愛する馬術を日本のメジャー競技に。馬場馬術・林伸伍選手インタビュー

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愛する馬術を日本のメジャー競技に。馬場馬術・林伸伍選手インタビュー

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前回「馬術の魅力を林伸伍選手が徹底解説!Part2」、前々回の記事「馬術の魅力を林伸伍選手が徹底解説!」で、馬術の魅力や見どころを教えてくれた、林伸伍選手。

林選手自身も、過去3回の全日本馬場馬術選手権を制した実力者。東京オリンピックでの活躍が期待されています。

今回は、林伸伍選手について単独インタビュー。林選手が馬術を始めたきっかけ、今後の目標など、競技に対する熱い想いを語っていただきました。

馬術一筋なのは「馬が好きだから」。中学3年生で意識した選手の道

ーー全日本選手権覇者の林選手。競技を目指したきっかけを教えてください。

札幌の実家から車で2〜30分くらいのところに乗馬学校がありました。そこで叔母が働いていて、3歳頃からよく遊びに行っていたのがきっかけです。小学校ではサッカーをしていたのですが、馬に乗ることの方が面白いと感じて、小学校高学年ぐらいから本格的に競技を目指すようになりました。

ーー幼い頃から馬に乗っていたのですね。何が林選手を惹きつけたのですか?

馬が好きだったんです。中学からは、ほぼ毎日放課後に乗馬クラブに通っていて、週末も泊まり込みで朝から馬の世話をしていました。大学で馬術部だったときも、厩舎の上に住んでいたぐらいですから、もう馬とはずっと一緒ですね。こういう生活をしてきたから、馬の性格や状態がわかるようになったんだと思います。

ーー林選手は、馬のどんなところが特に好きなのでしょうか?

うーん、難しいですね(笑)。ずっと生活の中に馬がいたので、いない方がおかしいんです。家族のような感じです。自分の子どもみたいな。僕子どもいないですけど(笑)。

ーー大学時代に馬場馬術で日本一になりました。競技を続けることを意識したのはこの頃でしょうか?

将来は国際大会で活躍する選手になりたいという気持ちは、中学3年生のときから明確にありました。馬術一本ですごいねと言われることもあるんですが、他に何か得意なことがあったわけでもないので、ブレようがなかったですね。

日独2拠点でトレーニング。ドイツは「完璧主義」の国

ーー馬術の選手はプロフィール欄に「海外拠点」という記載があります。一流選手は皆海外拠点を持っているのでしょうか?

そうですね。どのくらい滞在するかは選手によって異なりますが、どの選手も基本的に海外に拠点があります。海外に行く目的は大きく三つあって、
一つ目は、本場のトレーニングを受けることです。国や厩舎によって考え方や練習方法が異なるのですが、自分に合うやり方のところを選びます。
二つ目は、馬を選ぶことです。日本でも馬は生産されているのですが、9割以上が競走馬なので、乗馬用の馬は絶対数が少ないんです。一方ヨーロッパでは、日本で競走馬を作る感覚で乗馬用の馬が生産されています。オリンピッククラスの競技用の馬は、海外で生産された馬がほとんどです。
三つ目は、試合に出ることです。国内よりも海外の試合の方がレベルも高いし数も多いので、そこで実績を積む必要があります。世界選手権などの大きな試合に出るために、海外での成績が必要な場合もあります。

ーー林選手はドイツを海外拠点としています。その理由は何でしょうか?

ドイツのトレーニング方法が自分に合っていたからです。国民性と関係していると思うのですが、一言でいうとドイツは「完璧主義」ですね。真面目でベーシック。日本人と考え方が合っているんじゃないかなと思います。

ーー林選手のパートナーの馬も、ドイツなのでしょうか?

実は、去年世界選手権に出た馬が引退したので、今は東京オリンピックを一緒に目指せる馬を探している状況なんです。ドイツに限らずいろんな国のいろんな馬に乗って、見つける予定です。いくら人が馬に慣れていても、馬と過ごす時間をきちんと取ることも関係性を築く上で大切です。できるだけ早く新しい馬を見つけたいですが、この記事が公開される頃には決まっているかもしれないですね。

東京オリンピックへの出場と、「馬術をメジャー競技にする」もう一つの目標

ーー林選手はtwitterで盛んに馬術の情報を発信しています。発信を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

馬術は、向こうでとてもメジャーな競技なんです。ヨーロッパの試合に出て、観客数の歴然とした差を目の当たりにしたときに、日本でもどうにかして馬術が今よりもメジャーにならないかなと思いました。影響を受けたのは、日本フェンシング協会会長の太田雄貴さんです。太田さんは選手として実績を残した上に、引退後の活動で競技環境を変えているのを見て、本当にすごいなと。マイナー競技の知名度や人気を高めるのは、簡単にできることではないけど、できないことでもないということを、太田さんは身をもって示してくれました。

ーー競技生活だけでも忙しいはずですが、何が林選手の原動力になっているのでしょうか?

それだけこの競技を愛してるんです。生まれ変わっても馬に乗りたいと思うくらいに。馬術は、何歳になってもできるので、選手であることを言い訳に競技以外の活動をしなかったら、誰も一生馬術を広めることをしないですよね(笑)。それなら僕がやろうと思ったんです。

ーー東京オリンピックを一つのきっかけに馬術の魅力を多くの人に知ってもらいたいですね。 最後に、林選手の今後の目標を教えてください。

もちろん東京オリンピックへの出場を目指しています。最終的な目標という訳ではなく、自分の長い馬術人生における、通過点の一つだと考えています。70歳くらいになっても試合に出たいですね。馬術は選手寿命も長いですし、自分の体が動くうちは馬に関わっていたいです(笑)。

選手としてはもちろん、馬術がメジャーになっていくことにも貢献していきたいです。馬術をやろうと思う人も増えてほしいし、見ようと思う人も増えてほしい。これまでの記事を読んで「馬術をオリンピックで見てみたい!」と思ってくれたら、こんなに嬉しいことはないですね。

林選手、お忙しい中本当にありがとうございました!!



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