世界最高峰!アメリカPGAツアーの年金制度がスゴすぎる
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世界最高峰PGAツアーとは?
“PGA”とは、“Professional Golf Association”の略語であり、“プロゴルフ協会”と直訳する事ができます。このように本来、“PGA”は特定のプロゴルフ協会を表す言葉ではありませんでしたが、現在は一般的に全米プロゴルフ協会(PGA of America)の呼称として用いられています。これは、あまりにも知名度が高いアメリカのゴルフ団体“PGAツアー”の影響です。
PGAツアーとは、アメリカ合衆国を中心に開催されている男子プロゴルフのトーナメントツアー名であり、ツアー運営を行う団体名でもあります。1968年に全米プロゴルフ協会から独立し、1975年からツアー運営を目的とする団体として発足されました。
PGAツアーでは、マスターズや全米オープンを含む4大メジャー大会をはじめ、年間40試合以上が開催されています。その規模は、2015年~2016年シーズンの賞金総額は約3億3420万ドル、日本円で約350億円にも上り、他に類を見ない男子プロゴルフツアーとして知られています。
米ゴルフ・ダイジェスト誌の2015年のゴルファー長者番付トップ50では21歳(当時)ながら1位を獲得したジョーダン・スピース。2015年の獲得総額は驚きの60億円超!
PGAツアーの年金制度とは?
他のスポーツと同様に、PGAツアーにも引退後の選手を支える年金制度が設けられています。
年金の財源となるのは、世界140ヵ国以上で放送されているテレビやWebの放映権料をはじめ、スポンサー収入やグッズの売り上げ、加えて団体が運営するゴルフ場の売り上げなど。これらを統括し、ファンド運用を行うことで大きく増やしています。
年金の受給を受けるには、ツアーメンバーとして5年以上プレーする事や最低でも15試合以上の予選通過などのルールが設けられています。具体的な受給額は明かされていませんが、1試合の予選通過で3500ドル、優勝すれば更なる金額が年金へとプールされるそうです。また、長年に渡ってシード権をキープし活躍した選手は、ツアーへの貢献度が評価されて支給額も高くなります。しかも驚くことに、本人が亡くなった場合、子供が受給権を引き継ぐ事が認められているのです。
タイガーウッズの年金は衝撃の300億円!
前述した通り、PGAツアーの年金支給額に関する詳細は、公には発表されていません。ですが、年間の賞金総額だけでも350億円、世界140ヵ国以上で取引されている放映権などを考えると、その金額は膨大になること容易に想像できます。あのタイガーウッズ選手が引退後に受け取る年金が、200億円~300億円になるという計算結果が報道されました。60才から支給された場合、日本円に換算すると毎月5億円という計算になるそうです。もちろん、今後も好調をキープする必要がありますし、受給時の為替レートによっても変わって来るでしょう。とはいえ、破格の金額である事に変わりはありません。
ちなみに日本人選手では、2000年~2011年にPGAツアーで活躍した丸山茂樹選手も有資格者であり、約20億円の年金が支給されると予想されています。主戦場をアメリカツアーに移した松山英樹選手、石川遼選手の今後の活躍にも注目したいところです。
大きな差がある日本のプロゴルファー年金制度
もちろん、日本のプロゴルファーにも年金制度が設けられています。その支給条件は、最低でも在籍5年以上の選手と定められており、プロ・アマ問わず適用されるというある意味日本らしい平等感が感じられる制度です。支給額は在籍年数によって計算され、在籍10年で満額支給、10年に満たない選手は年数×10%で計算されます。
日本のプロゴルファー年金制度を運営しているのは、一般社団法人日本ゴルフツアー協会であり、賞金の一部が財源として充てられています。日本ツアーとPGAツアーとでは、その資金規模に大きな開きがある事は周知の事実。日本のプロゴルフツアーの放映権が海外で人気とは言い難く、その分賞金の上限が限られていると言わざるを得ません。この事から日本におけるプロゴルファー年金制度が、潤沢ではないと推測されます。
リオデジャネイロオリンピックの池田勇太
PGAの年金制度は、日本のプロゴルファーに適用されている年金制度とは桁違いの破格さと言えるでしょう。この差を埋めるには、スポーツであるゴルフをエンターテインメントビジネスとして発展させる、チャリティー活動に注力するなど、見習う点が数多くあります。
(Photo by Keith Allison and Zaneology)