日本発祥の伝統文化!東京2020オリンピックの新種目「空手」

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日本発祥の伝統文化!東京2020オリンピックの新種目「空手」

スポーティ

2020年の東京オリンピックで新種目として行われる空手は、日本発祥の武術で、東京五輪でもメダルが狙える競技です。海外でも人気で、各国選手層が厚く、オリンピック出場権を巡る代表争いは、熾烈を極めることが予想されます。そんな激戦を勝ち残ってきた選手たちが繰り広げる東京オリンピックでの闘いは、目が離せない闘いになるでしょう。

今回は、空手の種目「組手」と「形」の解説や、東京2020で活躍が期待される注目選手を紹介します。

TOP写真 Photo by ThisParticularGreg

キレと迫力のある演武「形」

試合は2人の選手が一対一で行いますが、演舞は1人ずつ行います。世界選手権では5人の審判があげた旗の数で勝敗が決まりますが、オリンピックではポイント制、つまり審査員の判定による点数の合計得点で勝敗が決まります。

1人で演舞を行いますが、目の前にいる敵に攻撃と防御を行うという仮定で行われるため、相手を倒す意気込み、迫力が伝わってきます。ひとつひとつの技に意味があり、それを正しく表しているかも評価のポイントになります。突きや蹴りのスピード、キレ、リズムなどが見所になってきます。

演武は、世界空手連盟が認定している98種類から選択して行われますが、当然選手には、得意不得意な形があります。予選から決勝まで同じ形は使えないので、自分が得意な形をどこに持ってくるかが勝負の分かれ目になります。できれば決勝まで温存しておきたいが、決勝までに負けてしまう可能性もある。目に見えない選手同士の駆け引きにも注目です。

一瞬も目が離せない「組手」

組手は8メートル四方の競技場で2人の選手が一対一で行います。使える攻撃は「突き」「蹴り」「打ち」で、決められた部位にコントロールされた攻撃にポイントが突きます。コントロールされた攻撃とは、過度な接触ではなく寸止めされた攻撃のことです。

部位によって与えられるポイントが変わります。相手より先に8ポイント差をつける、もしくは競技時間内(男子は3分、女子は2分)に相手より多くポイントを獲得した選手の勝ちとなります。反則行為は過度な接触の攻撃、禁止されている部位への攻撃、無防備な状態や攻撃せず逃げるなどが挙げられます。

もの凄いスピードで繰り出される突きや蹴りといった攻撃。この攻撃が繰り出される瞬間が組手の見所です。攻撃を繰り出す前に対峙する選手たちの立ち位置、構えている姿は緊張感があり、ここぞという場面で攻撃を仕掛け、一気に試合が動く。見事に攻撃が決まったり、攻撃を華麗にかわしカウンターが決まる一瞬こそが組手の魅力です。攻撃があまりに速いため、試合中瞬きができないくらいです。一瞬で勝負がつく組手、試合中は目を離せません。

会場は聖地「日本武道館」

会場は東京都千代田区にある日本武道館。2020年に向けて選手の練習施設となる「中道場棟」の増設や天井の耐震化、バリアフリー化などの改修が行われます。増設は2019年6月に竣工予定、そこから2020年6月に本館改修を終える予定となっています。

>>>日本武道館(googleマップリンク)

東京2020で期待の注目選手<形編>

喜友名 諒選手

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東京2020オリンピックは30歳で迎えます。5歳から空手を始めた喜友名選手の流派は、「劉衛流」で、中国拳法と中国兵法を合わせた総合武道です。

世界大会では連覇、先日行われたアジア大会でも優勝しています。今現在世界のトップをキープしている喜友名選手、2年後の東京2020オリンピックでも金メダルを期待される注目選手です。

清水 希容選手

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東京2020オリンピックは、27歳で迎えます。清水選手の流派は、「糸東流」と呼ばれるものです。2011年から現在まで、主要大会をほぼ優勝で飾っている清水選手は、東京2020オリンピックでも大本命。一度は引退も考えていた清水選手ですが、現在は、東京2020オリンピックを目指し、練習環境も整えて練習に励んでいます。

すでに世界の頂点に君臨しているからこそ、プレッシャーは相当なものだと思いますが、実力通り力を発揮してくれることでしょう。

東京2020で期待の注目選手<組手編>

荒賀 龍太郎選手

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東京2020オリンピックは、30歳で迎えます。空手一家に生まれた荒賀選手の流派は、「剛柔流」と呼ばれるものです。空手一家に生まれた荒賀選手は、最年少で全日本選手権を優勝し、高校生の頃から世界選手権に出場するなどオリンピックでの活躍も期待されます。

日本一に5度も輝いている荒賀選手は、今年のアジア選手権でも優勝。2年後の東京2020オリンピックで金メダルを目指します。

植草 歩選手

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東京2020オリンピックは、28歳で迎えます。小学3年生から始めた植草選手の流派は、「松濤館流」と呼ばれるものです。高校では国体を制し、世界大会では、金メダルを獲得した植草選手。一時は引退を考えていましたが、東京オリンピックが行われることをきっかけに現役を続行。

今年のアジア選手権では、最重量級で20年ぶりの金メダルを獲得しました。持ち味は、強靭な下半身を使い繰り出される中段突き。その可愛さから人気の植草選手ですが、実力も世界基準。選手を続けるきっかけとなった東京2020オリンピックで頂点を目指します。

新種目採用で盛り上がりを見せる空手。選手層も厚く代表選考から熱い闘いになると思われます。彼らの活躍を応援しましょう!