アジア人初のエリート集団入り!世界と戦う男・大迫傑
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と以前Sportieでも紹介したナイキ・ルナエピック・フライニットを、長距離練習の時に使用していると語った大迫傑選手。特に長い距離を走った時に、他のシューズと比べて体重の移動がすごいスムーズになる。週一回25〜30km走る僕たちには適したランニングシューズだなと感じて使っています。僕はかかとから着かないんですけど、かかとから着く方はさらに(体重移動のスムーズさを)実感出来ると思います。
大迫選手がトレーニングに応じてシューズを使い分けるのは、アメリカ・オレゴン州にある現所属チームに移ったことが背景にあるといいます。世界トップ選手たちとトレーニングを積む中で、怪我の予防や練習の効果を最大限に発揮するために、シューズが重要であると気づいたそう。
今回はそんな、トップ選手を相手に日々トレーニングを行う大迫傑選手について紹介します。
高校時代から駅伝で活躍していた大迫選手
大迫傑選手は東京都町田市出身の25歳。長距離種目、特にトラックでの長距離種目にこだわりを持っている陸上選手です。現在はアメリカを活動拠点とするナイキ・オレゴン・プロジェクトに所属しており、リオ五輪では10000mと5000mへの出場が決まっています。
大迫選手がその名を知られるようになったのは、高校時代。駅伝の名門校である佐久長聖(さくちょうせい)高等学校に進学し、エースとして迎えた2年時の全国高校駅伝で区間賞の快走により同校を初優勝に導きました。
その後、早稲田大学に進学すると、箱根駅伝で2度の区間賞を獲得するなど活躍。2010年に達成した同校の男子学生三大駅伝三冠※にも貢献しています。
※出雲全日本大学選抜駅伝競走、全日本大学駅伝対校選手権大会、東京箱根間往復大学駅伝競走の三大会
2014年に出場したアジア選手権では銀メダルを獲得するなど着実に力をつけてきた。
大学卒業後は、日清食品グループの陸上部に所属していましたが、世界との差を埋めるべく、2015年からナイキ・オレゴン・プロジェクトに活躍の場を移しています。
大迫選手がナイキ・オレゴン・プロジェクトに所属することになったきっかけは、実は大学1年の時に出場した世界ジュニア選手権。8位入賞の成績を残したものの、上位選手とは人生初となる周回遅れの惨敗という結果に。この時に「自分にはスピードが足りない」と感じたことが、現在所属するナイキ・オレゴン・プロジェクトにつながっています。
超エリート集団!ナイキ・オレゴン・プロジェクト
大迫選手が所属するナイキ・オレゴン・プロジェクトは、ナイキの長距離専門の陸上競技チームです。近年アフリカの選手が長距離競技の上位を独占している中、これに対抗する選手を育てる目的で設立されました。チームには、世界各国から選抜された優秀な選手のみが所属でき、その人数は常に10数名のみ。毎年1名しか加入が許可されない狭き門なのです。
チームを代表する選手であるイギリス人選手モハメド・ファラーとアメリカ人選手ゲーレン・ラップは、2012年ロンドン五輪男子10000mでアフリカの強豪選手たちを抑え、ワンツーフィニッシュ。ファラーはさらに5000mでも金メダルを獲得し、その後の世界選手権でも10000mと5000mで2連覇しています。
この他にも、2013年の世界選手権1500m銀メダリストのマシュー・セントロウィッツなど世界のトップ選手のみが所属するナイキ・オレゴン・プロジェクト。そんなエリートチームに、大迫選手は初のアジア人選手として加入し、日々トレーニングを行っています。
ナイキ・オレゴン・プロジェクトの監督を務めるアルベルト・サラザール氏。1970〜80年代にかけて活躍した元ランナー。右胸にあるのがナイキ・オレゴン・プロジェクトのロゴマーク。
先日行われたナイキの新作シューズの発表会で、ナイキ・オレゴン・プロジェクトに所属して一番変わったことは?と問われた際に、一番はメンタル面と応えた大迫選手。
常にレベルの高い選手と一緒に過ごしていることで、自分の中の壁を一つ大きく突き破ることができた。
とアメリカでの自信の成長を実感している様子。
実際に2016年の日本選手権では、10000mと5000mで優勝し、リオ五輪での同種目代表選手に内定。これまでに同大会で4年連続2位とくすぶっていた大迫選手の成長を感じさせる結果になりました。
リオで上位選手についていく力はあると思っている
大迫選手が出場する男子10000mは一発勝負で、日本時間8月14日9時25分から行われます。一方の男子5000mは8月17日22時05分に予選が、21日9時30分にメダルをかけた決勝戦が行われます。
大迫選手は、リオ五輪のレース展開について聞かれると
特に10000mに関して8位入賞は具体的に見えている。比較的速いペースのレース展開になると思うので、しっかりついていきたい。上位の選手にラスト800m〜400mまで(速いペースを維持して)ついていく力はついていると思うので、まずはそこまでしっかりとリラックスして走りたい。個人的に粘る展開の方が得意だが、粘る展開も追う展開も対応できるように練習して、最後の勝負に備えたい。
とコメント。大迫選手と同じく駅伝で活躍し、同種目の代表である村山紘太と共にどこまで食らい付いていけるかに注目です。
自身のフォームについて、かかとの着かない走り方と語る大迫選手。実際に練習風景を見てみると全くかかとが着いていないことが分かます。(大迫傑公式instagramより)
8月6日いよいよ開幕するリオデジャネイロオリンピック。自身も語るように男子10000mでの8位入賞は十分に狙える位置にいます。ナイキ・オレゴン・プロジェクトに所属し、世界のトップ選手と練習を重ねてきた大迫傑選手の活躍に期待しましょう。