究極のファンランナー・ヤハラリカさんが楽しみ尽くしたナミブ砂漠レース250km
DO究極のファンランナー・ヤハラリカさんが楽しみ尽くしたナミブ砂漠レース250km
2017年に世界一過酷と言われるサハラマラソンに挑戦し、見事完走したタレントでビーチハンドボールアンバサダーを務めるヤハラリカさん。Sportieでは当時の挑戦をインタビュー取材していました。
>>世界一過酷と言われるサハラマラソンへの挑戦
>>世界一過酷!サハラマラソン完走!
あれから2年経って、2019年5月に4 Desertsと呼ばれる世界4大ウルトラレースのひとつ、ナミブ砂漠レースに挑みました。ナミブ砂漠レースは6ステージ、合計250kmのコースを7日間かけて走ります。その間、水だけはチェックポイントでもらえますが、それ以外の衣類、食料などの荷物は自身で背負って行かなければなりません。
そんなレースを駆け抜け、今回も完走を遂げたヤハラリカさん。「フルマラソン完走はあっても、砂漠レースを2回完走した芸能人はなかなかいないでしょ!」と笑ってみせてくれました。ナミブ砂漠レースを振り返って話を聞きました。
2度目の挑戦はミラクルが起きて超元気
ーー完走おめでとうございます!
ありがとうございます!
ーー2度目の砂漠レースをチャレンジしようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
初挑戦したサハラマラソンの時は、人生で一番辛かったのですが、終わってみたら「楽しかった!」って思うんですよね。ただ、レースの後1年間くらい体調が安定しなくて、回復したら再び挑戦したいと思いを募らせていました。
それで、体調が良くなってきた頃に「もう一度チャレンジしたい」と色んな人に言っていたところ、Salomon(スポーツ用品ブランド)が「装備を用意するから行ってきなよ」と声をかけてくれました。装備で20万円くらいかかるので「こんなチャンスある!?」と思って再び挑戦することになりました。
ーー前回を踏まえて準備はどのようにしましたか?
前回同様に、毎日重りを入れたリュックを背負ってのトレーニングはしていました。3月に国内でフルマラソンを走ってから4月末に砂漠レースが控えていたので、疲労を抜くことを意識して取り組みました。
ーーサハラマラソンとナミブ砂漠レースで違いはありましたか?
気温とコースが大きく違いました。気温に関してはサハラマラソンはとにかく暑くて、47度とかになるんです。日陰もないし、暑すぎて息が吸えない。
でもナミブ砂漠レースは昼間30度に達する時間が少しありますが、基本は寒く、雨が降って震えるくらいでした。それに、ビーチ沿いを走るので、雲が発生していて、日陰ができるので走りやすかったです。
コースはサハラマラソンは砂丘がたくさんあってめちゃくちゃ辛かったんです。砂丘って登りは四つん這いでよじ登っていくしかなくて。それがナミブ砂漠レースは、砂丘があるのが第五ステージだけで、他は基本は岩場や、平らなところで、足元は石でガチャガチャした感じが多かったです。
ーー前回のレースでは股関節の痛みに苦しんだり、食事も受け付けないような状態だったと思います。今回は何か対策したのでしょうか?
