ゴルフ×サッカー!注目の「フットゴルフ」史上最大規模の国際大会が開催!

ゴルフ×サッカー!注目の「フットゴルフ」史上最大規模の国際大会が開催! DO

ゴルフ×サッカー!注目の「フットゴルフ」史上最大規模の国際大会が開催!

スポーティ

10月26日から29日の4日間、長野県にある軽井沢72ゴルフ南コースで、日本初となるフットゴルフ国際大会「FIFG WORLD TOUR JAPAN FOOTGOLF INTERNATIONAL OPEN 2017 supported by Cygames」が開催され、日本代表選手、海外のトップ選手、そして一般の参加者が入り混じり熱戦を繰り広げました。

元サッカー日本代表の岩本輝雄氏、元サッカーU-17日本代表の財前宣之氏、元浦和レッズの堀之内聖氏といったサッカー界で活躍してきた面々を含む、合計7名が日本代表選手として出場。最終日の29日に現地で取材をしてきました。

フットゴルフはゴルフとサッカーの融合スポーツ

フットゴルフとは、ゴルフ×サッカーの融合スポーツです。ルールはゴルフと同じですが、ボールはサッカーボールを使用し、足で蹴ることでショットを打ちます。ゴルフと同じように、各ホールで基準となるパーがあり、最も少ない蹴数でボールをカップイン(フットゴルフの場合はサッカーボールを使用するので、サッカーボールが入るサイズのカップが用意されています)させることを目指します。サッカー用語は登場せず「バーディー」「イーグル」「アルバトロス」といったゴルフ用語がそのまま適用されます。

2009年にオランダでルール化され、2012年にはハンガリーで初のワールドカップを開催。現在は欧米を中心に30ヵ国でプレーされています。

海外では競技志向だけではなく、レジャーとして家族や友達とカジュアルにフットゴルフをプレーするといった楽しみ方も定着していて、幅広い世代から愛されています。日本では、近年問題になっているゴルフ場の利用率低下の解決策としても注目されており、フットゴルフのプレー人口は着々と増加中です。

海外と日本のトップ選手が参加した国際大会

今回の大会は、1~18ホールまで、合計パー数72、3日間3ラウンドで行われました。

筆者が取材した10月29日は台風が接近している悪天候で雨足が強く、当初の予定時間から1時間近く遅れてのスタートとなりました。足場も非常に悪く、選手達が蹴った直後に滑って転倒する場面が何度もみられました。蹴ったものの思ったところにボールが飛ばなかったり、池に落ちてしまったり、どの選手も天候に泣かされる厳しい環境での戦いとなりました。

そんな中、優勝はイギリスから参戦したベンジャミン・クラーク選手が掴み取りました。28日の時点で6位だった日本代表の冨沢和未選手は初日の合計スコア77(オーバー5)、2日目の合計スコア75(オーバー3)、29日の合計スコア77(オーバー5)で、3日間の合計がオーバー13という結果に。最終順位は10位タイに輝きました。日本人選手としてはトップの位置で、雨が降りつける悪天候で体力的にもメンタル的にも苦しい状況の中、最後まで粘り強く戦い抜きました。


(写真:冨沢選手)

大会終了後、冨沢選手の感想を聞くことができました。

元々僕の蹴る性質としてミートさせてからインフロントでひっかけるのですが、雨でボールが濡れていて引っかからないで的外れな場所に飛んで行くことも多かったですし、途中で滑って蹴り足の付け根を故障してしまって、精度も悪くなってしまいました。
それに付け加えて、グランドコンディション。届くはずだったのに水溜まりで止まっちゃうことがすごくありました。もちろん他の選手も同じ状況でプレーしていたので、戦わなくてはならないのですが、最終日なのに悔しい思いをしてしまったというのが感想です。

冨沢選手は次回11月18日に栃木県のTBC太陽クラブで開催されるジャパンオープンのファイナルに出場する予定です。そこでの活躍に注目しましょう。

初めての日本代表コージャ今村選手

取材当日、冨沢選手と同じフットゴルフ日本代表の1人、コージャ選手にも直接インタビューを行うことができました。コージャ選手はこの日、参戦はしていませんでしたが、観客として現地に訪れていました。

コージャ選手は社交的で積極的にコミュニケーションを取り、海外のトップ選手達とも仲が良い国際派で、世界で活躍している選手です。フットゴルファーとして結果を追求するだけではなく、様々な形でフットゴルフの普及活動を行っています。プレー時のファッションには強いこだわりを持ち、フットゴルフブランド「DiAMANTEE(ジアマンティ)」のプロデューサーを務め、日頃からオリジナルファッションでプレーしています。その姿勢から世界的な評価が高く、2017年にはフランスのフットゴルフマガジンで「世界で最もスタイリッシュなフットゴルファー」として紹介されました。

