旅行ついでに行くならどこ?在ロンドン・在プレミアリーグのスタジアム。
WATCH旅行ついでに行くならどこ?在ロンドン・在プレミアリーグのスタジアム。
ヨーロッパに旅行するなら、一度は現地のサッカースタジアムを訪ね、できれば観戦してみたい。そんなスポーツ好きにとってロンドンはとても恵まれた旅先です。
2018/2019シーズン現在、6つのクラブがプレミアリーグに在籍し、スタジアムの特性や周辺環境、チケットの取りやすさまで選択肢はさまざま。そんなロンドンのスタジアムの特徴や魅力ををご紹介してみたいと思います。
スタジアムガイド
①エミレーツスタジアム(アーセナル)
最寄り駅までのアクセスは、ターミナル駅であるキングズクロス駅(ユーロスターの発着駅とまとめて「キングズクロス&セントパンクラス駅」とも呼ばれる)から地下鉄で15分程度。アーセナル駅、ホロウェイロード駅、ドレイトンパーク駅からはそれぞれ徒歩約5分程度、ほかにフィンズベリーパーク駅やハイベリー&イズリントン駅も徒歩圏内とアクセスに恵まれています。
スタジアムの東側は静かな住宅街。旧アーセナルの本拠地であるハイベリースタジアム跡地(現在はマンション)には一部当時のスタンド外壁が残っていて、住宅の合間にスタジアムが溶け込む昔ながらの風景が楽しめます。西側のホロウェイロード側はスーパーや飲食店の並ぶ大通りに近く、食事や買い物にも苦労しません。マッチデーのスタジアム周辺には飲食、グッズなどの露店もそれなりに出てにぎやかです。
正規チケットは有料会員から順に販売され、非会員向けの一般発売にまで回ってこないことが多いですが、スタジアム自体のキャパシティが大きいこともあり、「レッドメンバー」という一般有料会員になればたいていはチケットが取れます。
アクセス ★★★★★
主要駅×地下鉄の好アクセス。駅からも近い。街歩き・雰囲気 ★★★★
近隣に買物、食事スポットもあり便利。チケット取りやすさ ★★★
有料会員になればだいたい取れる。おすすめ度 ★★★★★
行きやすく雰囲気もよし。ロンドンで1カ所行くならおすすめ
②クレイヴンコテージ(フラム)
イングランド・フットボールの名建築として名高いスタジアム。ピッチの周りをスタンドが直線的に取り囲むスクエアな形状で、客席とピッチが近いいかにもイングランドらしいつくり。座席が木でできているなどクラシックなディテールを残しているのも魅力です。
周辺は上品で落ち着いた雰囲気の住宅街。街並みにレンガ造りの外壁が馴染む、いかにもイングランドらしい眺めが楽しめます。テムズ川沿いに位置していて、川の反対側から眺める姿(写真)にも風情あり。最寄り駅からは徒歩15分ほどとやや距離がありますが、公園を抜けていくルートなので散歩気分で歩くのがよさそう。
ただし、スタジアム周辺には商店などはほとんどないので買物などは先に済ませておくのがおすすめです。チケットは、有料会員にならなくても、一般販売で取れる場合が多いです。
ちなみに、テムズ川沿いの立地を生かし、イギリスに春を告げる伝統行事、「ザ・ボート・レース」(オックスフォード大学とケンブリッジ大学によるレガッタレース)の観戦券も発売されます。
アクセス ★★★★
地下鉄駅からはやや距離あり。街歩き・雰囲気 ★★★
街もハコも、イングランドらしさは抜群。チケット取りやすさ ★★★★
比較的取りやすい。おすすめ度 ★★★★
古き良きイングランド・フットボールらしさを味わうには最高。
③スタンフォードブリッジ(チェルシー)
「チェルシー地区」といえばロンドンでも有数の高級住宅街。スタジアム周辺もレンガ造りに白い窓枠の家並みが美しく、お洒落なカフェやオーガニックスーパーなど、行き帰りの寄り道が楽しくなるスポットもたくさんあります。
最寄り駅はフラム・ブロードウェイ駅。駅ビル内にショッピング施設やレストラン、映画館なども入った機能的なつくりで(ロンドン中心部にはあまりないタイプ)、そこから2分も歩くとスタジアムの最寄りゲートが見えてくるというアクセスのよさも魅力です。
設備はクラシックなイングランドスタイルですが、造りが古いだけに一部には見切れ席も。キャパシティが4万少々と有力クラブにしては小さいこともあってか、ビッグマッチの公式チケットは有料メンバーにならないと取れませんが、その有料メンバーへの入会期間がシーズン前半のみ。
シーズン後半だとメンバーになること自体ができないため、旅行者にとってチケット確保は難易度高めかもしれません。ただ最近は、リバプールやユナイテッド、在ロンドンクラブとのダービーマッチ以外は、有料会員でなくても取れる試合も出てきているようです。
アクセス ★★★★★
ロンドン中心部にも近く、駅からも至近。街歩き・雰囲気 ★★★★★
お洒落エリアで街歩きにも最適。チケット取りやすさ ★★
狙い目は一般販売で買える試合。おすすめ度 ★★★★
旅行者ならスタジアムツアー&周辺散策だけでも楽しめそう。
④セルハーストパーク(クリスタルパレス)
最大の特徴は「鷹」と「チアリーダー」。「イーグルス」の愛称を持つクラブだけに、試合前やハーフタイムに本物の鷹を飛ばすパフォーマンスが見どころです。ハーフタイムにチアリーダーがショーで盛り上げる様子はどこかアメリカンスポーツ的で、ハーフタイムにあまり気を遣わないプレミアリーグの中では異色です。