今回ミラクルが起きて、特に対策したわけではないのに、どこも痛くなかったんです!筋肉痛もなくて、食事もよく食べれて、超元気(笑)。みんなにミラクルガールって言われてました。
サハラマラソンの時は初日からご飯も受け付けなくなったので4kg痩せましたが、今回はちゃんと食べれたので1kgしか減りませんでした。気温の違いと、人工甘味料が苦手なのに前回はドリンクのパウダーなどにたくさん含まれていたのを、今回は無くしたので胃が元気でした。
ナミブ砂漠レースでは1日2000kcalを摂取しないといけないルールなのですが、前回は多めに持って行って食べられなくて食料を捨てたくらいだったので、今回はギリギリの量しか持って行かなかったんです。朝晩はアルファ米とプロテインバー、昼は走りながらゼリーやバー状の食べやすいものを摂取して、ご褒美としてカップヌードルを数個持っていきました。それが「これを乗り切ったらカップヌードル食べられる!」というモチベーションになりました。それから、前回日本の味が恋しくなったので、お茶漬けの素を持って行って周りの日本人から羨ましがられました。
ーールールも違ったんですね。
サハラマラソンとナミブ砂漠レースではルールが結構違いました。例えば、水はもらえるのですが、前回は使用用途は自由でした。でもナミブ砂漠レースでは、食べる・飲む以外の使用が禁止されていました。洗濯ができないのが痛手でしたが焚き火をしてくれるので、いぶしてにおいを消したのですが、うっかりアームカバーを燃やしちゃうアクシデントもありました。顔も頭も洗えず朝晩ウエットシートで拭くくらいだったので、ずっと砂がまとわりついている感じがして、しんどかったです。
ーー痛みが全くなかったとのことですが、膝や股関節周りを重点的に鍛えたり、走り方を変えたりしたんですか?
鍛えることは特にしてないですが、走るフォームは変えました。サハラマラソンの時から意識はしてたのですが、フォームを変えたことで普段から怪我が減ったり、今回のミラクルに繋がったんだと思います。
ーーどのようにフォームを改善したのでしょうか。
サハラマラソンが終わった後にランニングアドバイザーの資格を取得しました。その際にフォームを教えてもらって、速く走る時と、遅く走る時、リュックを背負って走る時と、それぞれフォームが違うことに気づき、自分で改善していきました。身体の全体を使って負担が分散するように意識しました。
究極のファンランナー。五感で感じるナミビアの絶景たち
ーーヤハラさんは目標タイムなどはあったんですか?
目標タイムは全然なくって、完走できればいいと思ってました。記録作りではなく、思い出を作りに行っています。誰よりも楽しんだという自信が欲しいと思って、アザラシがいれば写真を撮りに行ったりしながら、楽しみ尽くして駆け抜けました。
ーー何か考えながら走ったのでしょうか。
せっかくナミブ砂漠にきているわけだから、ここの環境を五感で感じたいと思って、自分の足音と、リュックが揺れる音、そして岩のひとつひとつを感じながら走りました。
ーー今大会のベストショットは?
星空です!周りに砂丘も何もなくどこまでも平坦なので、夜になると180度の星空が広がるんです。上を見上げなくても、前も横も星空で、とってもロマンチックでした。オールナイトで走るステージは、まさに星に向かって走っている感覚でした。
ーーライオンが出てコースが変更になったと聞きましたが、ナミビアの大自然はどうでしたか?
コースは国立公園の中なので、そこにいるライオンはマイクロチップが入っていて、接近がわかるようになっています。それでコースが変更になりました。
夜は動物の甲高い鳴き声がして、運営スタッフが「お腹空いてるのね」って。「私たち狙われてる!?」みたいな(笑)。
ライオンには遭遇しないように運営されていたんですが、ジャッカルはいました。最初は可愛い〜って言ってたんですが、ビーチ沿いにいるアザラシを食べてるのを見て、肉食なんだって気づきました(笑)。
ーー夜はテントを張って焚き火を囲んでみんなでご飯を食べたり、参加者同士の交流はありましたか?
順位やタイムを狙っているランナーたちはゴールしたらすぐ休むのですが、私のようなファンラン層は焚き火を囲んで今日のコースを振り返って話したり、ナミビアの現地スタッフが歌を歌ってくれたり、一緒にダンスしたりして過ごしてすごく楽しかったです。それからスタート・ゴール地点ではヒンバ族が盛り上げてくれるんです。
次の目標は南極マラソン、そして
ーー2度の砂漠レース完走を遂げて、何か気持ちに変化はありましたか?
