今回はアツい!サウスゲイトのイングランド代表徹底研究!

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2014年のワールドカップ南アフリカ大会は、1勝もできずにグループリーグ最下位。2016年のユーロでは、決勝トーナメント1回戦で小国アイスランドに逆転負け。近年は低迷していたイングランド代表ですが、今回は期待できそうです。
(メイン写真 Photo by Tomasz Baranowski)

速攻とサイドアタックで上位をめざす

ガレス・サウスゲート監督は、プレミアリーグで主流となっている速いサッカーで上位進出を狙っています。ワールドカップロシア大会に出場する23人を見てみましょう。長年ゴールマウスに君臨していたジョー・ハートは外れ、エースGKはエヴァートンのピックフォード。ジャック・バトランドが2番手、今季プレミアリーグで活躍したポープが滑り込みで選ばれています。

最終ラインは、おそらく3バックで、カイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、マグワイアがファーストチョイスでしょう。中央のバックアッパーは、国際経験豊富なフィル・ジョーンズとガリー・ケーヒル。WBは右にトリッピアーと19歳のアレクサンダー・アーノルド、左はデルフとアシュリー・ヤングが鎬を削ります。アンカーはヘンダーソンかエリック・ダイアー。インサイドMFにはリンガードとデル・アリが入り、前線には快足スターリングとプレミアリーグ30ゴールのハリー・ケインが並びます。中盤のバックアッパーはロフタス=チーク。ウェルベック、ラシュフォード、ジェイミー・ヴァーディを加えた3トップも有力なオプションです。


ユーロ2016ではノーゴールに終わったハリー・ケインは、キャプテンの重責を担いながら真価を発揮できるか(PHOTO by Ardfern)

チ―ムの浮沈のカギを握るデル・アリに注目

3-1-4-2のインサイドMFとして、キーマンとなっていたチェンバレンの離脱は残念ですが、後方で奪ったボールを、手数をかけずに前線につなぐ直線的なアタックは健在。楔のボールを収めるのがうまいハリー・ケインと、ラインの裏に抜けられるスターリングのコンビは、優勝候補のスペインやドイツ、ブラジルからしても脅威でしょう。相手が引いてきたら、サイドを徹底的に崩しにいく攻め方にシフト。クロスが正確なトリッピアー、多彩なボールを蹴れるアーノルド、縦にも中にも入れるダニー・ローズ、中盤をフォローできるデルフと、個性的な選手が揃ったWBのチョイスがサウスゲート監督の腕の見せどころです。

チームの出来を左右するのは、デル・アリでしょう。11月のブラジル戦、ドイツ戦(いずれも0-0)、3月のオランダ戦(1-0)、イタリア戦(1-1)と、予選終了後のフレンドリーマッチに1度も顔を出していないMFは、より速さを増した現在のチームにフィットするでしょうか。ジャック・ウィルシャーがいない今回のチームで、意外性があるパスが出せる唯一の存在ですが、激しい当たりに対して、時折冷静さを欠くのが心配です。センスあふれるキラーパスや、的確な最前線への飛び込みで多くの得点に絡むか、ラフプレーに反応してチームを劣勢に追い込んでしまうのか。ベッカム、ルーニーなど、キーマンの退場で大会を去ることが多かったイングランドだけに、22歳の天才アタッカーのパフォーマンスが大いに気になります。


ペップ・グアルディオラとアルテタの指導で得点力を高めたスターリング。プレミアリーグで魅せた勝負強さに期待。(PHOTO by joshjdss)

勝負は優勝候補と激突するベスト8か?

チュニジア、パナマ、ベルギーと当たるグループリーグは、間違いなく突破できるでしょう。順当に勝ち上がれば、ラウンド16の相手は、ポーランド、コロンビア、セネガル、日本が揃うグループHの1位か2位となります。首位通過なら、ベスト8でドイツと激突する可能性大。ベルギーに競り負けて2位にまわれば、ベスト8でブラジルが待っているはずです。いずれにせよ、今大会でダントツの優勝候補であるドイツ、ブラジルが待つベスト8が最大の鬼門となるでしょう。

守護神ピックフォードと、最終ラインのジョン・ストーンズ、マグワイアは大舞台の緊張感を体験したことがないのが懸念です。主将に抜擢されたハリー・ケインと、レアル・マドリードとチャンピオンズリーグファイナルを戦ったジョーダン・ヘンダーソンは、チームの精神的支柱となれるでしょうか。


リヴァプールの主将ヘンダーソンが、効果的な縦パスやサイドチェンジを繰り出すことができれば、攻撃は活性化するはず(PHOTO by John Jones)

前で奪って、一気にゴール前に殺到。マンチェスター・シティ、トッテナム、リヴァプール、チェルシーのいいとこ取りをしたようなサウスゲートのチームは、ショートカウンターがうまくはまればベスト8までは駒を進められそうです。

そこから先は、ラシュフォード、デル・アリ、ピックフォード、スターリングなど若手が楽しみなイングランド代表が、持てる力を出し切れるかに注目したいと思います。

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