独立リーグ情報 後編
WATCH独立リーグ情報 後編
7月に入り各リーグとも中盤戦に差し掛かっています。今回は関東地区で再出発したベイサイドリーグ、ルートインBCリーグ、そして、さわかみ関西独立リーグを紹介します。
ベイサイドリーグ
昨季は日本海オセアンリーグとして北陸・滋賀地区でリーグ戦を行っていましたが、今季はリーグ名をベイサイドリーグにと変更し、いずれも新球団の千葉に本拠を置く千葉スカイセラーズ、神奈川に本拠を置くYKSホワイトキングスの2球団でリーグ戦を行っています。
4月15日に開幕し2球団での公式戦の他にNPBとの交流戦(NPB交流戦はビジター開催)も行われています。但し、日本海リーグ(昨季は日本海オセアンリーグに参加した富山GRNサンダーバーズと石川ミリオンスターズで結成した新リーグ)との交流戦も行うと開幕前には告知されていましたが、現在こちらは行われていません。
関東でリーグ戦を開催
曇天ながら適度な風もあり過ごしやすい天候となった6月6日、神奈川県綾瀬市の綾瀬球場でYKS対-千葉の15回戦が行われました。自衛隊厚木航空基地などが近く、上空を頻繁に飛び交う航空機の姿を見ることができる綾瀬球場ですが、球場がのある綾瀬スポーツ公園内は散歩などで行き交う人が見られのんびりした雰囲気です。
この日のYKSホワイトキングスは吉村大佑投手が先発、一方の千葉スカイセラーズは後藤茂基投手が先発して試合はスタートしました。YKSホワイトキングスは昨季までの滋賀GOブラックス、千葉スカイセラーズは福井ネクサスエレファンツの選手が多数移籍し、スタメンにも名前を連ねており、実質的に両球団が対戦しているような錯覚に陥ります。
この試合では、今季開幕当初は調子があまり良くなかったという吉村投手の立ち上がりは制球が安定せず3回までに3失点を喫しました。対する後藤投手は1失点の内容でした。しかし、後半、千葉スカイセラーズのリリーフ陣の守田善投手、北浦遼那投手が崩れ、仲里翔貴投手も失策絡みなどで失点し、11-3とYKSホワイトキングスが逆転勝利を収めています。吉村投手は今季初勝利をであげました。YKSホワイトキングスの長谷川勝紀選手は、長打2本と犠飛を含む4打点とをマークし、4番打者としてしっかりと仕事をしてくれています。
同球場での翌7日の16回戦は投手戦となり、千葉スカイセラーズは2番手にヤクルトや福岡ソフトバンクホークスなどで活躍した秋吉亮投手(コーチ兼任)が登板するなど計6投手を投入しましたが、斎藤尊志選手のサヨナラ打で34-43とYKSホワイトキングスが勝利しています。
今回の両試合は平日デーゲームということもあり、6日はスタンドにはトータル20人ほどのファンがいる程度。7日は10人余りと少々寂しいところです。綾瀬球場は通りすがりにフラッと試合を見られる雰囲気ですが、今季、YKSホワイトキングスの主催試合は全試合平日デーゲーム開催となっており、球場へ行きづらいのは事実のようです。神奈川県で球場の確保の問題もありそうです。ただ、YKSホワイトキングスは今季、試合を無料で開放しています。
>>YKSホワイトキングス 2023シーズン チケットについて
また、YKSホワイトキングス主催試合では球場でグッズなどの販売は行われていませんが、千葉スカイセラーズの主催試合では球団グッズ販売があるようです。
成長が見込まれる選手たち
現在、両チームとも10勝10敗の同率になっています。
投手では千葉スカイセラーズの入口翔太投手が4勝で防御率1.99とリーグトップクラスの成績を残しています。これに対してYKSホワイトキングスの吉村投手は2勝の防御率3.94です。が復調を期待したい投手の一人です。
野手ではYKSホワイトキングスの長谷川選手が4割2分9厘の打率を筆頭に齋藤選手が3割6分5厘、奥村真大選手が3割1分6厘とクリーンナップに怖い打者が揃っています。また、鈴木亜久里選手(YKSホワイトキングス)と松浦大知選手(千葉スカイセラーズ)が10盗塁と俊足を競っています。
ルートインBCリーグ
今季も南北に地区分けをして4球団ずつでリーグ戦を行っています。北地区は信濃グランセローズが首位、6ゲーム差で新潟アルビレックスBC、福島レッドホープス、群馬ダイヤモンドペガサスの順位になっています。南地区は首位が栃木ゴールデンブレーブス、2位が埼玉武蔵ヒートベアーズ、3位が神奈川フューチャードリームス、4位が茨城アストロプラネッツになっています。勝率を見ると、北地区の各チームは南地区の各チームより高く、「北高南低」になっています。
6月4日の栃木ゴールデンブレーブス‐新潟アルビレックスBC4回戦は4時間33分にわたる激しい乱打戦となり、栃木ゴールデンブレーブスが17‐10で下しました勝利しました。両チーム合わせて13人もの投手が投げ、両軍合わせて30安打、24もの四死球が入り乱れましたが、465人ものファンが最後まで熱心に応援を行い最後まで試合を見届けました。
新潟アルビレックスの篠田大聖選手は初回に四球で出塁すると、得点こそならなかったものの2つの盗塁で果敢に三塁まで進むなど目下盗塁数4位(16)という俊足ぶりを見せてくれたのが印象的でした。
また、新潟アルビレックスBCはNPBのイースタンリーグ参入の申請を行うようです。
>>「長年の夢」独立リーグからNPB2軍リーグへ!アルビBCが参加表明も…資金・選手確保に課題【新潟発】
先日、山梨県にルートインBCリーグへの新球団の準加盟承認も発表されました。
>>山梨県民球団の準加盟承認のお知らせ
他にも日本独立リーググランドチャンピオンシップや韓国・独立野球団京畿道リーグとの交流戦の予定もリーグ公式HPで発表されています。
さわかみ関西独立リーグ
昨季は堺シュライクスが制していますが、今季は現段階で和歌山ウェイブスが首位をキープし、堺シュライクスが2.5ゲーム差で2位、3位には大阪ゼロロクブルズが、4位には兵庫ブレイバーズ、5位は淡路島ウォリアーズという順位になっています。
和歌山ウェイブスは高向遼平投手が防御率トップ、西垣彰太投手はリーグ最多の9勝をあげ、ともにチームを支えています。先頭打者の小川佐和選手の盗塁32はダントツのリーグトップで打線の中でインパクトのある存在になっています。
堺シュライクスの宮本祐気投手、渡辺光洋投手はともにチームの柱ですし、田谷拓央選手や脇屋紀之選手のようにとても当たっている打者もあり、今後まだまだ首位は狙えそうです。
6月17日の首位対決、堺シュライクス‐和歌山ウェイブス6回戦では、堺打線が先発の高向投手を打ち崩すことができず、堺シュライクス応援団の熱心な声援も届かず6-3と敗れています。
来季は新球団の姫路イーグレッターズの参入が発表されました。
>>姫路球団加盟承認について
【記録・成績は7月4日現在】