関西地区大学野球 春季リーグ戦リポート

関西地区大学野球 春季リーグ戦リポート WATCH

関西地区大学野球 春季リーグ戦リポート

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各地で熱戦が繰り広げられた大学野球の春季リーグも終わり、あとは全日本大学野球選手権(6月10日から7日間、神宮球場と東京ドームで開催)を残すのみになりました。今回は関西地区の各連盟の春季リーグ戦及び優勝校を紹介します。
なお、全日本大学野球選手権の試合日程及び組み合わせは下記のとおりです。

>>第73回全日本大学野球選手権大会

関西学生野球連盟

>>関西学生野球連盟

優勝 関西学院大 2021年春季リーグ以来16回目

今春季リーグは最終節を待たずに関西学院大が優勝を果たしました。同志社大や関西大も好調で首位争いに加わり、面白い試合展開を繰り広げてきました。順位は、2位が近畿大、3位が同志社大、4位が関西大、5位が京都大、そして最下位が立命館大になっています。

そして、何よりもリーグ戦を盛り上げたのは、京都大の『躍進』です。開幕早々、関西大から2連勝して勝ち点を奪うと5月18、19日の立命館大戦でも2連勝し勝ち点を奪っています。同志社大からは勝ち星を上げられませんでしたが引き分けを一つ挟み、「これまでとは異なり、そう簡単には負けない」という試合をし、とにかくしぶとい存在でした。その結果、実力で5位を勝ち取り、立命館大は0勝で最下位に沈んでいます。

関西大は、金丸夢斗投手(4年 神港橘)が6試合に登板し防御率0.00を記録するなど奮闘し、投手でベストナインに選出されています。関西学院大は溝口雄大投手(4年 八王子)、 飯田泰成投手(2年 春日)らが確実に勝ち星を上げてきています。溝口投手は最優秀選手に選出されています。

秋季リーグではどのような首位争いが展開されるのか非常に気になるところです。

全日本大学野球選手権で関西学院大は、2日目の6月11日に神宮球場の第2試合目で東京新大学野球連盟の共栄大と対戦します。

関西六大学野球連盟

>>関西六大学野球連盟

優勝 大阪商業大 5季連続26回目

今回も最終節を待たずに優勝を決め圧倒的な強さを誇るのが大阪商業大です。今春季リーグでは勝ち点4に大阪商業大、大阪経済大、京都産業大が並んでいますが、勝率順で大阪商業大、大阪経済大、京都産業大の順になっています。大阪経済大は健闘しましたが、大阪商業大の連覇を阻止することはできませんでした。4位には龍谷大、5位が大阪学院大、最下位に神戸学院大となっています。

大阪商業大の福島大輝選手(4年 倉敷商)が5割7分1厘のハイアベレージで首位打者になりました。これは、オリックスや巨人などでプレーした大阪商業大出身の谷佳知選手が1993年の秋季リーグでマークした5割6分5厘を超えるリーグ新記録になっています。

また、大阪商業大の大物1年生の真鍋慧選手(1年 広陵)もDHでスタメン出場し、3割3分3厘の打率と1本塁打を記録しています。

投手部門では、同じく大阪商業大の鈴木豪太投手(3年 東海大静岡翔洋)が防御率0.00で春季リーグを終えるなど文句なしの成績を残しています。

表彰選手は下記の通りとなっています。
>>令和6年度 関西六大学野球 春季リーグ戦 結果報告

また、全日本大学野球選手権で大阪商業大は、初日の6月10日に東京ドームの第1試合目で千葉県大学野球連盟の中央学院大と対戦します。

阪神大学野球連盟

>>阪神大学野球連盟

優勝 天理大 7季連続26回目

今春季リーグも天理大が制し7季連続優勝となりました。現在の阪神大学野球は勝ち点制ではなくポイント戦を採用していますが、天理大は8勝2敗で24ポイントと2位の大阪産業大を引き離しています。3位には僅差で大阪体育大、4位が甲南大、5位が関西国際大、最下位が大阪電気通信大となっています。大阪電気通信大は関西外国語大との入替戦に挑み、関西外国語大が秋季リーグ1部昇格を勝ち取りました。

