独立リーグを盛り上げる応援団
WATCH独立リーグを盛り上げる応援団
独立リーグは四国アイランドリーグplusに4球団、ルートインBCリーグに10球団あり、両リーグ併せて14球団ありますが、各球団とも熱心なファンにより私設応援団が結成され、彼らを中心に応援が繰り広げられています。各私設応援団は、試合を彩る個性的な存在として、球場には、なくてはならない存在です。今回はそんな応援団のなかから2つ(両リーグより一つずつ)を紹介します。
個性派の応援団「近江豪勝連合」
ルートインBCリーグの新球団、滋賀ユナイテッドは今年で参戦2年目です。球団の私設応援団、近江豪勝連合もまだ設立2年。近江豪勝連合のメンバーは現在11人。滋賀県在住の団員が中心ですが、「滋賀県出身で県外在住の人もいます」と団長の樫田秀平さん。関東地方にも団員はいるそうです。
球場での応援風景と言えば、トランペットやドラムなど鳴り物を用いた応援風景でしょう。NPBの球場で見られるお馴染みの光景です。この光景が独立リーグの球場でも繰り広げられています。選手別の応援歌やチャンステーマなどを用いて応援をしています。その中でも今季から使われている『南郷の洗堰』があります。
「琵琶湖の水止めたろか」という歌詞がとてもユーモアたっぷり、地域色がにじみ出た応援です。樫田さんによると、この曲はオリジナルではなく元歌があるそうです。また、応援歌などのうち、オリジナルの曲と元歌がある曲の割合は半々だそうです。どんな歌や曲を使うのか、選手をイメージして、YouTubeなどで様々な音源を聴いて選曲または作曲し、団員の意見も聞いたうえで採用すると樫田さんは言います。樫田さんと団員の音楽に対するこだわりが現れているのだといえます。次に4曲ほど紹介しますが、滋賀ユナイテッドの応援で欠かせない応援歌となっていくでしょう。
応援団もチームの一員
団長の樫田さんによると、滋賀ユナイテッドが昨季できる以前からルートインBCリーグの試合は観ていたといいます。そして昨季、滋賀にも球団ができたのを契機に私設応援団を発足させるのですが、「少しでも多くの人にチームを応援に来て欲しい」と言います。昨年の滋賀ユナイテッドの来場者数は1試合平均460人とリーグ平均576人を下回り、トップの新潟アルビレックスの985人の約半分にとどまりました。今季も4月7日の開幕戦で558人を集めたものの4月27日現在で1試合平均377人となっています。
樫田さんは「毎試合、500人と言わず1000人は球場へ来て欲しいし、もっとファンを増やしたい」と語ります。そして、樫田さんはホームの試合はほぼ全て球場で応援するとともにビジターの試合の応援に出かけることもあるのです。また、他球団の私設応援団とも交流の機会を作っています。応援団同士、ファン同士のつながりがあり、リーグを支えているともいえます。
球団としてのファン拡大を狙った企画や取り組みも行われていますが、そのうえでの応援団の存在意義は大きいというのは球場の雰囲気を感じれば一目瞭然。今シーズン、更に盛り上げてくれることでしょう。
独立リーグの老舗応援団「ガイナマイツ」
今度は四国アイランドリーグplusの香川オリーブガイナーズ私設応援団、ガイナマイツを紹介します。日本初の独立リーグだけに10年を超える歴史があります。
現在の団員は8人、主に香川県在住者を中心に構成していると副団長の井上翔太さん。井上さんはホームの試合はほぼ全て球場で応援しています。必ずと言っていいほど複数の団員で応援をしているため、団員数を聞いて初めて「たった8人だけ!?」と思ったほどです。
実力派の応援で球場を盛り上げる
ガイナマイツの特徴は、トランペットやドラムを使った応援のクオリティが高いことでしょう。井上さんいわく「そんなことはないですよ。ぶっつけ本番で(トランペットを)吹いています」とのことですが、スタンドで聞いているとかなりの力量だと感じさせられます。
香川オリーブガイナーズのホームゲームはメジャーを意識したボールパークを醸し出したものとなっていますが、ガイナマイツの応援風景は球場になくてはならないものとなっています。メジャーには鳴り物を用いた応援はありませんが、独立リーグならではのとてもいい雰囲気だといえます。
また、選手別応援歌やチャンステーマなど、オリジナルの曲と元歌のある曲は半々だと井上さんは言います。やはり、この辺は近江豪勝連合の樫田さんの話と共通するところですが、音楽に対する知識や情報に精通しているということでしょう。ホームゲームのラッキー7の攻撃の際には、ガイナマイツによる『勇者の雄叫び』のトランペットに合わせて風船が飛ばされるのが恒例となっていますが、これも球場の雰囲気作りに一役買っているといえます。
『勇者の雄叫び』
今回、紹介したのは、2つの応援団、ほんの一部に過ぎません。他の球団にもそれぞれ私設応援団があり、それぞれのチームを応援しています。独立リーグの場合、球場によっては鳴り物入りの応援が制限されている場合もあり、工夫を凝らした応援をしています。独立リーグの試合は球場でなければ味わえない魅力があり、面白いということに尽きると思います。独立リーグの試合観戦の契機になればと思います。