ジェフL 千野晶子が語る仕事とサッカーの両立

ジェフL 千野晶子が語る仕事とサッカーの両立 WATCH

ジェフL 千野晶子が語る仕事とサッカーの両立

スポーティ

“仕事とサッカーの両立”をテーマにしたこの企画では、ジェフユナイテッド市原・千葉レディース(以下:ジェフL)の選手にスポットを当てるこの企画。第6弾は、千野晶子選手(28)に登場をしてもらいました。

先輩の背中を見てきたことで、仕事の大切さや夢を追いかけて一生懸命にプレーをすることで恩返しをしたい千野選手。今シーズンは、サイドバックからセンターバックへとポジションを変えて奮闘をしてきました。

ただ、リーグ戦は、昨シーズンより1つ順位を上げ6位でのフィニッシュ。上位進出のチャンスを取りこぼしただけに悔しい後半戦となりました。この思いを今シーズン、残されたタイトルである皇后杯に向けて爆発させる覚悟です。

夢を追う姿を応援してくれる環境

ーー現在の仕事の内容、そして1日の予定や1週間の流れを教えてください。

三井住友海上あいおい生命保険株式会社新契約部新契約業務グループに在籍しています。仕事の内容としては、お客さまにご契約いただくにあたっての規定を決めたり、成立したご契約の確認、部内研修の実施など多岐に渡っています。週に2日出勤し、午前10時から午後2時まで働いています。その他の日は、トレーニングジムに行ってコンディションを上げること、体のケアに時間を使っています。

ーー社会人として、今、何年目になるのですか?

8年目になります。今の会社が6年目、その前には保育士として2年間ほど働いていました。幼い頃からの夢は、保育士さんでしたが、よりサッカーに集中できる環境である現在の会社に入社できたことに感謝をしています。

会社の上司、同僚からの理解についてはどう感じていますか?

社会人として働くことは、当たり前だと思っていますし、競技と仕事を両立できているのは、会社の支えがあるからこそですので、会社には常に感謝の気持ちを抱いています。自分が勤務時間内にできない仕事は、グループの同僚がフォローをしてくれています。練習や試合の時にも「いってらっしゃい」、「頑張ってね」と声をかけてくれます。また、グループミーティングでは、上司が試合の結果について同僚の前で話してくれます。社内には情報を発信する媒体があり、毎試合の結果と次の試合が案内されます。ホームの試合には、職場をはじめ本社の社員の皆さん、遠方でもその地域の支社の方が応援に足を運んでくれています。

年に1度は、グループ会社統一の応援デーが開催され、約500人ものグループ社員の方々がスタジアムに応援に駆け付けてくれています。スポーツとは誰かが一生懸命にプレーする姿を見て応援したいと思うもので、だから私は、仕事もサッカーも両方全力で取り組み、応援をされる選手になりたいと思っています。私が在籍する会社に関しては、チームOGである清水由香さんと河村真理子さんの存在が非常に大きいです。この二人が社内でも競技でも真摯に取り組んできたことで、会社として「一生懸命に挑戦を続ける姿を応援したい」とスポンサーになったり、私たちがサッカーに打ち込めるような環境を整えてくれたと思っています。今の若い選手には、スポンサーの下で働けることが当たり前だと思って欲しくありませんし、与えられた環境の中で頑張って欲しいと思っています。

ーーオフの日はどんなことをしているのですか?

基本、午前中はトレーニング、午後は愛犬と過ごすことが多いですね。ほぼ犬中心です(笑)

ーーピッチを離れればファッションや美容にも気を使っていますか。

それはもちろん(笑)。ピッチの中とのギャップもいいかなと。女子サッカーを応援してくれるための要因になるとも感じます(笑)。ファッションは、ネットを見て流行をチェックします。ネイルもネットで色々なデザインを参考にして自分で塗っています。それこそオフの日には引きこもってネイルを塗っています(笑)。最近までは、何をするにせよ、すっぴんだったんですけど、最近はどこに出会いがあるか分からないので、ちゃんと身だしなみ、女子力を高めようと思っているのでお化粧はしっかりとしています(笑)。

ーーでは、仕事とサッカーの両立について、苦労している点、充実している点を教えてください。

苦労している点はありません。会社の人が見に来てくれたり、試合について声をかけてくれたり、仕事をしっかりしていないと応援をしてくれないと思うんです。仕事のときは全力で、サッカーの時も全力を出すことで応援しようとする人が増える。それを意識しているからこそ充実感を得られていると感じます。

今の自分を超えたい

ーー2018シーズンが終了し、ジェフLは6位でリーグ戦をフィニッシュをしました。今シーズンを振り返るとどんなシーズンだったのでしょうか?

個人としてはサイドバックからセンターバックにコンバートをしました。慣れていないポジションで戸惑いもあり模索をしながらの前半戦でした。(センターバックの醍醐味は)最終ラインから全体を指示しボールを取れること。予測でボールを取れた時などは嬉しいですね。しかし後半戦からは自分の強みを見つけたことや、センターバックとしてのプレーが明確になったことで自信をもってプレーが出来るようになりました。前半戦と後半戦では気持ちと自信も違うモノとなりました。

ーーチームとしては守備面がバージョンアップされたように思うのですが?

守備が固くなった分、攻撃に人数をかけることが出来なかった部分もあります。前線が守備を助けてくれている分、私たち守備陣が引っ張りすぎて、攻撃に力をかけられなかった。もっとディフェンスラインが自信を持って“最悪4枚でも守れるぞ”という体制で、“前線に攻撃していいんだよ”という姿勢をチームとして伝えられていれば、もう少し攻撃に時間を作ることが出来たと考えています。

ーー実際に感じている手応えの部分についてを教えてください。

ディフェンスラインが整ってきたこと、オフサイドも意図して狙えたこと、ズルズルと下がる部分もありましたが、ラインを高く保ち、お互いをカバーしてプレーを進められました。ただ相手の必死さに追い込まれて自分たちがミスをして追いつかれ試合も多かったことも事実です。それを跳ね返すパワーが足りず、全体を締めることも出来ないことが課題となりました。

ーー今シーズンのベストゲームはありますか?

第3節と第10節の浦和レッドダイヤモンズレディース戦です。センターバックとして意識したプレーが出来ました。

ーー今シーズンはセンターバックの得点力が大きな武器となっていますね。

自分たちは前線の選手に守備で助けられている分、セットプレーの時にはチームの力になりたい気持ちが大きいです。監督もどのポジションからでも得点を取ることを口にしているので意識をしていいます。

ーーもっと伸ばして行きたいのは?

キックの精度とビルドアップの精度を伸ばしたいです。攻撃は後ろからスタートをするのでもっと良い攻撃が出来るようにしたいですね。

ーーここから皇后杯がスタートしますが、意気込みを教えてください。

優勝を目指す中で、リーグ戦での課題を修正し、自分たちはチャレンジャーとして1戦1戦目の前の試合を戦わないと負けてしまいます。メンタルの弱さを克服しながら元旦決勝戦を迎えたいと思います。そして前回の皇后杯では2得点を取ることが出来たので3得点を目指します。

ーー今後の目標を教えてください。

今シーズンはあと一歩の所でリーグ3位を逃してしまいました。引き分けが多く5勝8分5敗の成績でした。勝ち切る試合を増やさなければいけません。その中で、今の自分を超えたいと思います。下の年代の子からも色々と吸収したい、自分にプラスになるように幅広く意見を取り入れて実践するなどしてもっと上手くなりたいです。

ーー最後に千野晶子選手の夢を教えてください。

サッカー選手を終えたあとは、幸せな家庭を築くことですかね(笑)。











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