天理大は的場吏玖投手(2年 大阪電通大高)、長尾渉佑投手(3年 岡山商大附)、長野健大投手(4年 松商学園)らしっかりと試合を任せられる投手陣がおり、また、先頭の井脇将誠選手(4年 尽誠学園)や4番の石飛智洋選手(4年 出雲西)らも当たっており、チームとして非常に好調な春季リーグでした。これに対して大阪産業大は、優勝すれば2008年の秋季リーグ以来でしたが、天理大の前に及びませんでした。これまで幾度もリーグを制している関西国際大や大阪体育大にも奮起を期待したいところです。

なお、表彰選手は下記のとおりです。
>>2024春季リーグ戦表彰選手

天理大は全日本大学野球選手権で、2日目6月11日の第1試合目に北海道学生野球連盟の東京農業大北海道オホーツクと対戦します。

近畿学生野球連盟

>>近畿学生野球連盟

優勝 和歌山大 2季連続6回目

今春季リーグは10勝2敗の和歌山大が制し、2季連続の優勝を果たしています。奈良学園大は8勝3敗と及ばず2位となっています。また、神戸医療未来大と大阪観光大は同率3位、阪南大は5位、大阪公立大は最下位となっています。大阪公立大は、2部優勝の大阪工業大との入替戦に挑んだ結果、大阪工業大の秋季リーグ1部昇格が決まっています。

ここ数年、優勝の入れ替わりが激しいリーグ戦になっていますが、和歌山大がやや優勢な感があります。一昨年秋季と昨年春季リーグを連覇した大阪公立大が僅か1勝だけの最下位になった点はやや気になるところではありますが、今後、優勝から遠のいている奈良学園大も含めて巻き返してくるのか熱戦に期待したいところです。

和歌山大は今春季リーグで近藤陽樹投手(4年 市立和歌山)や田中輝映投手(3年 向陽)ら確実に勝てる投手の存在が大きかったといえます。これに対して奈良学園大は、本間悠人選手(3年 奈良大附属)や吉岡裕希選手(3年 星陵)ら打率を稼げる選手もおり、秋季リーグでの躍進が期待できます。

和歌山大は、全日本大学野球選手権で2日目の6月11日に東京ドームでの第1試合で広島六学野球連盟の広島経済大と対戦します。

京滋大学野球連盟

>>京滋大学野球連盟

優勝 佛教大 2季連続61回目

今春季リーグでは佛教大が順調に勝ち星を重ね、10勝1敗の勝ち点5で2季連続の優勝を果たしています。優勝が決まった花園大との1回戦では、花園大の藤原聡大投手(3年 水口)を打ち崩し、7-0と7回コールドで制しました。京都先端大、花園大、そしてびわこ成蹊スポーツ大は佛教大の優勝を阻止しようと必死に戦いましたが及ばず、それぞれ2、3、4位となっています。また、今春季リーグに2部リーグから初めて昇格してきた明治国際医療大が健闘し2勝8敗で5位となりました。大谷大は最下位で2部優勝の滋賀大との入替戦に挑みます。

佛教大は、エース格の田中航大投手(4年 近江)、木瀬陽太投手(4年 北嵯峨)、赤木晴哉投手(3年 天理)らがおり、また、先頭打者の木原黎明選手(4年 大垣日大)、4番打者の岡野翔海選手(4年 神戸国際大附属)ら当たっている選手も多く、投打のバランスが非常に取れた印象がある春季リーグでした。なお、最優秀選手に七條太一選手(4年 文徳)、最優秀選手に田中投手、首位打者に岡野選手が、ベストナインには投手で合木凛太郎投手(3年 高田商)、捕手で小谷慈温選手(3年 花園)ら5人が佛教大から選出されています。

全日本大学野球選手権で佛教大は、初日の6月10日に東京ドームでの第4試合目に四国地区大学野球連盟の四国学院大と対戦します。

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