一番儲けたクラブは?プレミアリーグ2018-19テレビ放映権料ランキング

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一番儲けたクラブは?プレミアリーグ2018-19テレビ放映権料ランキング

スポーティ

フットボールクラブの収入は、3つの柱で成り立っています。チケットやメガストアにおけるグッズやユニフォームの売上など、試合に関連する「マッチデイ収入」、スポンサーから得られる「商業収入」、もうひとつは「テレビ放映権収入(payments of broadcast and central commercial revenues)」です。

今回は、プレミアリーグ2018-19シーズンのテレビ放映権料について、全20クラブのランキングを紹介します。

順次テーブルの頂点に立ったのはマンチェスター・シティですが、最も多くの放映権料を稼いだのは、史上最多勝ち点の2位チームとなったリヴァプール。総額1億5099万ポンド(約205億円)は、「DAZN」とJリーグ全体が契約した年間の放映権料とほぼ同じです。

世界一リッチなプレミアリーグは、どんな仕組みでテレビ放映権料を分配しているのでしょうか。まずはルールをチェックしてみましょう。

メイン写真 photo by premierleague.com


シーズンを通じて1敗しかせず、2位に躍進したリヴァプールは放映権料ランキングNo.1(PHOTO by Ruaraidh Gillies)

ライブ中継の回数と順位テーブルで分配金額が変動


photo by premierleague.com

メイン写真や上記に引用した画像が、プレミアリーグ公式サイトが公開しているテレビ放映権料ランキングです。こちらに沿って、分配ルールを説明していきます。

図表の左にある「イコールシェア(均等分配=3436万ポンド/約47億円)」、右端の「セントラルコマーシャル(CM収入の分配金=497万ポンド/約6億5000万円)」と「インターナショナルTV(海外放映分=4318万ポンド/約58億円)」の3項目が均等配分。

最下位に終わったクラブでも、優勝クラブと同じ8251万ポンド(約112億円)を金庫に収めることができるのです。

これら以外の2項目が、実績に応じた傾斜配分となります。「ファシリティフィー」は放映された試合数に対応しており、「メリットペイメント」はプレミアリーグの順位によってもらえる額が変わります。

放映試合数を見ると、リヴァプールが最多で29試合、根強い人気を誇るマンチェスター・ユナイテッドが27試合、マンチェスター・シティとトッテナムが26試合でアーセナルとチェルシーは25試合。

中堅クラブで多いのは、ニューカッスル(19試合)とエヴァートン(18試合)で、最少はワトフォード、ボーンマス、サウサンプトン、ハダースフィールドの10試合です。

リヴァプールが総額でマン・シティを捲ったのは、順位による差額よりも3試合多かったライブ中継数の差分のほうが大きかったからです。


史上初の国内三冠を達成したマンチェスター・シティは、テレビ放映権料ではチャンピオンズリーグ王者に及ばず(PHOTO by ФК ШАХТЕР)

最終順位が2つ違えば差額は5億円!

より激しい差がつくのが「メリットペイメント」。連覇を果たしたマンチェスター・シティが3837万ポンド(約52億円)、2位リヴァプールが3645万ポンド(約49億円)。

ひとつ順位が落ちるごとにおよそ190万ポンド程度ずつ減っており、6位のマンチェスター・ユナイテッドは2878万ポンド(39億円)と、ペップのチームに13億円も引き離されています。

TOP10フィニッシュのウェストハムまでが2000万ポンド台をキープしており、11位のワトフォードは1919万ポンド(約26億円)。16位のサウサンプトンは959万ポンド(約13億円)と、ケタがひとつ減りました。

降格ゾーンに入っても容赦なく削られ、最下位のハダースフィールドはわずか192万ポンド(約2億6000万円)!最終節で順位を2つ落とせば、5億円を失うことになるわけです。「CLやELの出場権争いや残留バトルと関係ないクラブはモチベーションが低い」などとよくいわれますが、クラブの経営ボードは「順位を落とさないでくれ…」と必死で祈っているのではないでしょうか。


最終節で順位を上げたニューカッスルとウェストハムは約2億5000万円の増収、敗れて落ちたワトフォードとボーンマスは無念の減収

最下位でも1億ポンド弱!独走状態のプレミアリーグ

すべての項目の金額を足し込み、最終ランキングをまとめると、リヴァプールとマンチェスター・シティが1億5000万ポンドを超え、チェルシー、トッテナム、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナルが1億4000万ポンド(約190億円)台。アーセナルとマン・ユナイテッドも、放映試合数の差で最終順位とは違う並びになっています。

ビッグ6に続くのは、1億2000万ポンド(約163億円)台のエヴァートン、ウルヴス、レスター、ウェストハム。注目すべきはニューカッスルで、古豪ならではの人気でライブ中継を呼び寄せ、順位が上のワトフォードとクリスタル・パレスを抜き去っています。

14位ボーンマスから19位フラムまでが1億ポンド(約136億円)台となっており、最下位ハダースフィールドは唯一大台を割る9663万ポンド(約131億円)。それでも、プレミアリーグに参入した選手で過去最高額となるポール・ポグバの移籍金8900万ポンドを上回る大金が入ってくるわけです。恐るべし、プレミアリーグ。

2019年~2022年の放映権料は10%ほど下がりますが、欧州主要リーグで2位のリーガ・エスパニヨーラの2.7倍というぶっちぎりの水準はしばらく続きます。

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