東京五輪の7人制ラグビーって何? W杯メンバーは出る?メダルは取れる?
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2021年に延期となった東京オリンピック。7人制ラグビー日本代表も出場が決まっており、昨秋のラグビーワールドカップによるフィーバー再現への期待が膨らみます。しかーし!通常ラグビーは1チーム15人で行いますが、五輪では7人!半分以下の人数で行うのです。
いったい何がどう違うの?
笑わない男・稲垣、リーチ主将らW杯メンバーは出るの?
メダルの可能性は?
オリンピックは先延ばしになってしまった上に、練習もままならない状況ではありますが、今回は7人制ラグビー初心者の方へに向けてこれさえ読めば全部分かる!7人制の楽しみ方を徹底解説します。
W杯ラグビーとはココが違う
■違い1:人数
オリンピックで開催されるラグビーは7人制です。バレーボールやバスケットでもありますよね。通常6人のバレーもビーチバレーでは2人だったり、5人のバスケットを3人でやれば3×3(スリーバイスリー)になったり。人数が変わるスポーツはそう珍しく無いようです。
5人組のジャニーズもいれば、2人組のジャニーズもいる、どっちもカッコイイのでOKみたいに、どっちのラグビーも気軽に楽しんで頂ければ嬉しいです。
ちなみに、五輪は国籍制なので選手は全員日本国籍、これもW杯との違いと言えます。
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■違い2:時間
突然ですが、クイズです!W杯の15人制ラグビーは、40分ハーフですが、7人制は何分でしょう?
正解は……
7分です。短っ。ちなみに15人制では12分間あるハーフタイムも、たったの2分しかありませんので、1試合16分で終了します(ただし決勝のみ10分ハーフの計22分)。
違いはコレだけ。あとは全部同じ
違いは上記の2点のみ。それ以外、ルールはほぼ同じです。バレーやバスケットではコートのサイズも変わりますが、7人制ラグビーはまったく同じ縦100m横70mのグランドを使います。これが7人制の楽しみ方や見どころに繋がって来ます。どういうことか次節で解説しましょう。
②五輪の7人制はココが楽しい!
番狂わせにドキドキッ!
W杯の15人制ラグビーは、オールブラックスや南アフリカばかり優勝します。番狂わせが非常に少ないのですが、7人制は番狂わせが起きやすく、それが楽しみのひとつでもあります。その理由が、試合時間やグランドの大きさと関係しています。
楽しみ方1: 短い試合が生むエンターテイメント
弱いチームが、キックオフから奇襲を仕掛けトライに成功したとします。しかし、トリッキーな作戦は1回しか通用しません。前後半80分の15人制なら、じっくり攻撃されれば力の差が徐々に出て来て逆転されてしまいます。
ですが、7人制は奇襲で相手をパニックに陥れれば、試合時間が短い故、立て直される前に試合終了し勝ちを拾えるケースがあります。
筆者も若い頃所属していた練習を一切しないクラブチームで関西セブンズという大会に出場し、社会人リーグで何度も優勝している名門・三菱自工京都に前半ポンポンと2トライを決め、1本返されたものの後半にもまた取り返し、試合終了1分前までリードしていたことがあります。
さすがにセミプロの意地を見せつけられノーサイド直前に逆転トライを許しましたが、15人制では考えられない事態に会場がW杯並みに盛り上がっていたことを、30年後の今もハッキリ覚えています。試合時間が短いため1日に何十試合も行われるのも、セブンズの魅力です。
オリンピックの延期前の日程では、男子は、7/27~7/29の3日間で予選ラウンドから決勝戦までの全34試合が調布の東京スタジアムで行われる予定でした。1日1試合のW杯15人制とは大きな違いです。
たとえるなら、漫才のM1グランプリのように、短いネタで次々色んな芸人が出て来るのと、中川家の単独ライブ2時間、どっちも笑えるといった感じです。
楽しみ方2:広いグランドが生む躍動感
7人でやるには広すぎるグランド。これもまた番狂わせが起きやすい要因です。15人制の場合、敵が横幅一杯に並んでいると抜き去ることは不可能なので、ブチ当たることになります。そうなると身体のデカイ方が有利です。
ところが、7人制は1人当たりのスペースが広いため、俊足ランナーなら一瞬で敵を置き去りにし独走トライを取ることが可能です。チームにたった1人ウサインボルトばりのエースがいれば、強豪のフィジーやニュージーランドに勝つことも夢ではないのです。
15人制では、スクラムやゴール前での肉弾戦に、テレビの前でギュッーっと力が入りますが、7人制では圧倒的なスピード感や、相手を抜き去る華麗なステップに興奮して、アドレナリン出まくること間違いなしです。
楽しみ方3:女子ラグビーも!
