今年を振り返る 関西地区大学野球編

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今年を振り返る 関西地区大学野球編

スポーティ

今年は大学野球選手権では佛教大が、神宮大会では関西大がそれぞれ準優勝するなど関西勢が全国の場で躍進した一年でした。

また、関西地区の大学からNPBドラフトの指名選手を出すなど、レベルの高さが見えた1年でした。今年の締めくくりとして、関西地区を連盟ごとに振り返ります。

関西学生野球連盟


関西大 神宮大会出場決定

今年の関西学生野球で大きな話題といえば、関西大が秋季リーグを制し神宮大会に出場。この神宮大会では優勝こそ逃しましたが、準優勝を果たしました。秋季リーグでは近畿大などと首位を争い、最後の最後まで優勝決定がもつれました。しかし、秋季リーグ後半以降の投打のバランスとチームの勢いが神宮大会まで維持できたといえます。

また、秋季リーグでは勝ち点2の京都大(5勝7敗)が、初の4位に輝きました。最下位脱出は実に19年ぶりです。藤原風太投手(4年/東海大仰星)、原健登投手(3年/彦根東)の両投手が、健闘するなどチーム一丸となった全員野球の成果です。

NPBドラフトでは、近畿大の村西良太投手(4年/津名)がオリックスバファローズに3位で、立命館大の坂本裕哉投手(4年/福岡大大濠)が、横浜DeNAベイスターズに2位で指名されています。

関西六大学野球連盟


選手宣誓する笹治健汰主将(大商大)

ここ5年ほどは大阪商業大の独り勝ちが続いている関西六大学野球です。今年も大阪商業大が春と秋の連覇を果たしています。

そして、橋本侑樹投手(4年/大垣日大)が、中日ドラゴンズから2位指名を、大西広樹投手(4年/大商大高)が、東京ヤクルトスワローズから4位指名、小野寺暖選手(4年/京都翔英)が、阪神タイガースから育成1位で指名されました。

橋本投手、大西両投手はエースとして、小野寺選手は、主軸打者として優勝争いに大きく貢献していますし、大阪商業大は毎年選手が育ってきているのが近年の特徴です。

来季、大阪商業大の独り勝ちを阻止するには京都産業大、大阪経済大の奮闘に期待したいところです。今年は勝ちきれない試合も多々あり、結果的に大阪商業大の連覇を許すことになりました。来季は古豪龍谷大の復活も含めて熾烈な首位争いを期待したいところです。

阪神大学野球連盟


阪神大学野球秋季リーグ戦

春季リーグは大阪体育大が圧倒的な強さで制したものの、秋季リーグは天理大が優位にリーグ戦を進め制しました。各季、順位の入れ替わりも激しく、ファンにとっては面白いシーズンになりました。

天理大は、森浦大輔(3年/天理)、八木玲於(4年/敦賀)ら主力投手陣と、石原貴規選手(4年/創志学園)がチームを支えました。石原選手は捕手としても評価され、NPBのドラフトでは広島東洋カープに5位で指名されました。

一方、大阪体育大は秋季リーグで首位争いこそ逃したものの中村光投手(3年/箕島)、出雲亮冴選手(4年/尽誠学園)らの力もあって春季は優勝しています。

関西外国語大は決して侮れない存在でしたが秋季リーグでは最下位、入れ替え戦でも敗れ、2部リーグに降格が決まりました。来春から追手門大が昇格します。

また、関西国際大は今年、首位争いに加われなかったものの来季は期待でき、更に混戦に拍車がかかる可能性があり、目が離せません。

近畿学生野球連盟


近畿学生野球秋季リーグ戦

かつては、奈良学園大が独り勝ちしていましたが、2017年以降どこが優勝してもおかしくない混戦のリーグに『変貌』しました。「混戦」という意味では、ファンとしては見応えのある楽しみなリーグかもしれません。今年の春季は、大阪工業大が1953年の秋季以来2度目の優勝を果たしました。

そして、今年の秋季は大阪市立大が混戦の末に2017年の秋季以来4度目の優勝を果たしました。大阪工業大は秋季リーグの首位争いに加われず最下位に転落。その後の入れ替え戦にも敗れ、まさかの2部リーグに降格が決まりました。来季からは大阪府立大が1部リーグに昇格します。

こういったことから考察すると、奈良学園大の実力が落ちたのではなく、各チームが今まで以上に食い下がり、容易に勝たせてもらえなくなったという印象です。

奈良学園大は二刀流で話題になった菅田大介選手(4年/京都共栄学園)が投打で活躍しました。惜しくもNPBのドラフトでは指名されませんでしたが、社会人野球の強豪であるJR東日本に進みます。

京滋大学野球連盟


佛教大 秋季リーグ優勝決定

佛教大が昨年秋季以降3季連続の優勝をしています。昨年秋と今年の秋は神宮大会への出場は叶いませんでしたが、今年の大学野球選手権で初めて決勝に進出し、準優勝を果たすなど大躍進を見せました。

決勝戦の対明治大では6‐1と及ばなかったものの、関西地区のレベルの高さを証明したともいえるでしょう。

佛教大の躍進は、秋季リーグの最優秀選手賞を受賞した中山怜央投手(4年/奈良大附属)を中心に、安定した投手がそろったことが理由といえるでしょう。チームを支えた4年生の投手陣が抜けた来季、どんな新戦力が台頭するかが今後の鍵になりそうです。