Nikeのマラソン2時間切りへの挑戦「Breaking2」
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—ナイキが2時間の壁を破るかもしれないー
ナイキは5月の第1週目週末、前人未到の2時間切りマラソンプロジェクト「Breaking2」を行います。このプロジェクトに携わるのは、トップアスリートを始め、素材開発や栄養、生理学の専門家、エンジニア、デザイナーなど、世界クラスのイノベーターを集結させた「Breaking2チーム」。このチームで2時間切りに挑む3名のアスリートを支え、Breaking2にチャレンジします。
前人未到のマラソン2時間切りに挑む「Breaking2」チーム
現在のマラソンの世界記録は、2014年ベルリンマラソンに出場した際に樹立した、ケニア出身デニス・キメット選手の2:02:57です。2時間を切るまであと2分58秒ですが、この2分58秒が大きな壁として立ちはばかっています。
昔からナイキは限界にチャレンジすることを大切にしており、この2時間切りを超えなければいけない壁だと考えていました。2013年、ナイキはBreaking2のためのマラソン用シューズの開発を始め、2014年の夏には正式にBreaking2 チームを発足しました。ナイキの共同創立者で陸上コーチでもあったビル・バウワーマンは、「ランニングの本当の目的はレースに勝つことではなく、人間の心の限界を試すことである」と話しています。Breaking2を達成するために、ナイキは商品を一から見直すことで、スポーツへの理解を深め、全てのランナーへのサポートをより強固なものにしたいと考えています。
Breaking2にチャレンジする3選手
今回この大きな壁にチャレンジするのは、ケニアのエリウド・キプチョゲ、エリトリアのゼルセナイ・タデッセ、エチオピアのレリサ・デシサの3選手です。
エリウド・キプチョゲ(32)
ランニングを始めたのは高校卒業後にも関わらず、その類まれなる才能で、2015年のベルリンマラソンではそれまでのパーソナルベストを上回る2:04:00で優勝。2016年ロンドンマラソンでは、その記録をさらに上回るコースレコードの2:3:05を記録し、同年のリオデジャネイロオリンピックでも優勝しています。
ゼルセナイ・タデッセ(34)
2004年アテネ五輪の10kmで3位となり、エリトリア人初のオリンピックメダリストとなりました。2006年のIAAF世界ロードランニング選手権20kmでは、エリトリア人アスリートとして初めて世界選手権優勝を果たします。現在、男子ハーフマラソンの世界記録58分23秒の保持者で、世界ハーフマラソン選手権では過去5回優勝する無類の強さを誇ります。
レリサ・デシサ(26)
元々トラックレースの10,000mで活躍していましたが、エチオピア代表の座を逃し続けていました。2013年のドバイマラソンで初マラソンに挑戦。このレースで2:04:45の記録で優勝し、一躍世界トップレベルに名を連ねました。その後、2013年、2015年のボストンマラソンでは優勝を果たしています。
全てのランナーに向けて開発されたシューズ
今回ナイキが開発したのは、ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%、ナイキ ズームフライ、ナイキ エア ズーム ペガサス 34の3種類のシューズです。
世界のトップマラソン選手から、初めて長距離レースに参加するランナーまで、全てのランナーに向けて開発されたこれらのレーシング・トレーニングシューズは、今までのランニングシューズの見た目と着用感を一新するものとなっています。
また、シューズだけでなく、ウエアも快適さやフィット感、重量感を考えて新たに作られたもので、今までのウエアの概念を覆しています。
気温や天候、ペース配分など分析を重ねて選ばれたイタリアの2.4kmループ
Breaking2チームは、チャレンジを行う場所も吟味して選び出しました。都市を拠点にしたコースという考えを転換し、スピードの代名詞であるオートレーシングトラックに目を向けました。
高度や気温、気圧など多くの要素からなる環境の最適な場所を世界各地くまなく探した結果、選ばれたのはイタリアのモンザ郊外にあるアウトドローモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァの2.4kmのループ。
この場所は、気温は常に12℃程度で走りやすい温度です。また、ランナーの負荷が少ない曇りの日が多く、コースは海から離れ、多くの木々に囲まれた場所にあるため、気流の方向が突然変わることもありません。
環境面やペース配分、水分・栄養補給やサポートチームの移動など、様々な要因について分析を重ね、この2.4kmループがBreaking2に最適な場所として決定されました。
イベントは非公開で行われますが、レース前のライブショーやナイキアスリートの実況解説付きレースのストリーミングなども行われる予定で、現場の興奮を味わうことができます。史上初マラソン2時間切りの期待が高まります。
古代ギリシャで生まれたというマラソンに2017年5月、新たな歴史が加わるかもしれません。