ラグビーといえば、男のスポーツと思われがちですが、実は世界各国で女子チームも活動しています。ルールも男子とまったく同じ。タックルもバンバンやります。
日本の女子「サクラセブンズ」が躍動すればラグビー人気はさらに上昇するでしょう。延期前のオリンピックでの日程はは7/30~8/1までと男子同様の日程で開催予定でした。
③メダルの可能性は?
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日本は強いの?日本はメダルが取れるのか?
男子7人制では世界のトップ15チームを「コアチーム」と呼びます。残念ながら日本は、昨年コアチームから降格しました。それでも世界16位相当なので充分メダル圏内だと言えるでしょう。
実際、2016年のリオ五輪で、男子は世界ランキング1位の常連ニュージーランドを破る大金星を挙げ堂々の4位入賞。メダルにあと1歩届かなかったものの世界をあっと驚かせました。地元開催となる今回、リオ以上の結果が出るのではと期待大です。
女子も同じくトップ11チームのコアチームには入っておらず、世界12位相当。番狂わせが起きやすいのがセブンズの面白さなので、メダルは決して夢ではありません。選手の後押しとなるご声援、どうぞよろしくお願いいたします。
④稲垣、堀江、リーチらは出るの?
男女別注目選手紹介
W杯とオリンピックでメンバーは同じなのか、気になるところですが、競技特性の違いから15人制のFWで背番号1番~5番が選ばれることはほぼ100%ありません。
そんなわけで1番2番の稲垣、堀江両選手はもちろん、リーチ選手、姫野選手のような体の大きいFW選手で7人制代表候補にも呼ばれている人は1人もいません。
入っているのは、フェラーリと呼ばれたBKの福岡堅樹選手のみ。五輪終了後に医者を目指す、最近熱愛報道があったあの選手といえば分かるでしょうか。
7人制は、W杯とはまったく違うヒーローが誕生するチャンスでもあります。今回、筆者の独断で男女1名ずつ、注目の選手をご紹介します。
■7人制のニュースター・松井千士選手
INFORMATION
松井 千士(まつい ちひと)
25歳 183cm/78Kg
経歴:常翔学園高校⇒同志社大学⇒サントリーサンゴリアス所属
50m5秒7の快速を誇る松井選手は、高校時代から花園全国制覇で注目を集めたスター選手。大学4年で迎えた前回リオ五輪では、惜しくも12人のメンバーから落選し「21年間生きてきて1番悔しい」とツイート。流した涙を糧に4年後の現在はキャプテンの1人としてチームをまとめる中心選手に成長しました。
2月末にウルグアイで行われたセブンズ・チャンピオンシリーズでは、決勝で地元ウルグアイと対戦、0-0から突入した延長戦で、目前の敵を抜き去り決勝トライを決めて、見事シリーズ優勝を成し遂げたのです。
そのトライシーンがこちら(赤・背番号8)
¡TREMENDA FINAL!
¡En muerte súbita Japón le ganó a #Uruguay , de increíble torneo, con un try de su capitán!#7sChallengerSeries #HSBC7s pic.twitter.com/bTvXAQaklM
— World Rugby ES (@WorldRugby_ES) February 24, 2020
ちなみに、同大会予選プール・ジンバブエ戦での松井選手の独走トライシーンも
💥【男子セブンズ】💥
🇯🇵 v 🇿🇼
19 – 12ジンバブエ戦のプレイバックを続けます!
松井選手がハーフウェイ・ラインから突っ走ってトライをあげました!
足速すぎて、ジンバブエの選手が追いつけない!🏃♂️💨 pic.twitter.com/VLaJbenyS4— World Rugby JP (@WorldRugby_JP) February 23, 2020
日本の新しいスピードスター「ちひと」に注目して下さい!
■女性版フェラーリ・大竹風美子選手
INFORMATION
大竹 風美子(おおたけ ふみこ)
21歳 171cm / 73Kg
経歴:東京高校⇒日体大
中学時代は100mの東京都チャンピオン、高校ではあのケンブリッジ飛鳥選手を育てた名門陸上部に所属し、7種競技でインターハイにも出場しました。
陸上でも五輪有望でしたが、高校ラグビー部の先生の勧めで大学から突如ラグビーに転向、わずか1年半で7人制女子日本代表候補に選出された超逸材です。
ナイジェリア人の父を持つハーフで、圧倒的スピードを武器に戦うプレイスタイルから女性版フェラーリ松島と異名を取っています。
そのトライシーンがこちら(青・背番号4)
🌸【女子セブンズ】🌸
🇪🇸 v 🇯🇵
12 – 33日本代表が止まらない!😍
大嶽選手がスペインのディフェンスをかわして日本の5回目のトライをあげました!#HSBC7s #Sakura7s pic.twitter.com/9c8wRlR65p
— World Rugby JP (@WorldRugby_JP) February 2, 2020
プライベートでは防弾少年団のファンという女子な一面も。彼女がグランドで跳ね回ればメダルも近づいて来るでしょう。
オリンピックでも、引き続き日本ラグビーの応援よろしくお願いいたします。