奇跡の57歳!桁違いのトレーニング量と型破りの食生活から生み出される驚異の身体能力。三浦傑選手インタビュー。

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奇跡の57歳!桁違いのトレーニング量と型破りの食生活から生み出される驚異の身体能力。三浦傑選手インタビュー。

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昨年12月26日に新宿FACEで開催されたベストボディ・ジャパンプロレス第3戦(イベントの様子はこちら)で、ゴージャス松野選手とタッグを組み登場した三浦傑選手。日本最大のフィジークコンテストとして知られるベストボディ・ジャパンで数々の入賞歴を持ち、さらには柔術のマスター部門日本一、クロスフィットでもアジア1位など、異なるフィールドで活躍するマルチ・アスリートでもあります。

現在57歳とは信じられない肉体美と身体能力を兼ね備えた三浦選手。その秘密に探りました。

メイン写真:三浦傑選手(中央)

1年間に4種類の競技で15大会に出場!

三浦選手は、驚くほどのペースで大会や試合に出場しています。さらに特筆すべきなのは、毎回のように異なる競技に出場していることです。2018年に出場した大会はなんと15回。その内訳は、クロスフィットが1回、柔術の大会が9回、フィジークのコンテストが3回、そしてプロレスが2回です。

2018年の戦績を時系列に並べると、以下になります。
*()内は主な結果

2月
 クロスフィット:クロスフィット・オープン
3月
 柔術:東京インターナショナルオーブン (白帯マスター2ライト級2位)
4月
 柔術:第2回東日本マスター柔術選手権 (白帯マスター5無差別級 優勝)
6月
 柔術:第6回東日本柔術選手権 (白帯マスター5無差別級 優勝)
7月
 柔術:イサミ-リバーサル 柔術サマーカップ (白帯マスター3無差別級 優勝)
 フィジーク:ベストボディジャパン東京大会 (優勝、4連覇)
8月
 プロレス:ベストボディジャパンプロレス旗揚戦 
 フィジーク:ベストボディジャパン横浜大会 (優勝、3連覇)
9月
 柔術:アジア大会柔術チャンピオンシップ (白帯マスター2ミドル級2位)
10月
 柔術:ヒカルド・デラヒーバカップ(白帯マスター6 無差別級 優勝)
11月
 柔術:第1回全日本柔術マスター選手権 (白帯マスター4 無差別級 優勝)
 フィジーク:ベストボディジャパン日本大会 (ファイナリスト)
12月
 柔術:第1回パンクラス柔術カップ (白帯マスター5無差別級 優勝)
 プロレス:ベストボディジャパンプロレス第3戦
 柔術:ライジン柔術オープントーナメント (白帯マスター3無差別級 優勝)

ほぼ毎月のように大会に出ています。三浦選手は、プロのアスリートではありません。プロレスを除いて、出場する大会は年齢別で競うものが多く、その中で、所謂マスター部門やシニア部門を主戦場にしています。そうであっても、三浦選手の過密な競技スケジュールとバラエティの豊富さには目をみはるものがあります。

柔術の場合は、現在57歳の三浦選手が本来出場するべき年代のクラスに相手がいないことが多く、30代や40代のクラスに出場することがほとんどです。年下の相手であるにもかかわらず、好成績を残し続けるのは、並大抵な努力ではないと思われるのですが、その三浦選手のモチベーションを探ると、男なら誰でも抱く強さへの憧れがバックボーンにありました。


勝ち名乗りを挙げる三浦選手。

バックグラウンドは強さへの憧れ

小さな子供の頃から、プロレスを見るのが好きでした。強さへの憧れを抱いたのはそれが初めてだと思います。その後、成長するにつれて、その憧れがますます高まって、あるとあらゆるトップアスリートや格闘技の書籍を購入し読みあさりましたね。『空手バカ一代』には特にはまりました。

昭和期に少年時代を送った人なら、プロレスや『空手バカ一代』に影響を受けることはさほど珍しいことではありません。しかしながら、単なる憧れで終わらず、実際に格闘技を始める少年の数となると多くはなくなるのですが、三浦選手はその少数派の1人でした。

中学から柔道をやりましたが、県大会止まりでしたね。 高校卒業後は、憧れの『極真会館』本部に入門して、茶帯を取得しましたが、数年で退館しました。


プロレスのリングで三角締めを仕掛ける三浦選手

若い頃の格闘技経験を通過した後、三浦選手はオートバイレース、テニス、ゴルフ、ボルダリング、トランポリン、モーグル、サーフィン、スノーボード、フリーダイビングなど様々なレクリエーション・スポーツを経験したそうです。

元々、運動能力に優れていたのでしょう。何をやっても上手くこなしてしまう器用な人は、かえって何もかもが中途半端に終わってしまうことが多いのですが、三浦選手はそうではありませんでした。

クロスフィットとの出会い

40歳を過ぎてから、柔道マスターズ日本1という新たな目標を立て、本格的なトレーニングを開始しました。ベンチプレス185キロを達成するなど、三浦選手は一般的なパワー系種目にも秀でていますが、それよりむしろクイックリフト系などのファンクショナル・トレーニングに重きを置いています。その傾向は2010年にクロスフィットと出会ったことで、さらに大きくなりました。

2013年の51歳からクロスフィット・オープンに6年連続で挑戦しています。2016年にはマスター部門でアジアランキング1位にもなりました。初出場したベストボディジャパンでも4位になった事で自分のトレーニングに自信を持ちました。

クロスフィットは、心肺持久力、スタミナ、筋力、 柔軟性、パワー、スピード、連動性、俊敏性、バランス、正確性といった様々な身体能力を満遍なく向上させることを目的にしています。フィジークでは見せる身体、柔術では動ける身体を求められる三浦選手には、クロスフィットはまさに最適なトレーニング方法でした。

さらに三浦選手は、クロスフィットのジムに通いながら、それをベースに編み出した独自のトレーニング・メニューを工夫して行っています。一つ例を挙げると、バランスボールに乗った状態で行うケトルベル・スイング。ボディバランスとパワーを同時に鍛えることが出来ますが、普通の人はボールから落ちないだけで精一杯です。三浦選手の凄みはこうした極めて難易度の高いトレーニングを行い、さらに「肩を故障しているのでリハビリ中」とさらっと言いのけることです。

食生活でも常識破り

三浦選手はフィジーク・コンテスト前には体をぎりぎりまで絞り、プロレスの試合前には逆に体を大きくします。柔術では爆発的なパワーとスタミナを要求されます。さぞ厳格な計算を基にした食生活を送っているのではと想像してしまうのですが、三浦選手はここでも常識にはかかりません。

三浦選手はたびたび食事風景をSNSに投稿しますが、そこで見られるのは常人の数倍とも思われるような量と殆ど無制限とも思われる種類の食べ物です。スイーツ好きでも知られ、流行の糖質制限も三浦選手には無縁です。大量に摂取したカロリーを、それを上回る過酷なトレーニングで消費するのが、三浦選手流の体つくりの基本方針のようです。

三浦選手にとって2018年は、飛躍の年になりました。柔術のマスター部門で日本一になる目標を達成。さらには子供の頃からの憧れだったプロレスラー・デビューをも果たしました。2019年もまた多くの大会が控えていますが、1月中はゆっくり休めるかなと笑う三浦選手。年齢を超越したその姿は私達に勇気を与えてくれます。

クロスフィット プロレス ベストボディ・ジャパン 柔術