日本発の「サスケ」が米国で大人気。全米各地に専門ジムが誕生。
DO日本発の「サスケ」が米国で大人気。全米各地に専門ジムが誕生。
空手や柔道などの武道、寿司や天ぷらなどの食べ物、小さくて燃費の良いクルマ、大人も子供も楽しめるアニメなど、日本から発信された文化でアメリカ人の人生にも大きな影響を与えたものは少なくありません。
TBSの人気番組シリーズ「サスケ」もその1つに数えてよいのではないでしょうか。様々な障害物が登場するコースとそれに挑戦する人のドラマは、日本だけではなく、世界各国でも大変な話題になりました。
米国では現地制作のスピンオフ番組までが作られ、「American Ninja Warrior」と言う名前で呼ばれています。その番組も米国の3大テレビ・ネットワークであるNBCの看板シリーズとして、今年で11年目のシーズンを迎えました。
少し意味が違って伝わっているような気もしますが、「ニンジャ」とは敏捷で巧緻性が高いアスリートを指すときに使われ、すっかり英語の単語になったように思います。
そうなると見ているだけではなく、自分でもやってみたいと思う人も出てくるのは自然の流れです。テレビ番組で出てくるものと同じ障害物を揃えて、それを練習するための専門ジムまでが全米に数多く誕生しています。
本家のテレビ番組には全米各地の都市で行われる予選とラスベガスで行われる年1回の決勝大会がありますが、それと同じ形式のシステムで年間を通して競技会を開催する団体までが現れました。
そのような競技会が自宅からさほど遠くない場所で開かれると聞き、高校生の息子を連れて参加してきました。
アマチュア部門とプロ部門に分かれた“ガチ”な競技会
イベントが行われたMROC Training Center
私達親子が参加してきたのは4月29日にカリフォルニア州オーシャンサイド市のジムで行われた「Ninja Warrior Challenge」というイベントです。
主催団体の「Ultimate Ninja Athlete Association」(以下UNAA)は、ニュー・メキシコ州に本拠を構える世界組織で、米国各地以外にもカナダ、イギリス、オーストラリアでも競技会を開いています。
この日のイベントはUNAAの頂点である世界決勝大会の2つ手前の段階となる地域予選でした。参加した競技者はアマチュア部門に20人程度、プロ部門に5人でした。
プロと言っても、もちろん専業ではないでしょうが、この地域予選を勝ち抜いて、次のブロック大会に進み、さらには世界決勝大会出場を目指しているアスリート達です。
開始前から真剣な表情でウォーミングアップに余念がありません。競技の性格上でしょうか、全員がスリムだけど逞しい、いわゆる“細マッチョ”な体つきをしています。
それに比べると、私達が参加したアマチュア部門はやや気楽な雰囲気でしたが、それでも専門のジムでトレーニングを積んでいる人達ばかり。全くの素人は私と息子だけでした。
狭いジムにひしめくお馴染みの障害物
会場となったジムは多分20メートル四方ぐらいの広さで、アメリカの基準からすると、さほど大きなジムではありません。そのジム内に全部で16個の障害物で構成されたコースが設定され、競技者は制限時間5分を与えられて、順番に名前を呼ばれてスタート台に立ちます。
コースは限られたスペースに作られていますので、それぞれの障害物の距離はごく短いものです。ですが、その難易度はなかなかのもの。そそり立つ壁、クリフハンガー、サーモンラダー、縄登りなどなど、テレビでお馴染みの障害物がところ狭しと積み込まれています。
テレビと異なるのは、1つの障害物に失敗しても、次の障害物に進めること。制限時間内であれば、16個ある全ての障害物を回ることが出来ます。得点はクリアした障害物の数とコース1周に要した時間の組み合わせで決まります。
ただし、失敗した障害物に再挑戦が許されているのは制限時間内に1回だけですので、何回もしつこくトライすることは出来ません。
最年少&最年長コンビのニンジャ初挑戦
競技は年齢順で行われました。そうなりますと、17歳の息子が最年少で1番、52歳の私は最年長で最後ということになります。息子は高校の部活で陸上とテニスの両方をやっているマルチ・アスリート、私も本職はクロスフィットのトレーナーです。2人とも汗をかくのが仕事のようなもの。このような競技は未体験ではありますが、運動能力にはそれなりに自信がありました。
ところがと言うべきか、当たり前だろと言うべきか、ニンジャになるのはそれほど甘い話ではありませんでした。次々と障害物に失敗しては、悔しがる間もなく、次の障害物へと進むことの連続でした。若くてバランス感覚に長けた息子の方がややマシで、私がクリアできたのは雲梯や縄登りなどのチカラ系だけでした。
コースの最後はそそり立つ壁。高さは多分3~4メートル。見上げるほどの高さというわけではありません。勢いをつけて駆け上がったら何とかなるだろうとスタート前に息子と話していたのですが、結果は2人ともあと少しで手が届きませんでした。
最年少選手のトライ。高さは充分だったが、クリアは出来ず。
最年長選手のトライ。こちらはあと少し距離が足らない。
そのようなわけで、思ったような結果は残せませんでしたが、とても楽しい経験をすることが出来ました。このような障害物を揃えるのは容易なことではないでしょうが、こんなジムが近くに会ったら毎日でも通うのにと思う人は私だけではないはず。
INFORMATION
UNAA公式ホームページ
https://www.ultimateninja.net/
大会プロモーション動画