関西地区大学野球秋季リーグ総括編

関西地区大学野球秋季リーグ総括編 WATCH

関西地区大学野球秋季リーグ総括編

スポーティ

関西地区の秋季リーグは、新型コロナウイルス感染の影響により通常とは異なる開催方式となり、また、原則として無観客試合になりました。11月6日から関西地区の優勝チームによる関西地区選手権も無観客で開催される予定ですが、神宮大会は既に中止が決まっています。今回は関西地区の各リーグの総括とともに、番外編として東海地区大学野球連盟の岐阜県リーグを加えて紹介します。

初めて甲子園開催の同立戦 関西学生野球

関西学生野球連盟

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秋季リーグを球場で観戦できるのは、野球部員の親族らに限られたため、一部試合をライブで配信するなどの試みが行われました。また、この秋季リーグに限って延長戦はタイブレーク制が採用されました(通常はタイブレークを採用せず)。

首位争いは当初、近畿大、立命館大、関西大の三つ巴でしたが終盤は立命館大が近畿大を追う形になり、僅差で近畿大が制しました。近畿大は2018年の秋季リーグ以来47回目の優勝になります。

近畿大はドラフトで阪神タイガースに1位指名された佐藤輝明選手(4年/仁川学院)の存在が大きかったといえます。三塁手としての守備に加えて長打力を含む打撃センスも十分です。

この秋季リーグでは、3本塁打を放ち通算14本塁打とし、リーグ新記録を作りました。その活躍により、2度目の最優秀選手にも選出されました。プロでも通用するだけの素質を持っていますので、今後の活躍を期待したいところです。

また、立命館大の捕手、榮枝裕貴選手(4年/高知)も阪神タイガースに4位で指名されています。

関西六大学野球連盟

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関西六大学野球 試合風景

この秋季リーグは、勝ち点制ではなく、2回戦総当たりでの勝率制で争われました。優勝は勝率8割の大阪商業大が3季連続20回目の優勝を果たしました。これに京都産業大が勝率7割で2位、一時は首位に追い上げた龍谷大は3位に終わりました。

ここしばらくは、大阪商業大が他チームを圧倒する展開になっていますが、今秋季リーグは吉川貴大投手(4年/開星)、花村凌投手(2年/神戸国際大附属)に加え、抑え投手の伊原陵人投手(2年/智辯学園)らの投手陣の存在が大きかったといえます。伊原投手は最優秀投手、担当記者クラブ賞、平古場賞をそれぞれ受賞しています。

また、大阪学院大の打田雷樹投手(4年/日本航空石川)は、4年間で通算20勝を達成し、特別賞を受賞しています。

秋季リーグは開幕当初、無観客試合(但し4年生の野球部員の親類に限って観戦可)でしたが、9月19日以降は有観客で試合が開催され、また、通常の観戦スタイルではないことから無料で開放され、スタンドにファンの姿も見られるようになりました。
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近畿学生野球連盟

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奈良学園大優勝

原則として無観客で試合は開催されましたが、関西地区では唯一試合方式は通常通り勝ち点方式が採用されました。

首位争いは奈良学園大を和歌山大が追う形で最終戦までもつれ、奈良学園大が2018年の春季リーグ以来44度目の優勝を果たしました。今年の奈良学園大打線は破壊力にやや欠けるものの投手力で踏ん張ったところがあります。

とりわけエースの大畑理暉投手(4年/履正社)、そして摺石達哉投手(3年/福井工大福井)の2人が大きく勝利に貢献しています。9月29日の対神戸大2回戦で大畑投手はノーヒットノーランを達成し、10月14日の対神戸大3回戦でも先発好投しチームを優勝に導いています。なお、大畑投手は最優秀選手と最優秀投手に選出されています。

京滋大学野球連盟

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佛教大優勝

2回戦総当たりで開催され、また、野球部員らの親族に限りスタンドでの観戦が可能となった秋季リーグでした。

今秋季リーグは京都先端科学大が佛教大を追うも、佛教大が有利に進めるかと思いきや、最終節で佛教大がびわこ成蹊スポーツ大に1勝1敗。これで2位の京都先端科学大と勝率が並んだため、10月19日にプレーオフを行いました。

この試合では、佛教大の原大介投手(4年/東山)と京都先端科学大の山本翔希投手(3年/比叡山)の投げ合いとなり無得点のまま延長戦に突入し、延長12回で2‐1(12回からタイブレーク)と佛教大が辛勝し、2018年秋季リーグから4季連続の優勝を決めました。

ただ、佛教大は昨季に比べれば投手力にやや不安もありましたが、全員野球で粘り強い試合で勝ち星を積み重ねてきたイメージがあります。これに対して京都先端科学大は、今季から日本ハムファイターズなどでプレーし四国アイランドリーグplusで監督経験のある中島輝士氏を監督に迎えました。昨春に現在の校名に変更して以降初の優勝こそ逃しましたが必死に最後まで追い上げ食らいついてきました。来シーズンの優勝争いが更に楽しみな京滋大学野球です。

なお、京都先端科学大からは捕手の喜多隆介選手(4年/小松大谷)が、ドラフトで巨人から育成2位で指名されています。

阪神大学野球連盟

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コロナウイルス感染拡大を受けて秋季リーグ開幕は当初の予定から遅れ9月21日になりました。また、大阪産業大は、第1節と2節の計4試合を辞退しました(不戦敗扱い)。

この秋季リーグは通常の勝ち点方式ではなく2回戦総当たり方式のポイント制を採用して行われました。この秋季リーグでは、昨年秋季リーグ優勝の天理大と首位争いの末に2018年秋季リーグ以来の関西国際大が9回目の優勝を果たしています。関西国際大は10試合で8勝の負けなし(引き分け2つ)、これに対して天理大は直接対決で関西国際大相手に1敗1分けと勝てず一歩及びませんでした。

NPBドラフトでは、天理大の森浦大輔投手(天理)が、広島東洋カープに2位で指名されています。森浦投手は秋季リーグで4勝1敗とエースに相応しい成績を残しています。広島東洋カープには昨年天理大から入団した捕手の石原貴規選手がいます。近い将来、一軍で天理大出身バッテリーが実現するかもしれません。

番外編

東海地区大学野球連盟岐阜県リーグ
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吉位選手 中京学院大

東海地区大学野球連盟には、岐阜県リーグの他に静岡県リーグ、三重県リーグがそれぞれあります。岐阜県リーグは中部学院大と中京学院大が最後まで熾烈な首位争いを繰り広げ、最後の直接対決で中部学院大が中京学院大に2勝し、全勝優勝で優勝しました。

惜しくも2位に終わった中京学院大には、遊撃手の吉位翔伍選手(中京)と捕手の叺田(かますだ)本気選手(菊川南陵)の2人が、プロ志望届を提出していました。吉位選手は、対中部学院大との最終戦でレフトスタンドへ大きな本塁打を放つなどアピールしたものの、両選手とも指名漏れとなりました。

また、東海、北陸、愛知の3連盟による王座決定権(例年は神宮大会への代表決定戦を兼ねる)も予定されていたものの中止が決定しています。