―コージャ選手がフットゴルフを始めたきっかけは何だったのでしょうか。

今から3年前に友人がフットゴルフの第一回ジャパンオープンに出場したことがきっかけです。僕はずっとサッカーをやってきたけど、30代中盤になった頃からはゴルフもやるようになり、ゴルフっておもしろいなって思っていたので、一回やってみることにしたのです。そうしたら初めて出場した大会で準優勝し、これは自分のためのスポーツだと思いました。

友人をきっかけにフットゴルファーへの道が開いたコージャ選手ですが、デビュー戦のような好成績は続かなかったそうです。

その後出場した大会では14位でした。この時はまだフットゴルフのやり方がわかっていなかったのだと思います。2015年の3月から、フットゴルフの日本代表を初めて選ぶという話になりました。4戦の合計ポイントで上位の6名を日本代表にするという選考方法だったのですが、僕は第1戦目が20何位、2戦目は60人中51位くらい。最初の2試合は結果が出なかったのですが、3戦目は優勝、4戦目は5位となり、総合ポイントで5位に入ることができ、日本代表になりました。オランダで開催された国際大会に出場し。そこで海外のトップ選手達のプレーをみて、海外には凄い選手がたくさんいるのだと知りました。

コージャー選手にフットゴルフの魅力、そしてプレーヤー目線で、フットゴルフとはどういうスポーツなのかについても話を聞きました。

サッカーとの融合ともいわれていますが、フットゴルフの基本はゴルフです。サッカーは相手と戦うスポーツですが、フットゴルフは自分と戦うスポーツです。外し続けると、自分の中の弱い気持ちに支配されてきます。
フットゴルフは人生に似ています。良いときもあれば悪いときもある。ずっと右肩上りの人生がないのと一緒で、フットゴルフにも前半が良かったのに後半がダメというときもあります。でも、ボールは蹴れば前に進む。女性や子どもでも楽しむことができる生涯スポーツでもあり、実際に海外では競技志向以外に、そのような面でも人気があります。

日本では現在のところフットゴルフのプロスポーツ化はしていませんが、コージャ選手はフットゴルフをプロスポーツにしていきたいという気持ちがあるそうです。

プロ志向、そしてエンジョイ志向の二極化していけば良いと思っています。フットゴルフは一度経験すればまたやりたくなるスポーツだと思います。まだまだ時間はかかると思いますが今回の軽井沢での大会を始め、フットゴルフを多くの方に知ってもらいたい。プロスポーツ化も目指して普及させていきたいです。

世界で活躍し、ファッションや社交的な雰囲気で人を惹きつけるコージャ選手はこれからフットゴルフがプロスポーツ化を目指すうえで要となる選手です。コージャ選手は冨沢選手と同じ11月18日に栃木県のTBC太陽クラブで開催されるジャパンオープンファイナルに参戦予定。観戦は無料です。コージャ選手と冨沢選手、そして他の選手達の勇姿を目に焼き付けるために、足を運んでみてはいかがでしょうか。

全国各地で広がりを見せるフットゴルフ

冨沢選手やコージャ選手は日本代表選手ということもあり、競技志向の大会に多数出場していますが、海外のように競技志向ではないプレーヤーが趣味としてフットゴルフを楽しむスタイルも広がり始めています。今後フットゴルフの常設コースは増えていく予定ですが、現在のところ兵庫、静岡、栃木、千葉、埼玉にあります。詳しい場所についてはフットゴルフ協会の公式HPから確認可能です。

いきなり個人で仲間を集めたりコースを予約したりするのが難しいという場合は、フットゴルフのイベントをみつけて参加するという方法があります。今回の大会のように、日本代表選手や海外のトップ選手が参加する本格的な大会もあれば、初心者や女性でも楽しめる大会も開催されています。こちらについても情報はフットゴルフ協会のHP、それから関連サイトで確認することができます。

フットゴルフの魅力はプレーのおもしろさ以外にも選手同士の距離が近いこともあります。筆者もフットゴルフをプレーした経験がありますが、他の選手の方々とすぐに打ち解けることができ、プレーはもちろんコミュニケーションの時間も楽しむことができるスポーツだと感じました。休日に楽しめるスポーツの趣味を探している方や、ダイエットや運動不足解消をしたい方は、これからフットゴルフにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。