「えぇスタジアムができてホンマに嬉しいわ」 セレッソ大阪サポが見たサンガスタジアムこけら落としの1日

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「えぇスタジアムができてホンマに嬉しいわ」 セレッソ大阪サポが見たサンガスタジアムこけら落としの1日

スポーティ

2月8日の日曜日。京都府亀岡市に新しく建設された「サンガスタジアムby京セラ」のこけら落としとなるサッカーの試合が行われました。サンガスタジアムを本拠地とするサッカーJ2・京都サンガと大阪市が本拠の同J1・セレッソ大阪のプレシーズンマッチ(練習試合)です。

当日はみぞれ舞い降る寒い一日でしたが、多くのファンが新しいスタジアムにワクワクしながら観戦しました。アウェイチーム(本拠チームと対戦する)のサポーターとして観戦したマサルさんが当日の様子を振り返ります。

JRの移動はスムーズで快適

14時開始の試合に向け、大阪の家を朝早くに出たというマサルさん。スタジアムまでの乗り継ぎはスムーズだったと語ります。

9時45分のJR大阪駅発の電車に乗って、JR京都駅に着いたんは10時14分。JRも京都駅でちゃんと亀岡行きの電車に誘導するガイドを出してて、乗り場までスムーズに行けましたわ。京都駅で山陰本線に乗り換えて27分かな。京都駅からの電車は増車(普段4両だがこの日は8両)と増便されていたので、京都駅で乗った時は空いていたけど、途中の駅で京都サポさんがどんどん乗り込んできたのでいっぱいになった

途中で映画村のある太秦(うずまさ)駅を通るため、アウェイサポの寄り道にどうかと話すマサルさんが亀岡駅に着いたのが10時55分頃。電車を降りると、ホームは人でいっぱいでした。

京都市より北にある亀岡市の2月は寒さが残っていました。気温はどうだったのでしょうか。

電車の車内から雪化粧の山々と入場待ちの行列がすでに見えてて、駅を出ればすぐ目の前がスタジアム。この時に雪が降ってたんやけど、むっちゃ寒かったわー。予想気温6度やったから、完全防寒してきたんやけど、関西で一番寒いスタジアムちゃうかな

迎える側のおもてなしの気持ちは強く感じたようです。マサルさんの回想を続けます。

駅とスタジアムのあいだにテントを立てた屋台があってね(京都府などが主催した京都食べ尽くしフェス)。京都の特産品を使ったグルメばかりで面白かったよ。寒いからあったかい鴨そばにしたんやけど、売店のお姉さんに聞くとこの日が一番の寒さやって。テントの中で暖を取りながら食べれるようになってて、ホンマに助かったわ

下段は臨場感、上段は見渡せながらも近くてお勧め席

スタジアムに入るまでの誘導は、列に並んでから約一時間、外を半周して入場となりました。入場直前は一度入って出てくる人(再入場の人)と重なる場面があり、まだ運営が慣れていない様子もあったとか。しかし「ボランティアらしき方々もたくさんいて、アットホーム感もあったな」とのことでした。

さて、スタジアムの印象です。これまでたくさんのスタジアムで試合をみてきたマサルさんはどう感じたのか。聞いてみましょう。

第一印象はパナスタ(パナソニックスタジアム吹田)をコンパクトにした感じかな。座った場所は2階席(下段、ピッチと同じレベル)で臨場感があったけど、3階席(上段)から観てもどこも見やすくて素晴らしかったで。上段は高さはあるけど、ピッチ(グランド)も近くて大きさもちょうど良い。パナスタの上段って、スタジアムが大きいからちょっと遠く感じるけど、サンガスタジアムはそのコンパクトさがかえって全体を見渡せながらもピッチに近くて臨場感もあるという、そういう良さがあったね。もちろん椅子にドリンクホルダーも付いてたよ

席に着いてからスタジアムを探索したマサルさんはお店の構造に特徴を見つけます。今までに見たことのない造りのお店でした。

外周コンコースをぐるっと回れるようになってて、回っていると面白いお店を見つけた。スタジアムグルメのお店が外周コンコース側と客席のある内部側と両方に注文窓口があって、どちら側からも対応できる造りになってたんよ。お店のスタッフさんはまだ慣れてなくて大変そうやったけどね(笑)

確かに両面に受け渡し窓口を配したスタジアム内のお店は見たことがありません。来場者とお店の両方に好評なら、これからできるスタジアムにこの両サイド対応のグルメ店が出来てくるかもしれません。

駅までの道のりは渋滞…駅からは良好

試合はセレッソ大阪の勝利で16時に終了しました。お互いのサポーター同士が試合後のエール交換を行っており、それらを見ながら少しゆっくりして16時30分ごろにスタジアムを出ると、駅への入場規制がかかっており、駅へと続く道に行列が出来ていました。

試合が終わった直後に、亀岡駅は入場規制していますと場内アナウンスがあって、心遣いが嬉しかったわ。スタジアムの1階にはレストスペースっぽいところがあって、将来は変わっていきそうな場所やったけど、この日は試合後もお弁当、お土産類の販売で賑わってた。駅までは渋滞したけど、電車は臨時便もあり次々に来るし、亀岡が始発になる電車もあったから、そんなに大変やった印象はなかったなあ

総合評価を聞いてみましょう。これまで行ったスタジアムと比べてサンガスタジアムをどう評価するのでしょうか。

駅からのアクセスで一番いいのは鳥栖(駅前不動産スタジアム)やったね。スタジアム自体いいのはパナスタ、埼スタやけど、間違いなくサンガスタジアムもええね! 外観に木を使ってて京都っぽさがちゃんとあるし、この日の入場者数は1万7938名やったけど、それ以上の迫力を感じたな。電車の乗り継ぎが楽やから思ったよりアクセスも悪くないし、京都駅からやったら、(昨年までの本拠の)西京極は乗り継ぐ手間もかかるから、遠方から来るアウェイサポーターさんには便利になるんちゃうかな

最後にセレッソ大阪サポーターとしても思いも聞きました。

セレサポとしては、いま改修中の桜スタジアム(仮称、旧キンチョウスタジアムを改修。21年開業予定)もサンガスタジアムと同じでサッカー専用・商業施設併設のコンセプトで作っているから、色々とイメージが膨らんできたね。サンガスタジアムは亀岡市のバックアップもあって、間違いなくこれからのサッカースタジアムのベーシックになると感じましたわ。日本のサッカーは陸上競技場ばかりやったけど、成長したサッカー文化、サポーター達が専用スタジアムを願い、クラブが自治体と一緒に動いて実現する。そうしてみんな一緒になってサッカー文化を育んでいくんやろな。産まれたばかりのサンガスタジアムやけど、訪れる度に進化していく姿を見ていくのが今から楽しみやね

サンガスタジアム建設までの経緯

サンガスタジアム建設の萌芽は02年W杯までさかのぼります。W杯の開催地を日本全国の自治体から募り、京都府南部の城陽市がサッカースタジアム建設を前提に立候補していましたが、96年の開催地選定で落選したことからサッカースタジアム建設計画もなくなります。

その後、京都サンガのメインスポンサーである京セラ創業者の稲盛和夫氏が、私財を投じてスタジアムを作る構想が京都新聞の1面トップに掲載され、話題を呼んだことがありました。

その時の建設候補地は、京都市の横大路公園(京都競馬場が近くにあります)でしたが、それも実現せず、それから紆余曲折を経て2012年に亀岡に決まり、このほど完成しました。

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