ハンドボール漫画「送球ボーイズ」原作 フウワイ氏インタビュー

ハンドボール漫画「送球ボーイズ」原作 フウワイ氏インタビュー SUPPORT

ハンドボール漫画「送球ボーイズ」原作 フウワイ氏インタビュー

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富山県氷見市で「第13回春の全国中学生ハンドボール選手権大会」(通称:春中ハンド)が3/24(土)〜28(水)の5日間で開催されました。この大会は、毎年氷見市で開催されており、今年は、男子48チーム、女子47チームが参加。全国の中学生ハンドボーラーが優勝を目指して戦いました。

そんな中、会場でひときわ盛り上がっていたのは、氷見市を舞台にしたハンドボール漫画、「送球ボーイズ」の原作者であるフウワイ氏と作画のサカズキ九氏のサイン会でした。

今回は、まんがアプリ『マンガワン』及びWebコミックサイト『裏サンデー』で連載中の「送球ボーイズ」の原作者、フウワイ氏にハンドボールの魅力や送球ボーイズについて話を聞きました。

「ハンドボールの街 氷見」を舞台に、誰も書いていないハンドボール漫画を

ーーそもそもハンドボールを題材にした漫画がほとんどない中で、ハンドボールを題材にした漫画を書き始めた理由は何でしょうか?

僕も学生の頃からハンドボールをやっていたのですが、ハンドボールは魅力があるにも関わらず、題材とした漫画がないことに疑問があって、ないのであれば自分で書きたいと思ったことがキッカケでした。

ーー福井県出身にも関わらず、富山県氷見市を舞台とした理由を教えてください。

中学校からハンドボールをはじめて、社会人までやっていたのですが、中学生の頃に氷見市の西条中学校に敗れ、全中を逃したという経験がありました。その時に氷見市が街を上げてハンドボールに取り組む強豪だという印象が強く残りました。
また、大学時代に春中ハンドの第一回、二回大会をボランティアで手伝ったこともあり、氷見市を舞台にすることに決めました。
実際に氷見市を舞台に決めたあとに来てみても、お年寄りから子供までハンドボールに関わっていて、何十年も前からハンドボールを盛り上げてきた街だと実感します。

ーー春中ハンドに作者として来るのは3年目とのことですが、反響などについて変化を感じる部分はありますか?

はじめて来たときはまだ単行本も発売されて無く、無料配布の冊子を配るという形でした。今では単行本は8巻まで発売していますが、毎年毎年知名度が上がってきて、「読んでます」って声をかけていただけるのは嬉しいですね。


ハンドボールをやっていない人でも魅力が伝わる漫画にしたい

ーーハンドボールという競技を題材として扱う上で、特に意識している部分を教えてください。

ハンドボールをやっている人しか読まないような本にはしたくなかったので、難しい戦術的な話などはあまり書かないようにしています。ハンドボールをやっていない人でも魅力がわかるようにという点は特に意識しています。

ーー送球ボーイズは相手チームも含め、個性的で魅力的な選手が多いですが、キャラクターを作るときにモデルにしている選手はいるのでしょうか?

実はモデルとして意識しているような有名選手はあまりいません。実際に私が中学校から社会人までプレーしてきた中で、印象に残った選手やチームメイトから膨らませて、キャラクターを作っているということが多いです。あとは、こういう選手がいたら面白いだろうな、いて欲しいなという思いを持ってキャラクターを考えることもあります。

ーー主人公の志熊栄都はダンスの経験者で、ムササビシュート(プロンジョンシュート)が得意技という特徴がありますが、彼のモデルはいるのでしょうか?

元々、ムササビシュートは大学の先輩がやっていたことから着想を得ました。主人公のバックグラウンドなどを膨らませていった中で、ダンス経験者やミラーリング(相手の技を見るだけで真似できる特技)という発想が出てきました。

テーマは登場人物の成長

ーー今後、送球ボーイズはどのような展開になっていくのでしょうか?

今、連載している大会が終わると登場人物の学年が1つあがり、主力である2年生達は、6月の大会では負けたら引退ということになります。その負けられない状況の中で、チームや登場人物がどのように成長するかという部分が注目してもらいたいところですね。

ーー負けたら終わりという学生スポーツの醍醐味という点が大きなテーマになってくるわけですね。

そうですね。今まで連載してくる中で選手の引退などは書いたことが無かった(主人公が所属する火鼠高校には3年生の部員がいない)のですが、部活をやっている中では誰もが経験する部分ではあるので、書きたいし、書かなければいけない部分ではあると思っています。

ーーストーリーの中で展開される試合展開は、どれも目が離せないものですが、試合結果については事前に決めているのでしょうか?

試合展開やどちらが勝つかについては、実はあまり決めていないんです。試合の前から、「この選手はこの試合でこういう成長をする」というところはある程度イメージはしています。ただ、試合結果については、書いている中で決めていくようにしています。予定調和になってしまわないようにと意識している点ですね。
試合の中で、人間的な成長を反映していきたいと思っています。だからこそ、試合結果は、その選手たちの成長の結果としてあるものにしたいと思っています。
キャラクターの成長というのは、特に意識して書いている部分ですね。

ハンドボールをメジャースポーツにするためのキッカケに

ーーまだまだ日本ではメジャースポーツと言えないハンドボールですが、フウワイ先生としては「送球ボーイズ」を通して、ハンドボールに対してどのような変化を起こしたいと考えていますか?

ハンドボールが短い期間で、急に野球やサッカーのようなメジャースポーツになるのは難しいと思っています。ただ、オリンピックや世界選手権で日本の選手が活躍するようなキッカケがあれば、人気が出るだけのポテンシャルがあるスポーツだとも思っています。
その中で、漫画が青少年に及ぼす影響は大きいとは思っています。実際に「漫画を読んでハンドボールを始めました」と言ってくれる方もいます。少しずつではありますが、そのような形でハンドボールに対して良い影響を与えたいと思っています。



ーー今回氷見市で生まれた新スポーツ「ハンぎょボール」をフウワイ先生もプレーしていただき、ブリへの出世第一号となりましたが、いかがでしたか?

面白かったです。私自身久しぶりにハンドボールをプレーして、体が動くかなという心配はあったのですが、脇にブリを挟むことにより、プレー速度が落ちるため楽しくプレーできました。

ーー今後も氷見市はハンぎょボールを利用することで「ハンドボールの街 氷見」を広く知っていただけるような活動をしていくそうです。引き続き、「送球ボーイズ」期待しています。ありがとうございました。

ありがとうございました。





文・インタビュー:萩原拓也(Sportie編集部)

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