確信犯から冤罪まで…プレミアリーグの退場列伝!

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確信犯から冤罪まで…プレミアリーグの退場列伝!

スポーティ

パトリック・ヴィエラ、ダンカン・ファーガソン、リチャード・ダン。プレミアリーグ創設間もない1990年代半ばからプレイしていた懐かしい3人の共通項は、「歴代最多のレッドカード8枚」です。ハードなタックルで名を馳せ、7枚のカードを喰らったロイ・キーンなどの個性派が跋扈した古き良き時代。当時、最も話題になったレッドカードといえば、エリック・カントナの「カンフーキック」です。

史上最悪!?カントナのカンフーキック!

1995年1月、クリスタル・パレスのDFショーに再三シャツを引っ張られてストレスを溜めたカントナは、報復のキックを見舞って1発レッド。おとなしくロッカールームに去るかと思いきや、相手のサポーターの挑発に激高して今度は飛び蹴りを披露してしまったのでした。マンチェスター・ユナイテッドの伝説の7番は、裁判にて120時間の社会奉仕活動を科せられ、事態を重く見たFAからも8ヵ月の出場停止と3万ポンドの罰金というペナルティを受けました。後にも先にも、これ以上センセーショナルなレッドカードはないでしょう。プレミアリーグの退場の歴史を振り返ってみました。(メイン写真 Photo by Ruaraidh Gillies)


2012年5月、マンチェスター・シティ戦でテベスに肘打ちしてレッドカードをもらったバートンは、アグエロに膝蹴り、コンパニに頭突きで12試合出場停止(PHOTO by MT Hietala)

悪童が躍動!バートンは無期限出場停止!?

1998-99シーズンに、カントナばりの派手な立ち回りで、11試合の出場停止をもらったのはディ・カーニオ。7節のアーセナル戦でシェフィールド・ウェンズデーのストライカーに突き飛ばされたのは、主審のアルコック氏でした。クラブからの罰金は、1万ポンドでした。この騒動が、トリガーとなり、ウェストハムに移籍したディ・カーニオは、2000-01シーズンに再び注目を集めました。

エヴァートンとの一戦では、1-1で追加タイムに突入時、相手のGKジェラードが接触プレーで足を負傷し、転倒したままでプレイが続行されると、右からのクロスがゴール前のディ・カーニオへ。決めれば勝利というシーンでしたが、ディ・カーニオは、手でキャッチをし、ジェラードを指差して、治療を求めました。FIFAフェアプレー賞に選ばれたこのシーンは、気性が激しいストライカーが、ただのトラブルメーカーではないことを物語っています。

2000年代のトラブルメーカーといえば、レッドカード7枚のジョーイ・バートンです。チームメイトを殴るなど、数々の事件の主役となったMFの記憶に残るレッドカードは、2008-09シーズンのリヴァプール戦です。シャビ・アロンソに強烈なタックルを仕掛け、ピッチを去ったバートンに、アラン・シアラー監督は激怒し、ニューカッスルは、無期限出場停止という厳しい処分を下しました。2014-15シーズンには、7試合連続イエローカードというリーグ新記録を作り、8試合めのハル・シティ戦で、ハドルストーンを殴って1発退場。2017年4月には、サッカー賭博の常習者として18ヵ月の出場停止処分(後に13ヵ月に軽減)を言い渡されました。果たしてジョーイ・バートンは、プレミアリーグのピッチに戻ってくるのでしょうか。


アヤックス、リヴァプール、ウルグアイ代表…スアレスは3度の噛みつきで退場ゼロ(PHOTO by Ruaraidh Gillies)

退場を逃れたスアレス&チェンバレン…!

2010年代の「3大事件簿」は、「スアレスのかみつき」「ギブスの冤罪」「ジェラード痛恨のスタンプ」ではないでしょうか。2013年4月、プレミアリーグ34節のリヴァプールVSチェルシー。自らのハンドで、アザールに勝ち越しのPKを決められ、冷静さを失っていたルイス・スアレスは、突破を阻止したイヴァノヴィッチに噛みつくという暴挙に出ました。レフェリーのフレンド氏が目撃していれば、間違いなく退場でしたが、イヴァノヴィッチのアピールを後から認めるわけにはいきません。「現行犯逮捕」を逃れ、追加タイムに同点ゴールを決めたスアレスは、試合後に謝罪したものの、FAは10試合出場停止という重い処分を下しました。

レッズの元エースは、バルセロナに移籍する直前の2014FIFAワールドカップブラジル大会でもイタリアのキエリーニに噛みついており、サッカーに関する活動全てを4ヵ月禁止される厳しいペナルティを受けています。


「ハンドしたのは自分だ」。チェンバレンが2度も「自供」したのにアンドレ・マリナーさんは判定を変えず…!(PHOTO by Jon Candy)

退場必至の噛みつきを見逃されたスアレスに対して、2014年3月のキーラン・ギブスは完全にとばっちりでした。スタンフォード・ブリッジのチェルシー戦でのこと。15分までに2点リードされていたアーセナルは、アザールに決定的なシュートを打たれると、GKの背後をカバーしていたチェンバレンが、左手で外に弾き出します。ジャッジは当然PK。当時のルールでは、決定機阻止はレッドカードとなり、アンドレ・マリナー氏は、赤いカードを取り出してチェンバレンに…と思いきや、退場を命じられたのは、なんとギブスだったのです。レフェリーへの説明は通らず、ギブスは、憤然とピッチを去り、バツが悪そうなチェンバレン。試合後、イングランドのプロ審判協会が謝罪したのですが、1年後のWBAとマンチェスター・シティの試合でも、ドーソンと間違えられ、マコーリーが退場となっています。

ジェラードは38秒、史上最速は何と12秒!

最後に紹介する退場列伝は、2015年3月にスティーヴン・ジェラードがやらかした秒速レッドカードです。主将ながらスタメン出場が減っていたレッズのレジェンドは、マンチェスター・ユナイテッド戦の後半開始からララナに代わって登場すると、アンデル・エレーラを踏みつけて38秒で1発レッド!思うようにプレイできず、ストレスが溜まっていたのか、あるいは気合いが入りすぎたのか。下には下がいるもので、プレミアリーグの最速退場記録は2007年1月のキース・ギレスピーの12秒。交代で入った直後、スローインがピッチに入る前に相手選手の顔に肘打ちをしてしまい、ボールに触ることなく試合を終えたそうです。

12秒から8ヵ月まで、レッドカードを語る数字はさまざま。気迫のこもったプレイを見せていただけるのはありがたいのですが、くれぐれも冷静さを失わないようにしていただきたいものです。


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