運動で免疫が高まる?!どんな運動で免疫が高まるのかを紹介!
DO運動で免疫が高まる?!どんな運動で免疫が高まるのかを紹介!
定期的に運動をすると、健康に過ごすことができると言いますね。定期的に運動をすると、筋肉がついて痩せにくい体になったり、心臓が鍛えられて体を動かしても疲れにくくなったりします。
こうした変化は重いものを持ったり、体を動かすことで実感できると思います。しかし、運動の効果はこれだけではありません。実は免疫にも影響を与えます。
免疫は、簡単に説明すると「病気のかかりにくさ」です。
病気のかかりにくさは、運動の前後で比較することが難しいかもしれませんが、免疫に関し様々な研究が行われており、どのような運動をすると免疫が高まるのかが分かってきています。
今回は、どんな運動をすると免疫が高まるのか、どうして免疫が高まるのかを紹介していきます。
持久的な運動と筋力トレーニングがオススメ
今回のテーマは、免疫を高める運動についてです。まず始めに結論から述べます。免疫力を高めるには、持久的なトレーニングと筋力トレーニングがオススメです。
持久的なトレーニングは、ジョギングやランニングのように、一定の速度で20〜30分走るような運動です。筋力トレーニングは、ダンベルやバーベルを持って、筋肉を大きくするようなトレーニングです。
どうして持久的トレーニングや筋力トレーニングを行うと免疫が高まるのでしょうか。それは、NK細胞やリンパ球などが関連しています。
これらの細胞は、ウイルスや癌が体内に侵入した時に戦う役目を持っています。運動の習慣がついていると、運動をしない人と比べてNK細胞やリンパ球など、ウイルスと戦ってくれる細胞の数が多いことが分かっています。
そのため運動習慣を身につけているとウイルスが体内に入ってきてもウイルスを駆除することができ、症状が表れにくかったり、すぐにウイルスを体内から排除することができるのです。
しかし、運動の時間が長すぎたり運動強度が高すぎたりすると逆に免疫力が落ちることも分かっています。激しい運動を長期間行っていると、NK細胞やリンパ球など、ウイルスから体を守ってくれる細胞は減少してしまうのです。
きついと感じるくらいで60分以内
アスリートは、寿命が短いなんて言われることがありますが、そのように言われる理由の一つとして、免疫力が低下することが考えられるでしょう。
アスリートは、自身の体を鍛え、試合本番で最高のパフォーマンスを発揮するために長時間に渡り強度の高いトレーニングを繰り返します。
こうしたトレーニングを行うことで、筋肉や心臓などは鍛えられ、技術も身につくのですが、激しいトレーニングを長期間続けていると、実は免疫力は低下してしまうのです。
それだけでなく、活性酸素という体の中の細胞を傷つける物質がたくさん作られてしまい、体に大きなダメージが加わります。
さらにコルチゾールなどのストレスホルモンも分泌され、体力の低下に結びつきます。こうしたことから、強度の高いトレーニングを長期間行うと、かえって免疫力を弱めてしまいます。
免疫力を高めるには、適度な強度で適度な時間の運動が勧められます。
横軸に運動強度、縦軸に感染リスクを取った時に、強度が低すぎる運動では感染リスクは下がりませんが、適度な運動を行った時は、感染リスクは低下します。
そこからさらに強度を高めて、かなり高強度の運動を行った時は、感染リスクは上昇していきます。グラフの形から、「Jカーブ」と言われています。
運動強度と感染リスクは「Jカーブ」の関係にあることを頭に入れて、適度な運動を継続するように心がけましょう。
栄養摂取も大切
普段から体をしっかり動かして、試合に向けてトレーニングを積んでいるという方も多いかもしれません。そうした方がここまでを読むと、免疫力が低下しそうで不安になるかもしれません。
しかし大丈夫です。免疫力は普段の食事にも関連していて、食事で免疫力をカバーすることができます。激しいトレーニングを行った後は、タンパク質を補給してビタミンC、ビタミンEを意識して摂取するとよいです。
タンパク質は、体を作る栄養素で、筋肉を大きくしたりするために重要になります。
ビタミンCやビタミンEは、体内で抗酸化作用を示します。運動をすると活性酸素が作られて、体にダメージが加わりますが、ビタミンCやビタミンEを摂取することで、そのダメージを和らげることができます。
トレーニングだけでなく普段の食事も意識することで免疫力を高めることができます。
亜鉛も活性酸素の働きを抑える栄養素として知られています。活性酸素は、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)という酵素の働きによって除去されていきますが、SODには亜鉛が欠かせません。亜鉛を摂取することでSODの働きを高めることができ、活性酸素のダメージを軽減することができます。
ただし、亜鉛は銅の吸収を阻害するので、過剰摂取には注意が必要です。1日の摂取上限は40mgと言われています。
トレーニングだけでなく食事も意識して免疫力を高めましょう。
*参考文献
レジスタンストレーニングが女子大学生の体力、筋力およびNK細胞活性に与える影響
総説 運動と免疫