独立リーグ情報 さわかみ関西独立リーグ・日本海リーグ編

独立リーグ情報 さわかみ関西独立リーグ・日本海リーグ編
今季のさわかみ関西独立リーグは5球団でリーグ戦が行われています。また、日本海リーグは5月5日に開幕し、準加盟の滋賀ハイジャンプスを含む3球団で公式戦が行われています。今回は、この両リーグを紹介します。
5球団でリーグ戦を行っているさわかみ関西独立リーグは兵庫県内に2球団あります。そのうちの1つが兵庫県三田市と西脇市を本拠地とする兵庫ブレイバーズです。同球団は、三田市郊外に位置する神姫バスキッピースタジアム(城山公園野球場)をメイン会場にしています。
>>兵庫ブレイバーズ
参入は2011年、当初の名称は兵庫ブルーサンダーズ。2022年シーズンからは現名称でリーグ戦を戦っています。
神姫バスキッピースタジアムを筆者が訪れたのは、爽やかな気候の5月23日。JR福知山線三田駅から路線バスもありますが、徒歩だと30分程度。途中で飲み物や食料を買い込むことが可能です。これまでに三田駅から無料シャトルバスが運行されたことも。比較的アクセスが良く、周囲を緑に囲まれた球場はのんびりと試合を観るのに適した環境です。
この日の試合は兵庫ブレイバーズと和歌山ウェイブスの6回戦は、予定より30分遅れの17時半に始まりました。兵庫ブレイバーズの先発投手は蔵本治孝投手。蔵本投手は東京ヤクルトスワローズでプレーした経験もあります。和歌山ウェイブスは寺戸大凱投手です。
試合は前半に兵庫ブレイバーズが7点を奪い、投げては継投で相手打線を完封し勝利しました。30歳になる右腕、蔵本投手は7イニングを投げてわずか2安打で9つの三振を奪い、堂々と力のあるピッチングを見せました。好調の寺本大洸選手や俊足のトップバッター山崎照英選手らもおり、この日は投打が噛み合い効率的な勝利だったといえます。順位だけみると、現在のところ兵庫ブレイバーズは決して勝ちに恵まれていませんが、今後が期待されます。
首位争いは堺シュライクスがリード
今季は通期制を採用し、5球団による12回戦総当たり(1球団48試合、うち24試合がホーム)のリーグ戦となっているさわかみ関西独立リーグ。
現在、首位の堺シュライクスが2位の和歌山ウェイブスをやや引き離しています。そして3位が兵庫ブレイバーズ、4位が大阪ゼロロクブルズ、最下位が姫路イーグレッターズ。兵庫ブレイバーズは5割をわずかに割り込んでいます。
同リーグにはこの5球団のほかに準加盟の淡路島ウォリアーズがありますが、今季、試合は行っていません。
球場への来場者はリーグ全体で1試合平均93人(リーグ公式HPより筆者が算出)と決して多くありませんが、熱心なファンがスタンドから選手らを見守る姿が印象的でした。また、独立リーグは選手との距離が近いのも特徴です。「推し」を見つけにのんびりと球場へ出かけるのもいいかもしれませんね。
日本海リーグ
>>日本海リーグ
滋賀に独立リーグのチームが返ってきた記念すべき日となりました。6月21日、守山市民球場で滋賀ハイジャンプスが石川ミリオンスターズを迎えての「開幕戦」が行われました(当初、5月17日に予定されたが雨天中止)。
滋賀ハイジャンプスは今季、準加盟球団として参加し20試合を行い(うち6試合がホーム開催)、本加盟を目指します。
この日の先発投手は石川ミリオンスターズが高林翔投手。対する滋賀ハイジャンプスが松井拓真投手。初回に滋賀ハイジャンプスの3番、大橋優斗選手の3ランホームランが飛び出し先制します。続く第2打席目でも本塁打を放ち、計3安打で5得点全てを叩き出しました。また、松井投手は制球が良く、ストレートに変化球を織り交ぜ7回途中まで9つの三振を奪い2失点で切り抜けました。終わってみれば5対4と滋賀ハイジャンプスが石川ミリオンスターズを下し、ホーム初開催にして初勝利を挙げた記念すべき試合となりました。この日、球場には4358人ものファンが集まり大きく盛り上がりました。
本格派の投手も
6月7日に行われた富山GRNサンダーバーズ対石川ミリオンスターズの試合では、点の取り合いになり両チーム合わせて12人もの投手を投入する試合になり、8対4で富山GRNサンダーバーズが勝利しました。この試合では富山GRNサンダーバーズの瀧川優佑投手が150キロ、道﨑亮太投手が140キロ台後半の球速をマーク(球場のスピードガンの表示)するなど気合いのピッチングを披露しました。
翌7日の富山GRNサンダーバーズ対滋賀ハイジャンプスの試合では、富山GRNサンダーバーズの渡邊蒼投手、滋賀ハイジャンプスの松井投手の先発で始まり、接戦かと思われたものの、富山GRNサンダーバーズ打線を抑えきれずに9対4で富山GRNサンダーバーズが滋賀ハイジャンプスを下しています。この試合でも瀧川投手は150キロの球速を記録しています。また、松井投手は6失点で敗戦投手になったものの5つの三振を奪い、制球や変化球にはいいものを持っている印象がありました。
「異色」の登録名
今季、富山GRNサンダーバーズに新入団した選手の一人にシャア選手がいます。
本名は關口赤彗星選手です。「赤彗星」を「シャア」と読むとのこと。捕手で登録されていますが、チームで唯一赤いプロテクターを使用しています(サンダーバーズのチームカラーは緑)。ちなみに同チームの捕手はほかにも柘植英樹選手が「ザク」選手。岩室真選手が「シン」選手として登録されています。
ガンダムファンの方にも、ぜひこれらの選手たちを応援しに球場に来てもらいたいですね。
リーグ戦のゆくえ
今季は前後期制を採用している日本海リーグ。5月5日に開幕し、間もなく前期が終わろうとしています。
現在のところ、富山GRNサンダーバーズが11勝5敗と優勝に王手をかけています。石川ミリオンスターズは8勝8敗、滋賀ハイジャンプスは1勝7敗となっています。
また、同リーグの野手陣では富山GRNサンダーバーズの柘榴英樹選手や石川ミリオンスターズの上田大誠選手がともに4割台のハイアベレージを保持しています。
また、富山GRNサンダーバーズの根本剛希選手と石川ミリオンスターズの間野勇翔選手が盗塁数13で並び、瀧野真仁選手、幌村黛汰選手(ともに富山GRNサンダーバーズ)ら続きます。これらの選手は積極的に足を活かし、得点に結びついています。これらの選手らがシーズンを通してどれだけ成長していくかが見どころです。
※記録、成績は7月2日現在