ジェフL 瀬戸口梢が語る仕事とサッカーの両立

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ジェフL 瀬戸口梢が語る仕事とサッカーの両立

スポーティ

“仕事とサッカーの両立”をテーマにしたこの企画では、ジェフユナイテッド市原・千葉レディース(以下:ジェフL)の選手にスポットを当てるこの企画。第8弾は、瀬戸口梢選手(27)に登場をしてもらいました。

社会人として6年目となる瀬戸口選手。仕事に熱意をもって打ち込み、キャリアを磨きながら充実した日々を送る一方で、ジェフLの中心選手として、攻守両面でけん引者の一人として期待をされています。何事にも前向きに取り組む瀬戸口選手に仕事と競技の両立についての話を聞きました。

手厚いサポートに感謝

ーー現在の仕事の内容、そして1日の予定や1週間の流れを教えてください

三井住友海上プライマリー生命保険株式会社に勤務をしており、その中で私は週3日勤務で午前10時から午後3時まで働かせてもらっています。主な仕事は会社で作っているノベルティグッズの作成や管理の担当です。リーダーの方の指示を受け、任された業務は短時間で終わらせることを意識しています。また、会社に入って保険についての勉強をする時間を作っていただき、保険業務に必要な基礎科目、専門科目の試験を受け業務に携わる知識を得ることも出来ました。この他にも色々な面で学ばせていただいています。

ーー仕事を通して、どんなことに喜びを感じていますか?

会社の方に「仕事が早いね、正確だね」と言ってもらえると嬉しいです。中々、会社に貢献できることが少ないのでもっと頑張りたいと思っています。

ーー会社の上司や同僚の理解についてはどう感じていますか?

手厚いサポートをしていただいているので、ありがたすぎるほどです。会社の皆さんがサッカーに集中できる環境を作ってくれていますし、試合に勝利した翌日、会社に出社をすると「おめでとう」と声をかけてくれます。負けた時は申し訳ない気持ちなのですが…。また、コミュケーションツールとして、私が所属する部署に次節の試合案内や毎節ごとの結果を流したりもしています。皆さんが実際にスタジアムにも足を運んでくれていますし、本当に良いところで働かせてもらっていると実感をしています。

ーーオンとオフの切り替えも大事だと思いますが、オフはどのように過ごしていますか?

基本は家の掃除をしたり、買い物に出たり、携帯を見たり、録画したテレビ番組を見ていますね。

ーーでは瀬戸口選手の具体的な趣味を教えてください。

そうですね、ドラマ鑑賞ですかね。今のクールでは「あなたの番です」や「ラジエーションハウス」が特に面白いですね(笑)。

ーーファッション、美容などで一番興味があるものはどれですか?

それぞれ興味がありますが、基本はラフな格好が好きなので、洋服はTシャツが好きです。美容というか、私は髪の毛の量が多いのですっきりしていたいなと。マメに美容院には行きます。チームメイトの若林(美里)選手が、前髪を上げていたことを褒めてくれたので、それを真に受けて、今は上げています(笑)。

ーー食事面で気を付けていることはありますか?

基本的に自分で朝食を作り、お弁当を作って、会社に持参しています。生野菜を食べることが得意ではないので、スーブやおかずの中に野菜を多く取り入れるようにしています。夏バテをしないようにしっかり食べていますが、サプリメントでビタミンを摂取したり、管理栄養士の方にも相談などをしてもらい体調を整えています。

ーーご自身の得意料理はありますか?

凝った料理はできませんが、携帯アプリを参考にしながら作ることが多いですね。最近、パスタは、ソース作りからします。ただ卵焼きが苦手です。上手く巻けません、層が出来ないんです(笑)。今シーズン中に上手く作れるようにしたいですね。

ーーでは、仕事とサッカーの両立について、充実している点を教えてください。

私は、良い環境の中で働かせてもらっています。社会に出て勉強が出来ている点は大きなプラスです。何も知らずに社会に出て、生活ができる訳ではないと感じていて、一人の大人として、仕事ができることに充実感を得ています。会社の方に応援していただけ、こうしてサッカーに集中できる環境にいられることをありがたく感じています。

1試合も無駄にしない


ーーリーグ前半戦は5位(4勝3分2敗)、首位チームとは勝点3差です。チームとして、個人として振り返ってください。

今シーズンは、上位陣が足踏みをしていることもあり、混戦状態となっています。ただ女子サッカーのレベル、なでしこリーグのレベルが上がっていることも確かです。他チームも4連覇を狙う日テレ・ベレーザの独走を止めようと思う気持ちは強いと感じます。その中、ジェフLは首位と3差ですが、自分たちも快進撃を続けている訳ではなく、自分のチームを見たら、不甲斐ない部分の方が正直多いとも感じています。そのなか、手応えとしては流れの中でのディフェンスで、チームとして最後まで諦めず粘り強さを出せています。自分たちがやれることをもっと増やして行くこと重要で、逆説的に言えば、ここで課題がたくさん出た方が上に行けると考えているので試合で出た課題を修正し、それを重ねて行くことが大事だと思っています。