スタンドからはイングランドらしい自然発生的チャントも聞こえますが、バックスタンドに太鼓を叩いてリードする一団がいるのも、イングランドとしてはやや珍しいスタイルです。
スタジアム形状は、ピッチとスタンドの距離の近くイングランド的ですが、バックスタンドは、屋根の先端にカメラ席が設けられ、後方からの視界が遮られるので、観戦するなら可能な限り前方席を押さえたいところ。周辺が傾斜地になっていて、入り口によっては地下に潜るような形になるのが面白く、大通りと住宅街の間にあって大きな駐車場を備えるなど、ロンドンとはいえ地方都市的ムードも漂います。
最寄駅からはいずれも徒歩10分程度。旅行者の利用が多そうなセルハースト駅やソーントン・ヒース駅へはヴィクトリア駅からのアクセスになりますが、ヴィクトリア駅はホームが多く迷いやすいので、時間に余裕を持って行動するのがおすすめです。
チケットは、人気カードとそうでないカードの抱き合わせ販売など、旅行者には買いづらいシステムも一部あるものの、標準的な試合なら一般販売で購入可能。数年前からメインスタンドの改築話も出ていて、26000席→34000席にキャパシティも増える予定です。
アクセス ★★★
ロンドン中心部からはやや離れる。街歩き・雰囲気 ★★★
郊外型の店舗と住宅が中心。駅周りにはやや商店街も。チケット取りやすさ ★★★★
試合によっては一般でも確保できそう。おすすめ度 ★★★
他のスタジアムとは違う演出と、郊外風の街並みが見どころ
⑤トッテナム・ホットスパー・スタジアム(トッテナム)
2017年から新スタジアム建設が始まり、それまではウェンブリースタジアムを間借りしていたトッテナム。2018/2019シーズン開幕には完成予定だったのが、延期に次ぐ延期で、シーズン終盤になってようやくお披露目と決まりました(2019年3月現在)。
最寄り駅はオーバーグラウンドのホワイトハートレーン駅、またはナショナルレイルのノーザンバーランド駅で、地下鉄の最寄りは徒歩15分ほどかかるセブンシスターズ駅。エミレーツスタジアムに近いフィンズベリーパーク駅からわずか1駅ながら、雰囲気はまるで別なのが面白いところです。以前は周辺には商店なども少なくやや寂しい雰囲気でしたが、新スタジアムオープンでどう変わるかが楽しみです。
新スタジアムは、ビール醸造所やベーカリーが併設されていたり展望台があったりと、今までのイングランドのスタジアムでは考えられなかったエンタテインメント寄りのつくり。併設ショップもぐっと立派になり、年2試合開催されるNFLのグッズも販売されています。さらに売店はフルキャッシュレス(現金取り扱い不可)。多くの点でこれまでのイングランドのスタジアムとは全く違う新しさが気になるところです。
(写真は2016/2017シーズン、ノースロンドンダービーの日のスタジアム周辺の様子)
アクセス ★★★
最寄り駅は路線がやや不便。街歩き・雰囲気 ★★
新スタジアムを含めた再開発後の雰囲気に期待。チケット取りやすさ ※
新スタジアムのため評価なし。おすすめ度 ★★★★
プレミアのイメージを変える新しさ。最先端を体験できそう!
⑥ロンドンスタジアム(ウエストハム)
2012年ロンドンオリンピックのメインスタジアムを、ウエストハムが借り受けて本拠地に。オリンピック用だったスタジアムだけにすべてが立派で現代的です。敷地内にはちょっとしたアトラクションやレストランもあり、ゲート内の売店も数が多く買い物は快適。併設のスタジアムショップも大型かつ品揃え豊富でお土産に困らず、ショップ地下にあるカフェのコーヒーも美味しいです。
スタジアム設備自体もモダンで、両ゴール裏にある特大のビジョンは他スタジアムとは一線を隠す立派なもの。ただし、もともと陸上競技会場だったため、ピッチとスタンドに距離があるのは難点。可動式の座席を中央に寄せてトラック部分を埋めているものの、センターライン周辺やゴール裏中央部分は他の専用スタジアムと比べると遠く感じられます。
一帯はオリンピックをきっかけに再開発された地区のため、ややロンドン中心部からは離れていて、周辺環境も「ロンドンらしい」というよりはビッグイベント会場の雰囲気。最寄駅からは徒歩20分ほどかかり、試合後はブロックごとに退場を待たされたり、交差点で止められるなど交通整理もあります。プレミアリーグというより代表戦の雰囲気に近いかもしれません。キャパシティが大きいこともあり、チケットが一般販売でも確保しやすいのはメリットです。
アクセス ★★
駅からの距離は少々遠い。街歩き・雰囲気 ★★
再開発地区のため「ロンドンらしさ」は薄め。チケット取りやすさ ★★★★★
キャパシティ豊富なこともあり確保しやすい。おすすめ度 ★★★★
スケールの大きさと快適さは魅力。チケットも取りやすい。
聞いたことのあるスタジアム、知らないスタジアム様々あったと思いますが、百聞は一見に如かずという言葉があるように、現地に行き実際に体験するとまた違うスタジアムの魅力、サッカーの良さ、それぞれの地域の文化を肌で感じられる良い時間が持てると思います。
皆さんもこちらを参考に、是非足を運んでみてください。