Jリーガーに直接相談『サッカー選手の育て方談話室』
SUPPORTJリーガーに直接相談『サッカー選手の育て方談話室』
サッカー少年の一番の夢は「プロになること」。そんな夢を持つ子どもに対して、親は何ができるのでしょうか?
プロサッカー選手を目指す子を持つ親のための対話式セミナー『サッカー選手の育て方談話室』が、東海地方を中心に、全国各地で開催されています。
Jリーガーから見る「プロになれる選手・なれない選手」
『サッカー選手の育て方談話室』はその名の通り、サッカー少年の子を持つ親ひとりひとりの悩みに双方向コミュニケーションで答えていく形のセミナーです。
一番多いのはサッカー少年団のお母さんたちに依頼されて、地元に出張していく形です。プロになる過程で、成功を掴むことが出来た選手と消えてしまった選手を間近で見ていたので、その経験からさまざまな年代ごとの技術面、体力面、精神面の疑問・悩みに答えていくことが出来ます。
『サッカー選手の育て方談話室』の講師は、東京V、FC岐阜などで13年間プロサッカー選手として活躍した野田恭平さん。引退後、会社勤めを経て「サッカーを通じて幸せな家庭をひとつでも多く増やしたい」と、この事業を立ち上げました。
技術・体力は練習で強くなりますが、頭と心の部分を伸ばすのは指導者が全体を見ている集団練習では難しい。それを毎日、マンツーマンでできるのは「親」なんです。
親子でサッカーに取り組む意味
とはいえ、実際にサッカー選手になれるのはひと握り。一家でサッカーに取り組むことは無駄にならないのでしょうか?
親の方に「こういう子に育ってほしいからサッカーをやらせる」という目標があれば、その目標は達成できます。逆に目先の結果だけを追って試合の勝ち負けに一喜一憂してしまうと、結局プロになれなかったときに何も残らないんです。
子どもの自主性を大切にして、「自分で決めたんだから最後までやろうね」ということが言えるようになるのが大切だと言います。
全員がサッカー選手になれるとは言いません。でも思っている以上にいろんな子どもにもチャンスはある。もしサッカー選手になれなかったとしても、目標に向かって家族みんなでがんばったという事実はとても価値のあること。そんな“気付き”を増やしていきたいんです。
プロになるための「目標設定」
野田さんが子どもの持つ可能性に親が気付いて欲しいと考えるようになったのは、自身の経験によるものからでした。
僕は身体能力も高くないし、小学校まではどこにでもいる普通の選手でした。でも「Jリーガーになる」と決めたとき、それを大きなゴールとして、途中の過程を目標にしていったことで、結果的にプロになることができたんです。
「中学校一年生のうちに市内の選抜に入る」。そのために「今選ばれている選手に勝つには、自分のここを伸ばす」。そして「ここを伸ばすには、こういう練習をする」。それが達成できたら、次は「二年生のうちに選抜の中でレギュラーになる」。小さな目標に合わせて、ひとつひとつやるべきことを考えて行った結果、夢が近づいてきたと言います。
小さくても目標を達成すると自信になり、それが次のモチベーションにつながる、というやり方です。でもこれってやり方さえ分かれば、誰でもできるんです。こういうことをひとつひとつ、親から子へ伝えてあげられるようにするのが、この教室の目的です。
今後はさらに多くの元Jリーガーなどを招き、様々なモデルケースの中から親子でサッカーに向かい合うことの大切さを伝えていくとのことです。
親が変われば、子も変わる。全国のサッカー少年を持つ親御さんの強い味方になってくれるでしょう。
INFORMATION
野田恭平(のだ・きょうへい)
1981年生まれ、神奈川県出身。幼稚園の時にサッカーを始め、高校3年時にヴェルディ川崎の強化指定選手に。2000年ヴェルディ川崎入団。2003年FC琉球、2009年FC岐阜に移籍。2012年現役引退。Jリーグ通算105試合、天皇杯通算12試合、JFL通算80試合出場。2014年『サッカー選手の育て方談話室』を開始。『JFAこころのプロジェクト』夢先生として全国の小中学校で「夢」をテーマに授業を実施。