ソチ五輪予習の決定版!新競技 「フィギュアスケート団体」を予習しよう

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ソチ五輪予習の決定版!新競技 「フィギュアスケート団体」を予習しよう

スポーティ

開幕が近付くソチ冬季五輪。新たに12の新種目が採用されることになりました。

「フィギュアスケート団体」もそのひとつ。日本では注目度の高いフィギュアスケートですが、団体戦をオリンピックで戦うのはもちろんこれが初めて。いったいどのように順位を競うのでしょうか? 日本のメダル獲得の可能性は? 意外と知らないフィギュアスケート団体戦の全容を今から予習しておきましょう!

フィギュアスケート団体 ルールブック

◆概要

男女シングル、ペア、アイスダンスの4種目の合計ポイントで順位を争い、フィギュアスケートの総合力を競う国別対抗戦。※ペア・アイスダンスは、1組の男女による演技。

◆チーム編成

男女シングル各1名(ただしSPとFSは別の選手を使ってもOK)とペア、アイスダンス各1組で、4種目の中から3種目以上。

◆出場国

選考対象となる複数大会で順位に応じたポイントが与えられ、各国の男女シングル上位各1名、ペア、アイスダンス上位各1組の最大獲得ポイントの合計を集計し、上位10か国が出場。

◆滑走順

・男子SP→ペアSP→アイスダンスSD→女子SP→ペアFS→男子FS→女子FS→アイスダンスFD
 ※SP:ショートプログラム、SD:ショートダンス、FS:フリースケーティング、FD:フリーダンス
・SP/SD→ランキング下位の出場国から演技開始。
・FS/FD→SP/SD終了時点で順位が下位の出場国から演技開始。

◆出場選手登録

各種目とも、個人戦の出場枠数の分まで複数人/組を登録することができるが、登録選手は個人戦出場選手に限られる。ただし、個人戦の出場枠がない種目に限り団体戦要員の参加が許される。

◆順位の決定

・採点によるスコアで順位をつけ、その順位をポイントに換算。1位10P、2位9Pと順位が下がるごとにポイントが1ずつ減り、最下位10位では1P。出場しない種目は0P。
・SP/SDの合計ポイントで上位5か国がFS/FDに進出。
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「日本代表」の実力、そして有力選手は?

シングルは男女ともに個人戦出場枠上限の“3”を獲得するなど、選手層の厚さ、実力ともに世界のトップクラス。団体戦では、SPとFSで選手を使い分けることができるため、それぞれの得意な分野で存分に実力が発揮できるはずです。

現在行われている出場選手選考では、男子は実力が拮抗し、主な有力候補6名で3つの出場枠を争っています。女子は3人が一歩リード。この個人戦出場者の中から「フィギュアスケート団体・日本代表チーム」のメンバーが選ばれます。

男子シングル有力候補

◇世界ランキング1位
羽生結弦(はにゅう・ゆづる)
2012年世界選手権銅メダリスト。2010年世界ジュニア選手権優勝。

◇世界ランキング3位
高橋大輔(たかはし・だいすけ)
バンクーバー五輪銅メダリスト。2010年世界選手権優勝。

◇世界ランキング7位
町田樹(まちだ・たつき)
2010年四大陸選手権2位、2009年、2011年全日本選手権4位。

◇世界ランキング9位
無良崇人(むら・たかひと)
2012年エリック・ボンパール杯優勝、2008年、2012年全日本選手権3位。

◇世界ランキング15位
小塚崇彦(こづか・たかひこ)
2010年バンクーバー五輪8位、2011年世界選手権2位、2010年全日本選手権優勝、2006年世界ジュニア選手権優勝。

◇世界ランキング17位
織田信成(おだ・のぶなり)
2010年バンクーバー五輪7位、2006年四大陸選手権優勝、2008年全日本選手権優勝、2005年世界ジュニア選手権優勝。

