エムバペも参戦!?東京五輪出場の可能性があるフランス人スターを一挙紹介!

エムバペも参戦!?東京五輪出場の可能性があるフランス人スターを一挙紹介! WATCH

エムバペも参戦!?東京五輪出場の可能性があるフランス人スターを一挙紹介!

スポーティ

いよいよ1年半後に控える東京オリンピック。23歳以下の選手に出場資格が与えられるサッカーでは、怪童キリヤン・エムバペ(パリ・サンジェルマン=PSG)にも出場の可能性があります。この夏のW杯で主役級の活躍を披露した怪童ですが、まだ20歳。2年後はまだ21歳なのです。

本人も2度と訪れるかわからない五輪出場の機会を逃したくないと考えているのか、「オリンピックの金メダルを目指したい」という趣旨の発言をしています。もっとも、2020年は6~7月に欧州選手権(EURO)も開催されるため、所属クラブが8月に行われるであろう五輪との“連続派遣“を認めるかは微妙なところ。

基本的に欧州のクラブは、オフシーズンの選手派遣を各大陸の選手権とW杯しか認めていないからです。とはいえ、所属するPSGは2016年にマルキーニョスをコパ・アメリカとリオ・デ・ジャネイロ五輪に派遣しています。全く可能性がないわけではないでしょう。

ただし、フランス代表はまだ五輪出場権を確保していません。ヨーロッパの五輪出場枠は4枠ありますが、それは今年6月に行われるU-21欧州選手権でベスト4に進出したチームに与えられます。このU-21代表の大会に、すでにフル代表のエースであるエムバペが参加する可能性は極めて低いでしょう。つまり、20歳のスピードスターは出場権がやってくるのを待つ立場でしかないのです。

では、五輪出場権を取りに行く選手たちは一体どんな選手たちなのでしょうか。多くの若手逸材を輩出し続けている現世界王者・フランスの次世代メンバーにあたる“エムバペ世代”。当然逸材揃いのゴールデンエイジを今後牽引していくであろう、フランス人有望株を4人紹介したいと思います。

Top写真 photo by Kylian Mbappé

1.世代最強の呼び声高い“フランスのドンナルンマ”

GK アルバン・ラフォン(フィオレンティーナ=イタリア)
Embed from Getty Images
経験豊富なベテランが幅を利かせがちなGK。そのポジションでなんと16歳でプロデビューし、そして勢いそのままにレギュラーまで勝ち得てしまった“ロリスの後継者”候補です。11歳まではFWで、GKに転向して5年でプロになってしまったという伝説の持ち主です。

最大の武器は驚異的な反射神経ですが、ポジショニングもしっかりしています。フランス産のGKは反射神経頼みの選手が多く、ポジショニングが粗い場合が多いのですが、ラフォンにはその弱点がありません。これは出世レースにおいて大きな違いを生み出してくるようでしょう。

この夏、トゥールーズを離れてイタリアのフィオレンティーナへ。セリエA(イタリア1部リーグ)でも早速好セーブを連発しています。フランスとはまた違ったGK文化に触れることで、どういった成長曲線を描くのでしょうか。フランスの正守護神にとどまらず、世界の頂点を狙える人材だけに期待大です。

2.プレミアで躍動する“壁”

CB イッサ・ディオプ(ウェストハム=イングランド)
Embed from Getty Images

生まれ故郷のトゥールーズで、18歳でデビュー。ラフォンと同じ試合でプロデビューし、2歳下の怪物GKと同様にそのままレギュラーポジションを奪取した選手です。1997年1月9日生まれのため、東京五輪はギリギリ参加資格を有しています。

ポジションはセンターバック(CB)。CBは基本的に相手に当たりに行くタイプと、できるだけ後方に構えて味方のミスをカバーリングするタイプに分けられますが、ディオプは後者。身長194cm・体重92kgの強靭な体躯を活かしたフィジカル能力を活かして相手に自由を与えません。ことフィジカルだけで言えば、A代表の同タイプのCB、サミュエル・ウンティティ(バルセロナ)とプレスネル・キンペンベ(PSG)をも上回るレベルです。

この夏にイングランド・プレミアリーグのウェストハム・ユナイテッドに移籍。フィジカル自慢揃いのプレミアリーグでもそのフィジカル能力は際立っており、好パフォーマンスを見せています。近い未来のA代表入り、そしてビッグクラブへのステップアップはかなり現実的と言えるでしょう。

3.メガクラブ垂涎の万能型パサー

MF ウセム・アウアー(リヨン)
Embed from Getty Images

カリム・ベンゼマ(現レアル・マドリード)やウンティティなどを輩出し、育成力において高評価を得ているリヨンが生み出した“最新兵器”。若手のパサーではアルトゥール(バルセロナ)と並んで世代トップでしょう。

プレースタイルが一番近いのは、アンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)でしょうか。ウイングで起用されれば、シルクのような柔らかいボールタッチで敵陣を蹂躙し、中盤で起用されれば抜群のタイミングと精度を誇るパスで局面を打開します。

175cmとやや小柄な身長ではありますが、体重は70kgとがっしりしているため、フィジカル強度は十分。元々はウイングや中盤3人の前方のポジションを本職とする攻撃的な選手ですが、最近の試合ではそのフィジカル強度を活かして、攻撃型ボランチのタンギー・エンドンベレと組んでもソツなくダブルボランチをこなすほど。守備時のポジショニングや、対人守備の強さも兼ね備わってきた印象です。

プレミアリーグへの移籍が以前から実しやかに囁かれ、なかでも名門リバプールが強い関心を示しているようです。しかし、所属するリヨンのジャン=ミシェル・オラス会長はなかなか安値では選手を手放さないツワモノ。向こう数年、成長と市場価値の上昇を待つでしょう。当面アウアーはリヨンで腰を落ち着けて成長することができそうです。

4.PSGユースが生んだスピードスター

FW ジャン=ケビン・オーギュスタン(RBライプツィヒ=ドイツ)
Embed from Getty Images

PSG出身のセカンドトップ兼ウインガー。PSGに所属していた当時は、ローラン・ブラン監督(当時)から高く評価されていました。しかし、当時のPSGにはあのズラタン・イブラヒモビッチ(現ロサンゼルス・ギャラクシー=アメリカ)や、ウルグアイ代表エースのエディンソン・カバーニが在籍。ユース出身選手にはあまりに高すぎる壁に阻まれ、継続的な出場時間を得られませんでした。

結局、PSGで十分な結果を残すことなく2017年にRBライプツィヒに移籍。ただし、その時の移籍金は1300万ユーロ、年俸は500万ユーロと実績の少なさを考えれば異例とも言える金額でした。それほど高い評価をされていたということではありますが、クラブの期待通りに開花。

2トップを組むエースFWティモ・ヴェルナーをサポートしながら公式戦37試合で11ゴールを挙げてみせました。今季はデンマーク代表のユースフ・ポウルセンとのポジション争いで劣勢に立たされていますが、そのポテンシャルに疑いの余地はありません。エースのヴェルナーが移籍すればチャンスも多くなるでしょう。今後に期待できる選手です。

この4人の他にもアウアーのところで名前を挙げたMFエンドンベレ(リヨン)や、イングランドの強豪アーセナルで着実に出場機会を得ているMFマテオ・グェンドゥジ、オーギュスタンのチームメイトであるDFダヨ・ウパメカノ(RBライプツィヒ)など有望株がひしめいているフランス。

彼らがチームとしてプレーすれば、東京行きのチケットを勝ち取るのは難しいことではないでしょう。エムバペのみならず、彼らのプレーも東京で見たいところです。