人生は絶えず変わっていくものなので、サハラマラソンを完走した時も、これを完走したことがきっかけでの変化は感じなかったのですが、初挑戦から2年経ってその変化を実感するようになりました。生き方がシンプルになったと思います。1週間このリュックだけで生きれるって知っちゃったので、普段も、いらないものを排除したら本当に大切なものが何なのかわかるし、より大切にしようって思ったんです。
それから、今回も私の熱量や夢があって、これだけの人が応援し集まってくれたのを見て、こういうことを大切にしていこうと深く感じました。まさか世界一嫌いと言っていたランニングで得られるものがあるとは思いもしなかったです。
ーーランニングが世界一嫌いだったんですか!?
サハラマラソンに挑戦するまではずっと嫌いでしたよ。足が遅いから、部活で走るたびにバカにされたり、怒られたりした思い出があって、大っ嫌いでした。それが初めてフルマラソンに挑戦した時に、6時間半かかったんですが、それでも完走したことをみんなが褒めてくれたんです。人と競うものではないスポーツを初めて知った機会で、「スポーツは下手だろうが関係なく、みんなのものじゃん」という気づきがありました。「1番にならなくちゃ」「ダイエットしなくちゃ」というのではなく、小さい頃に駆け回っていたような感覚で、自分が好きな時に好きなだけ走ることで、段々走ることへの意識が変わっていきました。今では遊ぶために走ってます。例えば東京駅に集合して、浅草に走って向かい、途中途中で神社に寄ったり、おまんじゅう食べたりと、遊びのツールとして走ってるんです。
ーーそれで砂漠マラソンに挑戦するとは…。
そうして遊びのツールとして走っているけれど、それでも速いランナーたちにはバカにされがちだったので、バカにされないために、そういう人たちができないことをやろうと思って砂漠に行ったんです。今や2回完走したので、胸張って「砂漠マラソンはファンランです!」と言えるようになりました。
ーー私も足が遅いので走ることが嫌いだったのですが、お話を聞いていい考え方だと思いました。
何が嫌って、バカにされたり、人に負けた敗北感があるんですよね。だから私が仲間と走る時や、アドバイザーとして教える時も、本来の楽しい駆け回る感じをみんなに目指して欲しいと思ってやっているんです。健康になるし、痩せるし、楽しいし、スッキリするし、タダだし!そういうものを手に入れるのにランニングは手っ取り早いツールだと思っています。
ーー砂漠レースへの挑戦は今後も続くのでしょうか?
ナミブ砂漠レースに出発する前はこれで最後にするって決めてました。レースの3日目くらいまではそう思ってたんです。でも4日目からは「また行きたいな」って思い始めちゃって。
そうなると、「4 Desetrs」と呼ばれる「世界4大ウルトラレース」が見えてきちゃって。ナミビア砂漠レース、ゴビ砂漠レース、アタカマ砂漠レースのうち2つを完走すると、2年に1回開催される南極マラソンへの出走権利が与えられるんです。
南極マラソンの次の開催が2020年12月なので、それまでに2019年7月のゴビ砂漠レースか、2019年9月のアタカマ砂漠レース、2020年6月のゴビ砂漠レース、いずれかに出る必要があります。7月は間際すぎるので9月のアタカマ砂漠レースか来年6月のゴビ砂漠レースかな、と思っています。ただ費用も100万円ほどかかってくるので、資金面の調整が必要です。砂漠貧乏です(笑)。
ーー最後に、砂漠レース以外にも目標があれば教えてください!
自身では砂漠レースへの挑戦を続けながら、走ることが嫌いだと思っている人を楽しく走らせたいです。それからビーチハンドボールも頑張りたいです。
今後のヤハラリカさんの挑戦に、ぜひご注目ください!