個人的には、セットプレーでのキック精度を課題としています。ピッチの中の状況もありますが、ここまでセットプレーで得点が取れないのは、キッカーとして自分の力が足りていない…。ドローで終えた試合や負けてしまった試合を振り返ってみても、セットプレーでのチャンスが多く、そこで1点でも決まっていれば首位の座を確保していたかもしれません。味方が飛び込みやすいように、競り合いを避けるように、良いところに落とせるように、迫力を出すことを前提としながら、チームが良い方向に進むためにトレーニングに励んで行きたいと思っています。

ーーリーグカップ1部では苦戦が続いていますが、どのように分析をしていますか?

相手チームがメンバーを落としているにも関わらず、負けるというのは不甲斐ないです。あらためて気持ちの部分なのかと。自分たちはチャレンジャーなのですが追い込みすぎてプレッシャーを感じてしまっているかもしれません。早く悪い流れを切りたいですね。

ーーボランチとして意識するのはどんなプレーですか?

ボールを縦に刺すことです。自分の好きなプレーでもあって1.5列目にボールを送ったり相手のギャップにパスを通すことです。あとは頑張ること。スライドする距離や多さはどのチームの中盤にも負けていないと感じています。今は自分が軸というか、味方に走り切ることを見せなければいけないと感じています。

ーー2ボランチでは、瀬戸口選手を軸に、西川彩華選手、曽根七海選手とコンビを組んでいますね?

それぞれに持ち味や得意なプレーがあります。西川選手の推進力を生かす場面では、私はバランスを取ることに注力します。上手く縦関係になれば、得点への形ができやすい実感があります。ボランチ同士のパス交換を増やすこと、お互いが攻撃に関わる回数を増やして行きたいです。曽根選手と組んだ場合は、私の方が経験もありますし、引っ張ること、サポートをしてあげたい思いが強いですね。

ーーさらに攻撃面を改善して行くためのイメージを教えてください。

取ったボールを失うことが一番の問題です。サポートや守備の仕方を修正する。狭い場所で守備をしてボールを奪い、そこから広げて行く作業は難しい面もありますが、意識してやって行く必要があります。相手の裏が狙えない時に、どこかで起点を作るなどのバリエーションを厚くする術をもつことが大事だと考えます。

ーー藤井奈々監督になって変化した部分はどういったところですか?

個の判断を上げることを求めています。チームとしては、守備でのスライドや距離感、コンパクトさ、攻撃面では裏を使った動き出しや崩しなど、自分たちの得意である部分を突き詰めていく指導をしてくれます。

ーーチーム内の立ち位置はどう感じていますか?

ベテランですけどね。若手選手も同じ年代のように見てきますね。結構、いじられてバカにされます。筑波時代は怖がられていたんですけどね(笑)。

ーー瀬戸口選手がサッカーを始めたきっかけを教えてください。

8歳の時に親の転勤があり、「何か好きなことをやっていいよ」と言われサッカーを始めて、そこからはサッカーひと筋ですね。中学生の頃は男子のクラブチームでプレーし、高校生の時は女子サッカー部(鳳凰高校)に入り、鍛えられました。人間的にもサッカー選手としても多くのことを学ばせてもらい、現在の自分が形成できた場所でした。そして筑波大学に進んだ先輩が教育実習で来校し、そこで「(筑波で)学べることは絶対にある」と言われて魅力を感じましたし、高校時代の先生が、鳳凰高校から筑波大学に進学をした筏井りさ選手(さいたまSAICOLO所属)を絶賛をしていて、“一緒にプレーをしてみたい”と思ったこともきっかけで受験をしました。大学4年間は、良い時期、難しい時期もありましたが、ボランチとしての立ち位置や戦い方、サッカーを楽しむことを教えてもらいました。

ーー憧れや目標にする選手はいますか?

デ・ブルイネ選手(ベルギー代表)です。ゴールを取ることも必要ですが、スルーパスを出したり決定的なパスを出したり、アシストをするプレーが好きです。そういう選手になりたいですね。

ーー後半戦に向けての意気込みを教えてください。

カップ戦はここから全勝できるように、1つでも上を目指して行きます。リーグ戦では首位とは勝点3差。最後まで食らいつきリーグ3位以内は絶対に食い込みたいですし本気で狙っています。1試合も無駄にせず取りこぼさないこと。これを目標にします。