小学生から高校生まで。カリフォルニアの少年少女たちが憧れのライフガードに挑む州大会

小学生から高校生まで。カリフォルニアの少年少女たちが憧れのライフガードに挑む州大会 WATCH

小学生から高校生まで。カリフォルニアの少年少女たちが憧れのライフガードに挑む州大会

スポーティ

以前の記事にカリフォルニア州のビーチで、ライフガードになるための過酷なトライアルの様子と、いかにライフガードが子供たちにとって憧れの存在であるかについて紹介しました。

カリフォルニア州では学校が夏休みに入ると、ビーチ沿いの多くの自治体が、小学生から高校生までを対象に、ライフガードになるための様々なスキルを学ぶ「ジュニア・ライフガード」と呼ばれるプログラムを開講します。そしてそれを競技化した大会も開かれます。

7月11日、サンディエゴ湾に浮かぶリゾート地コロナドの州営ビーチでジュニア・ライフガードの州大会が行われました。その様子をリポートします。

前回記事 >>カリフォルニアビーチライフガードになるまで

米国版国民体育大会の競技種目にも

この大会は、カリフォルニア州の「国体」とも言えるCalifornia State Gamesの1競技種目として行われました。California State Gamesはオリンピックや国体のように多くの競技が同時期に行われます。

その先には、各州の代表が競う全米大会(State Games of America)があるのですが、ジュニア・ライフガードは全米大会での種目には入っていません。ちなみにサスケ*に触発されたニンジャ・チャレンジが今年から全米大会の公式種目になりました。

*日本発の「サスケ」が米国で大人気。全米各地に専門ジムが誕生

ジュニア・ライフガードの競技者は州内で公認されたプログラムで学んでいる子供たちです。年齢は9歳から17歳まで。以下のように年代別に部門が分けられています。個人と所属するプログラムの団体で得点が競われます。

AA
16~17歳
A
14~15歳
B
12~13歳
C
9~11歳

海と砂にまみれる競技者たち

■ビーチラン

最初に行われたのが、砂浜を裸足で走るビーチ・ラン。最年長の16-17歳部門は1マイル(1.6キロ)、最年少の9-11歳部門はその半分の800メートルを走ります。

■遠泳

遠泳は砂浜からスタートして、ブイまで泳いで、また同じ場所に帰ってきます。やはり年代部門によって距離を変えてあります(上から順に420m, 340m,270m )。

天気が良く暖かい日だったのですが、このあたりは寒流が流れていて、海水は見た目よりずっと冷たいことが多いです。この日の水温も約17度。波もかなり強く、決して水泳に適した条件とは言えません。そしてウェットスーツ着用は許されていません。

■パドル・リレー

遠泳と同じ距離をサーフボードで往復し、5人1チームで行うリレーです。バトンの代わりにボードを受け渡します。子供には長いボードを抱えて走らなくてはいけませんし、海に入ると、パドリングの腕力は勿論のこと、波や潮流に合わせてパドリングする技術も重要になります。

波に慣れていないのか、ボードを流してしまう子も多くいました。

■ビーチ・フラッグス

かつてのTBSの人気番組『スポーツマンNo.1決定戦』でもやっていましたので、知っている人も多いかと思います。うつぶせになった状態から、スタートの合図で立ち上がり、約20メートルを走って、選手の数より少ないフラッグを奪い合います。1回走るごとに人数が減っていき、最後の1人になるまで繰り返します。

瞬発力と反射神経が問われ、試合展開も速く、選手間の駆け引きも見物です。観ていてもっとも楽しかったのはこのビーチ・フラッグスでした。

■レスキュー・リレー

2人1組で遭難者救助を想定して行う競技です。まずは遭難者役の選手が海に入り、約100メートルぐらいの沖合で待機します。スタートの合図で、救助役の選手が浮袋とフィンをもって遭難者役のパートナーまで泳いで行って、2人で戻ってきます。2人同時にゴールしなくてはいけません。

この他に、ビーチ・ランと水泳それぞれのリレーや水泳とランを組み合わせた種目も行われました。どれも年代部門別に距離が調整されていました。

朝の9時に最初の競技が始まり、すべての種目が終了したのは午後3時すぎでした。選手たちは表彰式の後、ビーチを清掃してから解散です。それもまたジュニア・ライフガードのプログラムの一環なのです。

ジュニア・ライフガードから憧れの仕事に

この日に行われたのは競技化されたスポーツ的要素が強い種目ばかりですが、ジュニア・ライフガードのプログラムはそれだけではありません。3~4週間に渡って、月曜から金曜まで、1日7~8時間のセッションが行われ、子供たちは様々な状況下での人命救助に関わるスキルや海の自然について学びます。

子供の頃にこのジュニア・ライフガードを経験し、大人になるとトライアウトを受けて本物のライフガードを目指す人がいます。最近、南カリフォルニアの地方紙で紹介されたオリビア・セバーソンさん(17歳)もその1人。

DREAM JOB: IRVINE TEEN IS HB LIFEGUARDhttps://www.irvinestandard.com/2019/dream-job-irvine-teen-is-hb-lifeguard/

高校3年生在学中のセバーソンさんは全米サーフィン大会が開かれることで有名なハンティントン・ビーチ市の最年少ライフガードです。10歳の頃から毎夏ジュニア・ライフガードに参加し、チームのキャプテンも務めました。高校では水球の選手でもあります。

そんなセバーソンさんにとって、子供の頃からずっと夢見てきたライフガードという仕事につけたことは大きな喜びでした。

「海の安全はここに暮らす私たちにとって、とても大切です。この仕事には誇りを感じていますし、大学を卒業した後も続けていきたいと思います」と意気込みを語っています。


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