「ベンチプレスは何キロでやったらいいのですか?」筋トレ初心者によくある疑問に答えるには?

「ベンチプレスは何キロでやったらいいのですか?」筋トレ初心者によくある疑問に答えるには? DO

「ベンチプレスは何キロでやったらいいのですか?」筋トレ初心者によくある疑問に答えるには?

スポーティ

フィットネス・コーチと言う仕事をしているので、「ベンチプレスは何キロでやったらいいですか?」とか「何キロを目標にしたらいいですか?」というような質問をよく受けます。

ベンチプレスの部分がスクワットになったり、デッドリフトになったりしますが、特に筋トレを始めたばかりの人にとっては、他人がバーベルに着けているプレートの重量が気になるようですし、自分はどうしたらよいのかも知りたいみたいです。

こうした疑問にスラスラと答えることができるとよいのですが、ことはそう単純明快には行きません。よく耳にする言葉に「ベンチプレスで100キロを挙げたら1人前」というものがあります。

かく言う私も以前に「めざせ、市民スポーツマンの二刀流!ベンチプレスで100キロ、フルマラソンでサブ4を同時に達成しよう」というタイトルの記事を書いたことがあります。
*前回記事>>「めざせ市民スポーツマンの二刀流!」

自分で書いておいて何ですが、この「100キロ」という数字はわかりやすく、景気づけにするには良い響きであるというだけで、実はあまり意味のあるものではありません。その訳は?というところから話を始めたいと思います。

ベンチプレス100キロを目指せ!に潜む罠

ベンチプレスに限った話ではありませんが、筋トレの挙上重量を評価するにおいて、体重比というものが大きな要素になります。単純に言えば、体重の重い人ほど重い物を持ち挙げることが容易になります。

仮に体重100キロのAさんと体重50キロのBさんがいたとします。もしこの2人がともにベンチプレス100キロを達成したとしたら、それが意味することは明白です。

Aさんにとってはベンチプレス100キロは自分の体重と同じ(体重比100%)です。Bさんにとってはベンチプレス100キロは自分の体重の2倍(体重比200%)です。どちらの評価が高くなるべきかは言うまでもないでしょう。普通に考えるなら、Aさんのベンチプレスは初心者レベル、Bさんはエキスパートレベルです。

ここまで極端な例ではなくても、同じ人が体重を増やしたり減らしたりするだけで、筋トレで扱える挙上重量は大きな影響を受けます。

私自身の経験で言えば、かつてベンチプレス100キロを達成したことがあります。現在のマックスは90キロぐらいです。では私の筋力が10%落ちたのかと言えば、必ずしもそうではありません。100キロを挙げた頃の私の体重は67キロぐらいありました(体重比149%)。現在の体重は59キロぐらいです(体重比153%)。ベンチプレスで挙げられる重量は10キロも軽くなっていても、あるいは筋力は伸びているのかもしれないのです。

逆のケースもありえます。つまり、あと数キロで目標重量に届きそうなところで足踏みをしている人は、体重を少し増やすだけで目標達成ができてしまうことがあります。つまり、挙上重量だけに気をとられていると、苦労してハードなトレーニングをするより、ゴロゴロ寝て太った方が良い結果をもたらすということになりかねないのです。

これもまた言うまでもないことですが、筋肉量とパワーは同じ体重でも男性と女性との間には大きな違いがありますし、年齢によっても変化します。ある人の筋トレのレベルを評価するには、体重、性別、年齢を抜きにしては考えることはできないのです。単に○○キロを挙げるという目標を掲げることの危うさを知ってもらいたいと思います。

トレーニング計画設定に欠かせない指標(1RM)

ところで、上の例で挙げたベンチプレス100キロというものは、正しいフォームで1回だけ挙げることができる最大重量(1RM)のことです。普段のトレーニングでは目標や状況に応じて、例えば1RMの80%で10回を3セット、と言う具合に使います。

従って、1RMは、筋トレのトレーニング計画を作成するうえで非常に重要な指標なのですが、それを測定することは筋トレ初心者にとっては容易なことではありません。

自分の限界に近い重量を試すことには怪我の危険が伴うからです。筋トレ初心者が1人でトレーニングをするときは最低でも5~6回ぐらいは挙げることができる重量に留めておく方がよいでしょう。

サイト紹介:Strength Level

複数回挙げることができる重量から1RMの推測値を出し、その1RMの数字が性別、年齢、体重などの要素から見てどのぐらいのレベルなのか、上級者になるにはどれだけの数字が目標になるのか、自分の長所と弱点はどれなのか、そのような疑問への答えを客観的に把握することができる便利なサイトがあります。>>https://strengthlevel.com/

残念ながら英語のみのサイトですが、とても分かりやすく作ってありますので、使い方は難しくありません。

自分の性別、年代、体重、筋トレの種目、セット回数、重量を入力すると、まずは1RMの推測値を計算し、そのレベルを5段階(初心者からエリートまで)に分けて示してくれます。重量の単位はlb(パウンド), kg(キロ),st (ストーン)を選択することに注意してください。


入力画面(例:80キロを5回挙げることができた場合)


結果(例:自動計算された1RMの推測値は90キロ)

真ん中にある「Standard」タブでは、様々な筋トレ種目のレベル別重量を一覧することができます。ここでは自分の情報を入力する必要がありません。仮にまだやったことがない筋トレ種目でも、自分の性別と体重に応じた目標値を把握することができます。


例:ベンチプレスの体重別レベル別標準重量一覧

弱点を把握することの重要性

上のサイトを利用すると、ベンチプレスだけではなく、様々な種類の筋トレ種目のレベルを客観的に把握することができます。

例えばベンチプレスでは上級者でも、スクワットは中級者だと判定された場合、スクワットが自分の弱点だとわかります。そうすると上半身より下半身のトレーニングに集中するべきだ、という具合に自分だけのためにカスタマイズされたトレーニング計画を作ることができます。

筋トレ初心者であっても、そうではなくても、自己流でトレーニングを続けていると、知らず知らずのうちに自分の得意な種目だけに偏ってしまいがちになります。それを防ぐためにも、こうした客観的なデータはなるべく活用した方がよいでしょう。


Strength Level トレーニング ベンチプレス