ルール改正で、今年の野球はここが変わる!!

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今季の野球は、ルール改正で、ルールそのものではありませんが、大きく変わる点が1つあります。又高校野球で、試合運営方法が変わる点も1つあります。それぞれどのようなものか見ていきましょう。

公認野球規則の改定で申告敬遠導入へ

申告敬遠は昨季、メジャーリーグでも導入されましたが、今季から日本でも導入されることとなり、公認野球規則が改正されました。

「四球」とは、打者にボールが4つ投げられたものです。また「故意四球」とは、打者に対し意図的にボールを4つ投じたものですが、「申告敬遠」とは、打者にボールを4つ投げなくても投げたと見なして1塁ベースを与えるものです。ここで、公認野球規則中の改正箇所の条文を見ておきます。「四球」についての定義を定めた箇所(定義7)に、申告敬遠にかかる文言を追加する形で、下記のように改正されました。

打者が、打撃中にボール4個を得るか、守備側チームの監督が、打者を故意四球とする意思を審判員に示し、一塁へ進むことが許される裁定である。守備側チームの監督が、審判員に故意四球の意思を伝えた場合(この場合はボールデッドである)、打者には、ボール4個を得たときと同じように、一塁が与えられる。

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申告敬遠で変わる点

申告敬遠を採用した場合で変わる点は、実際にボール球を投げなくてもいい点(その分球数は少なくなる)です。そのため、ワイルドピッチやパスボールなどバッテリーエラーはなくなる反面、打者は敬遠しようとしたボールを打つというチャンスも失われることになります。(1999年、阪神‐巨人12回戦で、新庄剛志選手が槙原寛己投手の投球をサヨナラ安打にしました。)

そもそもメジャーリーグで、申告敬遠を導入された理由は、試合時間短縮です。しかし、導入後1シーズン経過して、実際に、試合時間短縮という視点での効果は期待できなかったようです。申告敬遠を採用したところで、1つにつき1~2分程度しか短縮効果がなく、毎試合、敬遠が発生ししていたわけでもないのです。試合時間に与える影響はほとんどないでしょう。

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実際に細かいデータを見てみます。2017年のNPBのものです。

昨季のセ・パ両リーグ公式戦における四球は、5387個あるのに対して故意四球は89個しかありません。1試合当たり四球は、6.28個あるが故意四球は0.10個、すなわち10試合に1個の割合です。この故意四球全てが申告敬遠を採用したところで、試合時間に与える影響は皆無だといって差し支えないでしょう。昨季の試合時間は、平均3時間17分(延長試合を含む)ですが、申告敬遠導入でこれが短くなるとは思えません。

今回の改正は、メジャーの基準に合わせるという目的もありますが、今後の成り行きを見守っていきたいものです。なお、今季の高校野球での申告敬遠採用は見送られました。

高校野球、甲子園でもタイブレーク導入へ

こちらは、ルール(公認野球規則)改正によるものではなく、高野連独自(高校野球特別規則)の改正であり、数年前より議論されていたのはご存知の方も多いでしょう。地方大会などではすでに導入済みですが、これを春・夏の甲子園大会や夏の地区大会でも適用し、選手の健康対策とするものです。高校野球でもタイブレークを導入するきっかけとなったのは、2014年の第59回軟式大会の崇徳‐中京戦で、延長50回(サスペンデッド)となる試合があったこと、2017年の第89回選抜大会では、福岡大大濠‐滋賀学園と福井工大福井‐健大高崎が、2試合続けて延長18回引き分けで再試合となったためです。タイブレーク採用には、賛否両論あるが、選手の負担軽減という「大義名分」に押し切られた形です。

タイブレークで選手の負担は本当に軽くなるのか

筆者は、高校野球ではありませんが、タイブレークの試合を何度か目にした機会があります。両チームの投手による投げ合いで、なかなか得点が入らず、延長に入りタイブレークという形でしたが、タイブレーク後は1~2イニングで、簡単に得点が入り、試合は決着がつきました。(理論上は、得点が同じなら延々と試合が続くことになります。)タイブレーク後は、容易に得点できるため、試合の流れは大きく異なってしまい、野球の醍醐味がなくなるのではないかという点が否定的な意見につながっています。

タイブレーク導入は、選手の負担軽減のためだといわれていますが、本当に負担軽減につながるのでしょうか。選手の中でも、最も負担が大きいのが投手ですが、1試合を1人で投げ抜くとして、準々決勝から決勝までは3連戦となります。1試合平均130球投げると仮定して3連戦で390球投げることになります。しかし、ほとんどのチームは複数の投手を擁しています。したがって、必ずしも全ての試合を最初から最後まで一人の投手が投げるわけではありません。しかし、勝ち上がっていくために、エース級の投手中心の起用になり、負担が集中するのではないかという疑問が、ここに発生することになります。

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根本的に選手の負担を軽くするためには

ここで、筆者の意見としては、選手、とりわけ投手の負担を軽減するためには、投手のイニング制限、もしくは球数制限を取り入れる方が、先決ではないのかと考えますが、この点については、まだ公式には議論されていないようです。WBCでは球数制限が行われています。このような方法で、選手を酷使しないための根本的な議論も必要なのかもしれません。

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今回は、2つの大きな改正点を取り上げましたが、小さな改正を含めると毎年数か所が修正されています。野球のルールは複雑だといわれますが、試合を観戦するうえでルールにも興味を持ってみてください。


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