そんなヤハラリカさんとランニングを楽しむ女性限定イベントが6月29日に東京・Salomon昭島アウトドアヴィレッジ店で開催されます。また、7月7日にはナミブ砂漠マラソン250km完走記念トークショー&グループランをici club神田6Fアースプラザで開催します。
ランニングが好きな方はもちろん、苦手意識がある方もぜひこの機会に参加してみてはいかがでしょうか。
INFORMATION
■ヤハラリカ ナミブ砂漠マラソン250km完走記念トークショー&グループラン
第1部:ナミブ砂漠マラソン250km完走報告会
アフリカ・ナミビア共和国にあるナミブ砂漠を7日間かけて250km走破する、世界界4大砂漠レースのひとつ「ナミブ砂漠マラソン」走破の模様を、本人撮影によるムービーや写真とともにお伝えします。
場 所:ici club神田6Fアースプラザ 東京都千代田区神田小川町3-6 ici club神田6F
定 員:30名(最少催行人数10名)
参加費:無料
スケジュール:受付13:30~ 実施14:00~15:00
第2部:エンジョイ皇居ラン
ヤハラさんと共に皇居周辺7km程度を楽しく走りましょう!ヤハラさんがナミブ砂漠マラソンで使用したシューズの無料レンタルも実施します。
場 所:Run Pit 東京都千代田区一ツ橋1-1-1 パレスサイドビル1F
定 員:20名(最少催行人数5名)
参加費:無料 (Run Pit施設利用料が別途必要です)
Run Pit利用料金について https://runpit.jp/price/
スケジュール:受付16:00~ 実施16:30~17:30
持ち物:ランニングに必要な用具一式
レンタルシューズ:ヤハラさんがナミブ砂漠マラソンで使用した最新のオンロードシューズ「SONIC RA 2シリーズ」を無料でご利用いただけます。(数に限りがあるのでご自身のシューズもご持参下さい)
レベル:初級者からどなたでもご参加いただけます。(走行距離7km程度)
お申込・お問い合わせ:
両方はもちろん、どちらか一方のご参加も可能です。お申し込みお待ちしています。
Run Pitもしくはサロモン スントici club神田店店頭またはお電話にてお申込み下さい。
Run Pit TEL 03-3286-8921
サロモン スントici club神田店 TEL 03-5577-6922
詳細:サロモン公式サイト
INFORMATION
■ヤハラリカ プロフィール
twitter:@RIKA_YAHARA
Instagram:@rika_yahara
⽣年⽉⽇:1984年8⽉10⽇
出 ⾝:アブダビ(〜3歳)、佐賀、東京
資 格:普通⾃動⾞運転免許、スキューバダイビング(レスキューライセンス取得)、⽇本ランニング協会認定講師、⽇本ランニング協会認定かけっこアドバイザー
2019年4⽉ ⽇本ハンドボール協会公認【ビーチハンドボール・アンバサダー】就任。
2009年、第1回FYTTE専属モデルオーディションで未来賞を受賞し、デビュー。
2011年、FYTTEの企画で東京マラソンのフルマラソンにエントリーしマラソンに興味を持つようになり、
2017年には、世界で最も過酷といわれる⾃給⾃⾜のウルトラトレイルレース「サハラマラソン(250km/7⽇間)」完⾛。
2019年4⽉、ナミビア共和国で開催されたナミブレース(250km/7⽇間)も完⾛。
中学・⾼校時代はハンドボール部に所属。⾼校では全国⼤会に3年連続出場し、東京都代表、関東代表選⼿に選ばれる。
現在もアマチュア選⼿として活躍し、2017年&2018年には、全⽇本ビーチハンドボール選⼿権⼤会で3位⼊賞。ビーチハンドボールの⽇本代表候補に選ばれる実⼒を持つ。
学⽣時代からのハンドボール経験を活かし、⼤崎電気のホームゲームMC、プレーオフの中継フロアリポーター、ハンドボール番組をコメンテーターを務めるなど、2020年のオリンピック競技を盛り上げる活動も⾏なっている。
レース中写真:ヤハラリカさん提供
インタビュー中写真:川口雅史