5-アミノレブリン酸で効率的なダイエットを!その効果を解説
DO5-アミノレブリン酸で効率的なダイエットを!その効果を解説
最近よく見かけるダイエット系のサプリメントの一つに、「5-アミノレブリン酸(5 – aminolevulinic acid : ALA)」というものがあります。
このサプリメントはよく「ミトコンドリアを活性化」という売り文句で販売されています。しかし、これを見ただけではダイエットとどういった関係があるのか、いまいちよく分からないと思います。
また、最近ではALAが運動パフォーマンスにもいい影響を及ぼす可能性も考えられています。
そこで今回は、最近話題になっているALAについて、どうしてダイエットに効果的なのか、そして運動パフォーマンスにどういった影響を及ぼすのかについて、説明していこうと思います。
ALAはヘムの原料となる物質
まずはALAが一体どのような物質なのかを説明していこうと思います。
ALAは、生体内ではグリシンとスクシニルCoAという2つの物質から合成される、アミノ酸の一種です。
体内で合成されるからには、ALAは体内で大切な役割を果たしているはずです。それではその役割とは何なのでしょうか。
ALAは体内で合成された後、同じもの同士8個が結合し、プロトポルフィリンという大きな物質に形を変えます。この物質は環状の物質で、中央に鉄を結合させることができます。
プロトポルフィリンに鉄が結合すると、ヘムという物質に変わります。ヘモグロビンという物質を聞いたことはありませんか。実はヘモグロビンはヘムとグロビンという物質が合わさってできたものです。つまり、ヘムはヘモグロビンを構成する物質なのです。
ヘモグロビンは体内で血液を運搬するという重要な働きを果たしています。ALAはそんな重要な働きをする物質の原料となるものだったのです。
ヘムはヘモグロビン以外にも使い道があります。私達は体を動かす際、ミトコンドリアというエネルギー工場からエネルギーを取り出すことで筋肉を収縮させ、体を動かしています。
ミトコンドリア内でエネルギーを作り出すのに重要なタンパク質として、シトクロムというタンパク質が挙げられるのですが、実はヘムはシトクロムというタンパク質の構成要素でもあるのです。
このように、ALAは血液を運搬したりエネルギーを作り出す役割を果たすヘムの原料となる、非常に重要な物質なのです。
ALAには内臓脂肪蓄積抑制効果もある
このようにALAは生体内では重要な役割を果たしています。そんなALAについて、ダイエット効果を検証した実験があります。方法は単純で、マウスをALAを与える群と与えない群に分けて内臓脂肪重量を測定しました。その結果、ALAを与えた群の方が、内臓脂肪重量が低いという結果になりました。
それではどうして内臓脂肪重量が低かったのでしょうか。その要因の一つとして、SREBPというタンパク質が関連しています。
SREBPは、ステロール調節エレメント結合タンパク質(Sterol Regulatory Element Binding Protein)の略で、体内での脂肪の合成に関わっています。
このタンパク質は、遺伝子上に存在するステロール調節エレメントという配列に特異的に結合し、その遺伝子にコードされているタンパク質を作り出します。その中に、脂肪合成に関わる酵素がたくさん含まれています。
つまり、SREBPが多く存在すると脂肪合成に関わる酵素が多く作られ、脂肪が多く作られていきます。
ある実験では、ALAをマウスに投与することにより、SREBPのタンパク質量が減少しました。そのため、ALAはSREBPのタンパク質量を抑え、内臓脂肪を作らない方向へと導き、その結果ALAを摂取していないマウスと比べると内臓脂肪重量が低くなったと考えられます。
ALA摂取は運動パフォーマンスの向上にも繋がる
ミトコンドリアは、運動に必要なエネルギーを作り出す器官で、運動パフォーマンスの向上に重要な要因であると考えられています。
ALAは、そんなミトコンドリアに含まれている酵素の原料となる物質なので、運動パフォーマンスにもプラスの働きがあるのではないかと考えられ、研究が行われてきました。
実際にマウスにALAを摂取させた実験があるのですが、その研究ではALAを与えると疲労困憊に到るまでの走行距離が伸びた、つまりALAの摂取で持久力が向上したということが報告されています。筋肉のミトコンドリアの量を調べてみると、ALAを摂取させていた群で多くなっていたので、そのことにより走行距離が伸びたと考えられます。
またALAはBCAA(分岐鎖アミノ酸)の代謝にも関わっていることも分かってきました。BCAAは筋肉の35%程を占める重要なタンパク質で、筋肉を増やす際にはBCAAの血中濃度を高く保つと有利に働くことが知られています。
筋肉にはBCAAを分解するBCATという酵素があるのですが、ALAを摂取することでこのBCATの遺伝子発現が抑制され、BCATの働きが抑制されたという結果が報告されています。
この結果から、ALAを摂取することで、BCAAを分解する酵素であるBCATの働きを抑え、血中のBCAAの濃度を高い値に保ち、筋肉の合成にも有利に働く可能性が考えられました。
ALAは血液の輸送に関わるヘモグロビンやエネルギー合成に関与するシトクロムを構成するヘムの原料であるだけでなく、遺伝子レベルで脂肪合成を抑制したりミトコンドリアや筋肉の合成に関与するすごい物質なのです。
ダイエットだけでなく運動パフォーマンスも向上させるALAサプリメントを取り入れてみてはどうでしょうか。