CNN特派員のコイ・ワイヤー氏 来日インタビュー

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CNN特派員のコイ・ワイヤー氏 来日インタビュー

スポーティ

世界最大のニュースチャンネルCNNのスポーツキャスター、特派員として活躍するコイ・ワイヤー(Coy Wire)氏が、特別番組『True Tokyo』の撮影で9月に来日し、Sportieのインタビューに応えました。

コイ・ワイヤー氏は、かつてNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のプロ選手として9年間という長い間に渡り活躍し、バッファロー・ビルズと、アトランタ・ファルコンズでキャプテンとしてチームをリードした経験を持ちます。

祖母に日本人を持つコイ氏。今回の来日では、彼の家族のルーツを辿る旅に乗り出しました。

祖母が広島出身です。しかし母が幼い頃には亡くなっていたので、自分が日本の血筋である歴史や概念というのが途切れてしまっていました。しかし、ここ数年での日本人である母方の親戚との再会を通して、そのルーツを知ることになりました。自分のルーツに対して、そして、日本に対して、特別な感覚が生まれてきています。


『True Tokyo』では、食やアートといった日本の文化的な側面はもちろん、相撲の歴史を紹介しながら新日本プロレスを取り上げたり、eスポーツの空手と実際の武道としての空手を取材したりしました。


photo by CNN

今回のインタビューでは、コイ氏が見た日本の部活動の姿や、2020年に開催されるオリンピックに向けて期待することなどを中心に話を聞きました。

心ひとつにスポーツに打ち込む姿が印象的

ーー高校の野球部の練習を視察したそうですね。アメリカと比べて日本特有の様子はありましたか。

日大豊山高校の野球部の練習を見学しました。非常に熱心に練習している姿に感心しました。学生がみんな髪型を坊主にしているのを不思議に思って、コーチに理由を聞いたところ「同じユニフォームを着て、同じ髪型にすることで、みんなでひとつの目標に向かって気持ちをひとつにする意味がある」と教えてもらいました。仲間や周りへの敬意を持ちながら、一体となってスポーツに打ち込んでいる姿は、特に日本で素晴らしいと感じたところです。
また、別で老人がマレットゴルフをしているのも見ました。お互いに敬意を表してプレーしている姿は、素晴らしいものでした。姿は違っても心をひとつにしているというのがとてもよく感じられました。

ーー確かに日本では、団結という考えを強くもってスポーツにも取り組んでいるように思います。

志を同じくして練習に邁進している姿はパワフルでした。日本は、人口を比較してもアメリカや中国には及ばない小さな国でありながら、大きく経済発展して来た歴史を見ても、勤勉である国民性が見えますが、部活動の視察を通して、そういったことも考えました。

私は、NFLでの選手生命は平均3年でありながら9年間プレーを続けることができました。人より体が大きかったわけでも、足が速かったわけでもありませんが、チャンスを掴むための準備を熱心に取り組んだということが理由に他なりません。自分の姿と重ね合わせて、日本の学生たちの熱心さにはとても感心しました。

問題は、改善するための良いきっかけ

野球部やマレットゴルフの練習を見学し、そこに日本らしい精神が息づいていることを見つけ、話してくれたコイ氏。ここからは最近国内で報道されることの多い、スポーツ界や部活動での問題についてコイ氏の見解を聞きました。

ーー 一方で日本の部活動では、行き過ぎた指導や厳しい規律などが問題になることもあります。

若い世代にとってメンターシップ、リーダーシップは必要だと考えています。家の外でのメンターシップは、コーチが担っている部分でもあります。アメリカでもコーチに従わないことで試合に出られなかったり、チームから外されることもあるので似ている点もあります。ただ、野球部の練習を見て、日本での「規律」の考え方は、アメリカよりも高い基準だとも感じました。


ニューイングランド・ペイトリオッツ(NFL)のビル・ベリチックHCは、軍隊式の厳しい規律をもって、チームを優勝に導きました。厳しい規律による統率の結果で勝利を掴んだ例も多くあります。選手が妄信的になってしまうのは良くない側面もあると思いますが、精神的にも、肉体的にも自分を高めていくには必要なものでもあると考えています。

ーー最近スポーツ界の問題が多く報道がされ、あまり自国のスポーツに誇りを持てない人もいるように感じます。

報道は、何か課題や問題を多くの人が考え、そしてどのように改善していくことができるのかを検討する良いきっかけになるのではないでしょうか。NFLでも過去に起こった問題からルールを改正したりなど、改善を行って来た歴史があります。良い鉄は、一番熱い温度で叩かれて、鍛えられて出来上がります。悪い点があった時にそれをチャンスと捉え、他国の例を見て、改善していくというのも、スポーツの良い一面だと考えています。

2020年は盛大で印象的な大会に

ーーコイ氏は、オリンピックをはじめとして、数々のスポーツの世界大会を取材してきた経験から、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けてはどのような期待がありますか。

東京オリンピック・パラリンピックは盛大で、印象に残る大会になると思います。今回の来日で様々な場所で東京の人々に出会いましたが、その細部への気遣い、情熱が、東京という街を形づくっているのだと感じました。
2020年には世界中の人々がこの街に集まりますが、東京のカルチャーから学ぶことは多く、とても良い機会になるはずです。

今回の来日の様子を収めた特別番組『True Tokyo』は、2部制となっており、第2部では、10月27日(土)〜31日(水)に、東京のスポーツ文化に見られる競争魂、そして、若きアスリートたちのスポーツへの熱意を探ります。コイ・ワイヤー氏が見た日本の姿をぜひ、ご覧ください。

インタビュー:萩原拓也
文章・編集:五十嵐万智
写真:郷原麻衣


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