昆布のぬめり成分「アルギン酸」がマラソンに効果的!?

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昆布のぬめり成分「アルギン酸」がマラソンに効果的!?

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健康のためにマラソンに取り組んでいたり市民ランナーとしてマラソンのレースに参加したりしているという方は多いと思います。

マラソンのレースではたくさん体力を使います。そのため普段の食事を見直したり試合当日の食事を変えたりしてパフォーマンスを高めようと試行錯誤している方は多いと思います。

食事の内容を変えることで、マラソンのパフォーマンスは大きく変わってきます。食事がベストな状態になったら、追加で摂取する栄養素を考えることでよりマラソンのパフォーマンスを向上させることができます。

そのような栄養素として、アルギン酸が挙げられます。アルギン酸は、昆布のぬめり成分として知られています。

今回は、どうして昆布に含まれるアルギン酸がマラソンのパフォーマンス向上に有効なのかを紹介していきます。

レース中はできるだけ多く糖質を補給したい

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マラソンのレースを走ったことがある方なら、ほとんどの方が「30kmの壁」という疲労を経験したことがあると思います。これはその名の通り30kmを過ぎたあたりから急激に体が重くなり動かなくなるという疲労です。

私たちは体を動かす際には筋肉にあるグリコーゲンというものを分解してエネルギーを作り出しています。グリコーゲンは体の中に蓄えられているガソリンのような物質です。

マラソンを走っているとたくさんグリコーゲンを使うので、途中でグリコーゲンがなくなってしまいます。その地点が30km付近なのです。グリコーゲンがなくなると体を動かすことができないので、この地点で疲労を経験するのです。

こうした疲労をなくすためには、給水地点でグリコーゲンの基となる糖質を摂取することが挙げられます。糖質はグルコースという物質がたくさん結合したものなので、糖質よりグルコースとして摂取する方が、消化吸収がよいので望ましいです。

しかし、体内に取り込めるグルコースの量には限りがあります。それは、グルコースが多すぎると胃からのグルコースの排出速度が遅くなるためです。

小腸の上部にはグルコースの量を感知する受容体があります。この受容体はグルコースが多いと判断すると胃に対して「ゆっくりグルコースを排出してください」という命令を出します。すると胃はその命令に従いグルコースをゆっくり排出するのです。

こうした理由から、水分と一緒にグルコースを摂取する際には6〜8%が適切な濃度とされています。それ以上多いと逆にグルコースを体内に取り込むことができないのです。

アルギン酸は糖質の補給を助ける

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グルコースの吸収は胃からの排出速度がゆっくりになるため上限があると考えられます。しかしある栄養素と一緒にグルコースを摂取すると、その上限を打ち破ることができます。その栄養素がアルギン酸です。

アルギン酸はpH(酸性かアルカリ性か)によって性質を変えることが知られています。つまり中性やアルカリ性では普通の状態ですが、酸性の環境下ではアルギン酸はゲル状に形状を変えます。

アルギン酸と一緒にグルコースを摂取すると、胃は酸性の環境にあるのでアルギン酸はゲル状に形を変えます。このゲルの中にグルコースを包み込みます。

小腸上部にはグルコースを感知する受容体がありますが、グルコースはゲルの中に包み込まれているので、小腸の上部はグルコースが多いとは感知せず、胃に対してゆっくり排出するよう命令を出しません。つまり胃からは多くのグルコースを送り込むことができるのです。

小腸の中は中性〜弱アルカリ性なので小腸に入るとアルギン酸は普通の形に変化します。その結果グルコースはゲルの中から解き放たれて小腸で吸収できるようになります。

こうしたメカニズムから、アルギン酸を摂取すると体内に多くのグルコースを取り込むことができ、マラソンのパフォーマンスを向上させることができる可能性があるのです。

アルギン酸は、最近発見された物質なので、詳しい実験は行われていません。しかし、マラソンの国際大会で上位に入賞した選手の多くがアルギン酸を摂取していたという実績はあります。

アルギン酸の摂取量や、同時に摂取する糖質の量についても今後実験してよりパフォーマンスを高められる摂取方法を検討していかなければなりません。

実験レベルではある量に決められていても、試合当日のコンディションや自分の体との相性などを考慮して摂取量や摂取方法は色々試してみなければなりません。

今からアルギン酸を取り入れると周りのアスリートよりも一歩先に行ける可能性があります。まずは試合前の食事や給水の方法などを見直し、さらにパフォーマンスを高めたい方はアルギン酸の摂取も検討してみましょう。


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