女子シングル有力候補

◇世界ランキング2位
鈴木明子(すずき・あきこ)
2010年バンクーバー五輪8位、2012年世界選手権3位。

◇世界ランキング3位
浅田真央(あさだ・まお)
2010年バンクーバー五輪銀メダリスト。2008年、2010年世界選手権優勝。

◇世界ランキング10位
村上佳菜子(むらかみ・かなこ)
2013年四大陸選手権3位、2012年全日本選手権2位、2010年GPファイナル3位、2010年世界ジュニア選手権優勝、2009年JGPファイナル優勝。

男女ペア有力候補

◇世界ランキング52位
高橋成美(たかはし・なるみ)/木原龍一(きはら・りゅういち)組

2013年1月に結成された急造ペアですが、躍進に期待がかかります。高橋は、以前のパートナーと2012年世界選手権で銅メダル獲得。個人戦出場枠は獲得できませんでしたが、五輪出場の最低条件であるミニマムスコアをクリアしたため団体戦要員として五輪に参加することができます。

アイスダンス有力候補

◇世界ランキング18位
キャシー・リード/クリス・リード組

最終予選となった9月のネーデルホルン杯で、日本の個人戦出場枠を勝ち取った姉弟が有力候補。2010年バンクーバー五輪日本代表。全日本フィギュアスケート選手権優勝5回(2007-2010、2012)と実績は十分。

日本のライバルになる世界の強豪国は?

カナダ

男子シングルで世界選手権3連覇中の絶対的エース、パトリック・チャンがチームを牽引する実力派集団。アイスダンスのテッサ・バーチュー/スコット・モイヤー組、ペアの2013年世界選手権銅メダリスト、メーガン・デュハメル/エリック・ラドフォード組なども名を連ねます。

◇男子シングル・世界ランキング2位
パトリック・チャン
2010年バンクーバー五輪5位、世界選手権3連覇(2011-2013)。

◇アイスダンス・世界ランキング1位
テッサ・バーチュー/スコット・モイヤー組
2010年バンクーバー五輪金メダリスト。2010年、2012年世界選手権優勝。

ロシア

開会式に先駆けて始まる競技となれば、開催国としてはおのずと気合が入るというもの。個人戦の出場枠は男子シングルで1つ、女子シングルで2つながらも実力は折り紙つき。ペアでは世界チャンピオンのタチアナ・ボロソジャー/マキシム・トランコフ組、アイスダンスではエカテリーナ・ボブロワ/ドミトリイ・ソロヴィヨフ組など、世界トップクラスの選手を擁しています。

◇男女ペア・世界ランキング1位
タチアナ・ボロソジャー/マキシム・トランコフ組
2013年世界選手権優勝、2012年グランプリファイナル優勝。

アメリカ

4種目ともにレベルの高い選手が揃い、選手層の厚さがウリのアメリカ。女子シングルは世界ランキング4位のアシュリー・ワグナー、注目の若手グレイシー・ゴールドなどハイレベル。アイスダンスでは世界チャンピオンのメリル・デービス/チャーリー・ホワイト組を擁しています。

◇アイスダンス・世界ランキング2位
メリル・デービス/チャーリー・ホワイト組
2010年バンクーバー五輪銀メダリスト。2011年、2013年世界選手権優勝。2009年、2011年、2013年四大陸選手権優勝。

日本がメダルを獲るためには…

日本がメダルを獲得するためには、各種目で強豪をバランスよく揃えるカナダ、アメリカ、ロシアと競り合わなければなりません。男女のシングルでは世界トップクラスの選手を数多く揃える日本ですが、ペアやアイスダンスでは世界と差があるのが現実です。

男女のシングルで着実に上位のポイントを獲得しなければならないのはもちろんのこと、ペアとアイスダンスでライバルに食い下がることができればメダルも見えてくるでしょう。混戦が予想される「フィギュアスケート団体」から目が離せません!

*世界ランキングはすべて、2013年12月2日時点のものです。

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