ペップも粉砕!ユルゲン・クロップがリヴァプールにもたらした5つの変化

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ペップも粉砕!ユルゲン・クロップがリヴァプールにもたらした5つの変化

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8月27日、プレミアリーグ2017-18シーズン第3節。エデルソンとの接触でサディオ・マネが退場となり、10人での戦いを強いられたリヴァプールは、マンチェスター・シティ戦を5-0で惨敗。このショックが尾を引いたのか、直後の5試合を1勝3分1敗と停滞したチームは、早々に優勝争いから脱落しました。前半戦は、9勝8分2敗で4位。首位のマン・シティとは20ポイント差、2位のマンチェスター・ユナイテッドにも7ポイント差。チャンピオンズリーグ出場権獲得をめざすしかなっていたリヴァプールは、1月に苦渋の決断を下します。
フィリペ・コウチーニョ、バルセロナ移籍。夏にスペイン行きが破談となっても、夢を諦められなかったエースを翻意させることができず、クラブは1億6000万ユーロ(当時のレートで約218億円)の高額で売却するしかありませんでした。多くのレッズサポーターが、停滞を覚悟したのではないでしょうか。前半戦は14試合7ゴール。チャンスメイク40回と6アシストは、いずれもチームNo.1です。代わりの選手を獲得することはできず、クロップ監督は司令塔を欠いたままで戦うことになりました。(メイン写真 Photo by Ardfern )

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コウチーニョ移籍後、強くなった!?

その後のレッズの躍進は、多くの人の期待を上回ったのではないでしょうか。23節には、無敗だったマンチェスター・シティに4-3で勝利。35節までの後半戦を11勝3分2敗は首位に次ぐ好成績で、残り3試合を1勝1分1敗ならCL出場権獲得を実現できそうです。
チャンピオンズリーグでは、ラウンド16でポルトを2試合連続で完封し、トータル5-0で下すと、マンチェスター・シティとのホーム&アウェイを3-0、2-1で連勝。前線からのプレスと鋭い速攻でペップ・グアルディオラのチームを攻略し、ベスト4に進出しました。一時は窮地に立たされていたクロップ監督は、どんなアプローチで強化を成功させたのでしょうか。
変化を物語るキーワードは「プレッシング強化」「中盤の活性化」「サラーのストライカー化」「ロリス・カリウス抜擢」「最終ラインの整備」です。

コウチーニョの穴は、ミルナー、チェンバレン、ワイナルドゥムでカバー(PHOTO by Ruaraidh Gillies)

厳しいプレスと速攻の破壊力がUP!

コウチーニョが去った後のレッズは、マネ、フィルミーノ、サラーの3トップ固定で戦っています。
ドリブルを好み、ボールをキープする時間が長くなりがちなコウチーニョがいなくなったことで最も変わったのは、前線のプレスの厳しさと速攻の頻度です。昨季のプレミアリーグで、フィルミーノ、コウチーニョ、マネが絡んで作ったチャンスはフルシーズンで66回。そのうちゴールが決まったのは10回でした。
これに対して、今季の3トップが連携したチャンスは既に71回を数え、決まったゴールは17と大きく増えています。ミドルシュートが1試合あたり7.1本から6本に減ったのは、遠めから狙うのが好きなコウチーニョがいなくなったから。
一方、シュートの決定率は17.4%から21.6%と改善しました。マンチェスター・シティとのチャンピオンズリーグでは、3トップだけで相手の6人を混乱させる息が合ったプレスを展開。マイボールになると、手数も時間もかけずに一気にゴール前に殺到し、フィニッシュに持ち込むスタイルが定着しています。


中盤に戻ったミルナーは、右サイドに出るシーンが増え、クロスの精度がUP(PHOTO by dom fellowes)

コウチーニョ移籍後の中盤のキーマンは、ミルナーとチェンバレン。移籍した10番よりも守備力が高く、シンプルに前線にパスを出せるセントラルMFが、マネやサラーのスピードを活かす原動力となっています。
ミルナーのチャンピオンズリーグ8アシストは、ネイマールやルーニーと並ぶシーズン最多タイ記録。左SBから中盤に戻されたベテランが、4本めの矢となって前線で決定的な役割を果たしています。

チェルシーやローマでは、サイドでプレイする時間が長かったサラーに、ゴールに近いエリアでプレイに入るよう求めたのも、クロップ監督のお手柄でしょう。フィルミーノやマネとの距離が近く、決定的なパスをもらえるのが33試合31ゴールという大ブレイクにつながっています。


守備における貢献度が高いフィルミーノは、自らもプレミアリーグで15ゴールをゲット(PHOTO by @cfcunofficial (Chelsea Debs) London)

ファン・ダイク効果で最終ラインが安定

鮮やかな速攻で大量点を奪う試合が多いため、攻撃陣に目がいきがちですが、最終ラインも確実に改善しています。
ミニョレからレギュラーポジションを奪ったロリス・カリウスが安定しているのは、読みのよさを活かした的確なコーチングが武器のファン・ダイク効果でしょう。DFとしてプレミアリーグ史上最高額の7500万ポンドで獲得したCBは、デヤン・ロブレンにも落ち着きをもたらしています。
クロップスタイルを理解したロバートソンは、思い切りのいいオーバーラップで攻撃に貢献。強豪クラブ相手に経験を積んだ19歳のSBアーノルドは、攻守のバランスが格段によくなり、マンチェスター・シティとのCLでもサネに決定的な仕事をさせませんでした。CLでローマと戦う彼らは、欧州の頂点に立つことができるでしょうか。ユルゲン・クロップのゲーゲンプレッシングが浸透したリヴァプールの奮闘を、最後まで見届けたいと思います。

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