましょう。

■短期間サイクルを繰り返す

大きな目標を掲げるのは良いことですが、いきなりそこに到達しようとすると無理が生じます。

1年間で達成するべきことを考えるより、1か月、1週間、あるいは1日単位の短いスパンでやるべきことを考えましょう。短い期間なら頑張れるからです。

ある心理学サイトに最近発表された研究(*1)では、年間200時間のボランティア活動を目標にした人より、週4時間のボランティア活動を目標にした人の方が、結局は年間合計で8%多く活動したそうです。

*1. A field experiment on subgoal framing to boost volunteering: The trade-off between goal granularity and flexibility.
https://psycnet.apa.org/record/2023-01062-001

「千里の道も一歩から」ですし、「塵も積もれば山となる」ってことですね。

■自分に言い訳をする

失敗には必ず原因があります。体調不良、仕事や家庭の事情、天候不順や災害、あるいは自分自身のモチベーションの低下。そのどれかひとつかもしれませんし、いくつかの要因が重なったせいかもしれません。

我々は他人に向かって言い訳をすることは好ましくないとする価値観を持っていますが、自分自身に言い訳をすることは許されてもよいと思います。

なぜなら言い訳を考えるということは、失敗の原因を振り返ることでもあるからです。

失敗をしたことですべてを諦めるのではなく、成長の一環として捉えて、次回に活かすことができるはずです。

■スケジュールはフレキシブルに

新年の誓いに挫折したからと言って、次の目標を来年にまで繰越す必要はまったくありません。

再開の日はいつでもよいのです。勢いみたいなものを必要とするならば、次の月曜日でも、来月1日でも、あなたの誕生日でも、プロ野球開幕日でも、何か自分にとって節目となる日を設定して、前回よりは少しでも長く続けることを目指してみましょう。

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